先日韓国ソウルにある黄金スパという韓国風サウナに行ってきたから、施設の紹介を含め感想をまとめる。
韓国旅行を控えている人は参考にしてほしい。
【結論】簡易宿泊施設として使うのはアリ
早速だけど俺の結論としては、宿泊料を安く抑えたい旅行客が簡易宿泊施設として利用するにはアリ。
だけど旅行中にわざわざ観光目的で立ち寄る必要はない、そう感じた。
韓国サウナといえばチムジルバン
チムジルバンとは、韓国にある温浴施設の一種。40〜90度の低温サウナがメインで日本の岩盤浴と同じく、館内着を着用して男女一緒に入ることができる。
施設の形態は日本の健康ランドと似ていて、ほとんどの施設が24時間営業。施設内にアカスリや売店、レストランなどを併設しているから、1日過ごそうと思えば余裕で過ごせる。
ただ、日本のように漫画を置いている施設は調べた限り見つからなかった。やっぱり日本人の漫画に対する愛は異常らしい。
韓国ではサウナよりこのチムジルバンが主流で、日本にあるような普通のサウナもあるにはあるけど圧倒的に数が少ない。
汗蒸幕(ハンジュンマク)とは
引用元:https://hanjunmakunoyu.jp/
韓国サウナの典型として、チムジルバンと並び汗蒸幕(ハンジュンマク)がある。
汗蒸幕は黄土と石をドーム状に積み、その中で直接火を焚いて90〜150度と高温にした状態で中に入り発汗を促す、韓国の伝統的なサウナ。
都市部では直接火を焚くのが禁止されていて、現在は電気やガスを使って室内を温めるのが一般的らしい。
中から撮った写真がインスタ映えするとして女性に人気。
日本の香川県にある「塚原のから風呂」と見た目や火入れの方法が似ているけど、お互いの発祥になにか共通点があるのかもしれない。
塚原のから風呂に行った時の感想は以下。
【塚原のから風呂に入った感想】170度のサウナで生死をさまよう【香川】
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黄金スパの立地はいい
「黄金スパ(ゴールデンスパ)」の場所はソウルの有名観光地、東大門から1km、歩いて20分ほど。
地下鉄なら東大門駅から1駅行った東廟前(トンミョアプ)駅から徒歩5分ほどと、アクセス良好。
ソウルの原宿とも呼ばれ、韓国旅行に来た観光客が必ず訪れる「明洞」からも地下鉄に10分ほど乗ればアクセスできる。
施設自体はロッテが所有する商業ビルの地下にあり、周辺に同じような高層ビルが何棟もあって、どのビルに入ればいいかわかりづらい。俺はビルの前で10分ぐらい迷った。
黄金スパの受付〜支払の流れ
ビルのエスカレーターを下って、下の写真にある入り口の扉を開けると、
正面に受付があり、左右に鍵付きの靴箱が設置されている。入って右の靴箱が男性用、左が女性用。
脱衣所まで進んだ後に知ったけど、靴箱の番号が脱衣所のロッカー番号と連動している。
といってもロッカーの位置関係なんて初めての人にはまったくわからない。俺は周りに空きが多そうな所を適当に選んだ。
入浴料は11,000ウォン
靴を入れたら受付で11,000ウォン(約1,100円)を払い、館内着とタオル2枚(大小)を受け取る。靴箱の鍵を預けたかどうかは覚えてない。
カード可だったから俺は楽天カードで払った。俺が韓国に行った時キャッシュオンリーだった店は屋台だけだった。
ちなみに20時以降の入浴料は13,000ウォンで、子供(7歳未満)はいつ入っても10,000ウォン。料金表画像をGoogle翻訳にぶちこんでみた。
日本円にして1,100円で日中ずっと滞在できるなら安いと思う。会員権はかなりヘビーユーザーを想定した金額になっている。
タオルは使い放題
日本にあるちょっと高めのサウナ施設と同じように、脱衣所の真ん中にフェイスタオルが山積みにされていて使い放題。
都心部の立地に加え、1,100円でタオル使い放題はありがたい。
館内着に着替えてチムジルバンへ
脱衣所で館内着に着替えたら、脱衣所でもらったタオルを持ってチムジルバンゾーンへ向かう。
この時チムジルバンゾーンへの入り口は脱衣所の端にあって、非常にわかりづらいから頑張って探してほしい。俺の記憶が正しければ、確か入り口から見て左奥だったと思う。間違ってたらゴメン。
チムジルバンは種類がかなり豊富
チムジルバンゾーンにはチムジルバンと汗蒸幕だけでなく、レストランや仮眠室、喫煙所、ゲームコーナーがあって、それぞれ部屋が区切られている。
