テントサウナのロケーションといえば、川か湖のほとりが定番。
では海はどうか?
海でのテントサウナに関しては、「身体がベタベタ&砂まみれになって不快。」とか「海はぬるすぎて水風呂代わりにならない。」と思っている人が多いはず。
そこで今回は、テントサウナ×海に対するネガティブなイメージをひっくり返してくれるテントサウナスポット、「ヒスイ海岸」について解説したい。
富山県周辺でテントサウナスポットを探している人や、海でテントサウナをしたいと思っている人は参考にしてほしい。
ヒスイ海岸とは
ヒスイ海岸は富山県朝日町の最東部で幅100m、東西約4kmに渡って続くかなり拾い砂利浜の海岸。
実はヒスイ海岸というのは愛称で、正式名称は宮崎・境海岸という。
ヒスイというのは宝石の一種で、このヒスイ海岸は文字通り、ヒスイの原石が海岸に打ち上げられることで有名なんだ。
ヒスイを安全な場所でなおかつ海で採れるのは、世界でもかなり珍しいらしい。
老若男女問わず一攫千金を夢みるたくさんの人たちが、連日この海岸に足を運んでいる。
テントサウナ目的じゃなくても、デートや家族連れでヒスイ探しをしたり、きれいな海を眺めたりするだけでも十分楽しめる場所だ。
ヒスイ海岸がテントサウナにおすすめな理由
ヒスイ海岸がどんな場所かわかったところで、ここからはテントサウナをするのにおすすめな理由について解説する。その理由が下記。
- 海が超きれい
- 外気浴が開放的
- 地面が砂じゃなくて石
- 海水が冷たく水風呂に最適
- 夕焼けがきれい
- 広くて平坦
- 波がおだやか
- トイレあり
テントサウナスポットに必要な条件は以下の記事でまとめられているので参考にしてほしい。
【キャンプ場より野営地】テントサウナができる場所に必須な5つの条件
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海が超きれい
富山湾は北アルプスに近いので、山からの湧水が超短距離で海へ流れ込んでいる。
おかげで富山湾の海水はめちゃくちゃ透んでてキレイなんだ。
あまりにキレイなもんだから「世界で最も美しい湾」として国外からも称賛されているらしい。
そんな富山湾に面するヒスイ海岸も、当然ながら透明度が抜群。下の写真は4月の波がおだやかな日に撮影したんだけど、
水がめちゃくちゃ澄んでいるのがわかると思う。
水風呂の水質にこだわるサウナ好きもこの透明度なら申し分ないだろう。
外気浴が開放的
海でやるテントサウナに共通することだけど、外気浴がめちゃくちゃ開放的。
果てしなく伸びる水平線と広い空を眺めながら、ととのうのは最高の体験だ。
河原での外気浴もすごくいいんだけど、山が近くなることが多いから、どうしても海と同じ開放感は味わえない。
気分が落ち込んだ時は海に行くという人がいるけど、そこにサウナもかけ合わせれば嫌なことなんて一瞬で忘れられる。
地面が砂じゃなくて石
海岸といえば砂浜ってイメージだけど、ヒスイ海岸は下の写真のとおり砂ではなく小石が地面になっている砂利浜なんだ。
地面が砂じゃないおかげで足が汚れない上に、テントやストーブが砂まみれになることもないから超快適。
いつも川でテントサウナをする人は、同じ感覚で設営・撤収ができるはずだ。
ただ、裸足で歩くと石が足の裏に刺さって痛いので、海に入るときもサンダルは必須。
海水が冷たく水風呂に最適
富山湾は太平洋や他の日本海沿岸と比べても海面の水温が低いんだけど、これは北アルプスから冷たい水が短距離で流れ込むのが原因らしい。
下のグラフは気象庁が公開しているデータで、海面水温が月別にまとめられている。上が富山湾で、下がパリピ大好き由比ヶ浜が面する相模湾。
並べてみると、1〜6月頃の富山湾の水温の低さがよくわかると思う。
特に4〜5月頃の水温は12〜18度と、水風呂としては最適な温度だ。パリピもさぞかし富山湾がうらやましいだろう。
夕焼けがきれい
ヒスイ海岸は日本海に面しているから、水平線に沈む夕日が見られるサンセットビーチなんだ。このロケーションはやばい。
この美しい景観から、日本の渚・百選にも選ばれている。
太平洋側出身の俺は山に沈む夕日しか知らなかったから、初めてサンセットビーチを見たときは、数分間その場から動けなくなるほどかなり感動した。
実はテントサウナと夕焼けのコントラストって、川でテントサウナをしていると山に囲まれているからなかなか味わえないんだ。
波の音が優しく響く中、海に沈む夕日を眺めながらする外気浴は、エモすぎていつもの何倍もリラックスできる。
ヒスイ海岸でテントサウナをするなら、ぜひ夕焼けの中で思う存分外気浴をしてみてほしい。きっといつもとは違ったととのいが得られるはずだ。
ただ、日の入りまでテントサウナをしていると、撤収時は暗くなるからランタンかヘッドライトを用意しておくのがおすすめ。
広くて平坦
冒頭にも書いたんだけど、ヒスイ海岸は幅100m、長さ4kmとかなり広いからテントを張る場所に困ることはまずない。
狭いビーチだと、荷物の多いテントサウナはかなりの場所を占有してしまうので、周りから白い目で見られるけど、ヒスイ海岸ほど広い敷地であれば安心。
その上、たいていの場所が平坦なので設営時に傾斜の少ない場所を必死に探す必要がないんだ。