最初はどの部屋がなんの施設なのかよくわからない。
数えてないけどチムジルバンだけで10種類近くあったと思う。
共用部分では韓国人のジジババが何体もマットを敷いて寝そべっているから、踏まないように通路を進む。年寄りが温浴施設を好むのは韓国も同じらしい。
次からはメインのチムジルバンと汗蒸幕を紹介する。
ピラミッド型チムジルバン
チムジルバンゾーンのど真ん中に鎮座するピラミッド型の部屋。
入り口スフィンクスになっているから嫌でも目に入る。このチムジルバンが黄金スパ1番の売りであり、中が最も広い作りになっている。
入り口が狭いから屈みながら入室。
温度は45度で、対面の壁際にいる人の顔がわからないぐらい証明が薄暗い。
45度っていうと眠れるかどうかの絶妙な温度。20分ぐらい横になってたらしっかり汗をかくことができたので外に出た。
と、まぁ外観のスフィンクス以外は、日本にある一般的な岩盤浴と大きくは変わらないなって印象。
汗蒸幕(ハンジュンマク)
韓国サウナといえばこっちをイメージする人も多いと思う。
満を持して入ろうと思ったら、扉の窓から入り口を向いて座っているおばさんが見えた。
その時は「なんでそんな邪魔くさい座り方してるんだよ。早くどかねーかな。」って思って見てたんだけど、そのおばさんがいなくなって自分が入った時に理由がわかった。
外からは見ると巨大な空間に見えるこの汗蒸幕、実は1人用だったんだ。
中に入ると奥行きも幅も人が1人座り込むスペースしかない。
おばさんは邪魔したくて入り口前に座っていたのではなく、そこしか座るところがなかったんだとわかった。
で、汗蒸幕はどうかというと、温度は体感90度くらいで、狭い分扉がある正面以外の壁から強烈な熱を感じる。とはいえ、岩盤浴レベルって感じで、どうしても日本にある100度の高温サウナには及ばない。
10分で入って退散。
この汗蒸幕が1人用ってことは外国人じゃなくても知らない人がけっこういたっぽくて、俺が入っている間も何度か扉を開けてくる人がいたから、あまり居心地がよくなかった。
黄金スパにはサウナもある
黄金スパにはチムジルバンの他に、日本でいう一般的なミストサウナや高温サウナもある。
サウナは浴場にあり、裸で入るからスタイルは日本とまったく同じ。
ミストサウナは漢方の香り
ミストサウナは漢方の香りがかなり濃い。こういう漢方系の香りが好まれるのは日中韓にみられる独特の共通点な気がする。
中には石の丸イスが4つほどあって、上からミストが降り注いでいた。温度は50〜60度と日本のミストサウナと変わらない。
中で韓国人の若者2人組が何やらはしゃいでいた。若者が友達同士で銭湯にくるのも日本と同じらしい。
サウナは普通。でもそれでいい
黄金スパの高温サウナにはこれといった特徴がない。
熱源は遠赤外線のストーブで温度は90度ほど。スパ銭によくあるタワーサウナとコンディションとは似ている。ただ、L字型の席であいにく1段しかないから体感温度はそこまで高くない。
ミストサウナと打って変わって1人客しかおらず、TVもないから静かだった。
日本のよくあるサウナと仕様がほぼ変わらないから、わざわざ韓国へ旅行に来てまで行く必要はないと思うけど、長期滞在中でどうしてもサウナに入りたい場合には十分なクオリティ。
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水風呂が巨大
韓国の水風呂がどこも同じなのかはわからないけど、黄金スパの水風呂はかなり広い。
見た目30人ぐらいは入れそうな面積。旅館の大浴場がそのまま水風呂になったような感じ。しかも深い。腰ぐらいまで水深があったと思う。
水温は20度くらいなんだけど、壁際にあるボタンを押せば強めバイブラが発動するから、体感はかなり冷ため。
泳いでいる現地人が何人もいたから多分潜水OK。
サウナ室出て目の前に紐を引っ張ると、はるか上からバケツをひっくり返したかのような水シャワーが降ってくる装置もあった。けっこう長いこと水が出るけど、ほっといたら止まる。
サウナだけは外国にいることを忘れさせてくれる
俺みたいな海外旅行初心者からすると、いくら文化的に似ている韓国とはいえ、言葉の通じない外国の地は緊張の連続で、心の休まる時間がほぼない。
そんな中、静かなサウナ室でただただ汗をかくこの10分間だけは外国にいるということを完全に忘れさせてくれて、すごくリラックスできた。
とはいえ、サウナ室を出た途端、韓国人ジジイのでかい話し声が耳に入ってくるから一気に現実へ強制連行されてしまう。
慣れない異国での滞在に疲れてきてホームシックになっている人は、黄金スパのサウナ室にこもってほんのひと時だけ現実逃避してもいいかもしれない。
黄金スパは超ローカル施設
最初に受付で支払いをしてる時点から薄々感じてはいたんだけど、黄金スパは完全に現地民向けの施設。
観光地化されていないがゆえに、料金が安く混雑もしていない。
それだけ聞くと、穴場やん!ウチ安いのが好きやねんって連中が湧くかもしれないけど、ローカル施設に外国人観光客が訪問するのはデメリットも大きい。
日本語はおろか英語も基本通じない
少なくとも俺が行った時は、黄金スパのスタッフに英語や日本語が理解できる人はいないっぽかった。
Googleやサウナイキタイで日本人の口コミを見ても、みんな同じようなことを書いてるから、高確率で韓国語以外通じないと考えて間違いない。
韓国って高校で第二言語として日本語を学習する人が多いから、街にはけっこう日本語を話せる人がいるんだけど、黄金スパは現地民向け商売だから、日本語が話せるスタッフなんて不要だと判断したのかもしれない。
中国で行ったサウナも同じだったから、ローカルサウナでは英語が通じないと思っておいた方がいい。
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案内表記もほぼすべて韓国語
さらに価格表や案内に外国語の表記はほぼない。チムジルバンゾーンに少しだけ日本語があった気がするけど、基本的にはすべてハングルで表記されていて解読不能。
我々外国人にはハードルが高いと言わざるをえない。
黄金スパにはGoogleレンズが必須
黄金スパがここまで異国な環境だと、せっかくサウナに入りたいと思っていたのに不安を感じる人がいるかもしれない。
心配ない。現代にはテクノロジーがある。
Googleが無料で提供しているGoogleレンズを起動し、目の前にある文字を読み取ってしまえばそれが何語であろうとすべて日本語に変換してくれる。
俺は今回の旅でGoogleレンズに何度も助けられた。
たまに意味不明な翻訳になることもあるが、それもご愛嬌だ。黄金スパに行くかどうかに関わらず、韓国語に明るくない人はGoogleレンズのインストールをおすすめする。
ちなみに俺は海外での通信手段として、楽天モバイルの海外ローミングを使っている。無料で2GBまで使えるからおすすめ。楽天モバイルについては以下の記事で詳しく解説しているから参考にしてほしい。
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格安で泊まれる簡易宿泊所
ここまで読んで薄々気づいたと思うけど、俺にとって黄金スパのチムジルバンは完全に期待はずれ。
俺に事前知識がほぼなかったのもあるけど、スタイルが日本の岩盤浴と変わらないんだったらわざわざ韓国に来てまで行く必要性は正直ないと思った。
だったら黄金スパの24時間営業と好立地を利用して、チムジルバンを目的に行くのではなく、旅の拠点として利用するのが賢い使い方。
1泊2,400円風呂付き
料金は先にも紹介したけど、5〜20時が10,000、20〜5時が13,000だから20時以降に入場して朝12時に出ても合わせて24,000ウォン、日本円で約2,400円程度で済む。
ソウルでこれより安い宿がどれだけあるかはわからないけど、清潔な大浴場に入れて東大門市場が徒歩圏内なら悪くないと思う。
しかも予約不要でいつ行っても料金が変わらないから弾丸旅行なんかで役立つだろう。
お金のない学生やバックパッカーなんかはぜひ利用してみてほしい。
黄金スパの概要
施設名 | 黄金スパ(ゴールデンスパ) |
住所 | ソウル市中区黄鶴洞2545 ロッテキャッスルベネチアメガモールB2 |
電話番号 | 02-2231-8000 |
駐車場 | 有り |
公式HP | http://goldspa11.com/ |
入浴料 | 大人:1,100W(5〜20時)、13,000W(20〜5時) 子供(7歳未満):1,000W(5〜20時、20〜5時) |
営業時間 | 24時間 年中無休 |
アクセス | 地下鉄1・6号線東廟前駅(Dongmyo)3番出口から徒歩10分 |