ただ、地面が小石なのでストーブやベンチの足が沈むことがある。転倒には十分注意してほしい。
波がおだやか
テントサウナユーザーは海に入るといっても泳ぐわけではない。海に浸かるのだ。
波が高いと、海に浮いてても沖の方までいかないと身体が海岸に打ち上げられてしまって、ゆっくり水に浸かれない。陸に打ち上げられるサウナーの姿はなんとも無様だ。
特に俺みたいに泳げない人は波が高いと危険を伴う。
その点、ヒスイ海岸は基本的に波がおだやか。
冬や風の強い日など例外はあるけど、夏になると親子連れにも人気の海水浴スポットになっている。
安心して海に浸かっていられる海岸なんだ。
トイレあり
トイレの有無はアウトドアにおいて死活問題。ヒスイ海岸は割と有名なスポットなのでちゃんとトイレが整備されている。安心してほしい。
トイレの場所は駐車場の敷地内で
少しばかり寂れて見えるこの建物。
写真はないんだけど、トイレの裏にはご丁寧に足を洗う蛇口まで用意されている。
とはいえ砂浜になっている部分が少ないので、足が砂まみれになる心配はほぼない。
ヒスイ海岸のデメリット
ヒスイ海岸の特徴が一通りつかめたところで、ここからはヒスイ海岸のデメリットについて解説する。
- アクセスが悪い
- 車の乗り入れができない
- 沖の方は急に深くなる
- 冬は海が荒れて危険
アクセスが悪い
ヒスイ海岸はお世辞にもアクセスがいいとは言えない。
電車の場合、越中宮崎駅が徒歩1分の場所に一応あるんだけど、テントサウナをするのに電車でアクセスする人はまずいないだろうから、ここでは無視する。
富山県と新潟県の県境付近に位置しているから、なにかのついでで行くような場所じゃないし、近くにこれといった観光地も特にない。
さらにヒスイ海岸は周辺に街がなく、ホテルや旅館、飲食店が壊滅的に少ないんだ。
富山市街地からでも高速に乗って1時間かかるぐらいなので、遠方から来る人はそれなりの覚悟が必要。
車の乗り入れができない
海岸なので、河原のように車をテントの横に止めることはできない。
そもそも石川県の一部を除いて、車の乗り入れ可能な海岸はほぼない。もちろんヒスイ海岸もそれは同じ。
とはいえ、下の地図を見るとわかるように駐車場はすぐ近くにあって、
浜までは数歩で行けるし、海までは100mほど。
荷物の搬入もそこまで苦にならないはずだ。
沖の方は急に深くなる
沖縄の海なんかにみられる遠浅の地形と違って、ヒスイ海岸が面する富山湾は、下の構造図のとおり浅い部分がまったくない。
海底が谷のようになっているから、沖の方に進むと一気に深くなる。
サウナをする人が沖の方に行くことはないと思うけど、泳ぎに自信がない人はあまり沖まで進まないように注意してほしい。
子供を連れて行く人はライフジャケットを着用させるなど対策が必要。
冬は海が荒れて危険
春から秋にかけては大人しい日本海だけど、冬になると毎日とんでもない大荒れになる。
三重県出身の俺は冬の日本海を見た時、津波が来てんのかとマジで思った。
海水の温度は冷たくていいかもしれないが、高波が押し寄せる日本海に入れば命はない。
なので冬の日本海でテントサウナをするのは、事実上不可能。残念だが諦める他ない。
ヒスイ海岸でのテントサウナにベストな時期
ヒスイ海岸で快適にテントサウナができる時期は4〜6月上旬の約2ヶ月半とかなり限られる。
短い期間だけど、日本海の特徴を考えると消去法でどうしても限定されてしまうんだ。
先にも書いたとおり、秋〜冬は海がめちゃくちゃ荒れるから入れたもんじゃない。
6月中旬から梅雨入りし、梅雨があけると海水浴客が一気に増えて混雑するからテントサウナをする環境としては不適切。
それに夏はそもそも気温が高い上に、海水がかなりぬるい。下のグラフを見てもらうと
7月〜9月の海水温が25度近くになっているのがわかると思う。これでは水風呂としての機能を果たせない。
ぬるめの温泉にでも浸かっているような気分にはなれるだろうが、ととのうとなると難しい。
以上の理由から、ヒスイ海岸でテントサウナをするなら4月〜6月上旬がおすすめ。
シーズンが終了する前にこの記事に出会えた人は運がいい。
逆に川や湖では冬の時期をおすすめしていて、以下の記事でその理由についてまとめているのでよかったら参考にしてほしい。 続きを見る
【水風呂シングル】テントサウナは冬がベストシーズンである5つの理由【雪ダイブ】
潮の満ち引きに注意
海でテントサウナを設営する時は、潮の干満差に十分注意してほしい。
海育ちの人からすれば当然だけど、川と違って海には潮の満ち引きがあるんだ。
潮が満ちているのに気づかず、テントを設置した場所がいつの間にか海の中だったという事態は絶対に避けたい。
潮汐表でテントサウナ当日、現地の満潮・干潮時刻をしっかり確認しておいてほしい。
特に干潮時刻の前後にテントを設営する場合は、海岸線から十分に距離をとって設営しよう。
海(水風呂)までの距離が遠く、動線が悪くなってしまうと感じるかもしれないが、安心してほしい。約6時間おきに干満は入れ替わる。
ということは少し待てば満潮になり、海の方から近づいてきてくれる。それにテントが海に流されるよりはよっぽどマシだ。
潮汐表を確認するなら下記のサイトが見やすくておすすめ。
ヒスイ海岸でのテントサウナに必要な物
ここではヒスイ海岸でテントサウナをする時に持っていった方がいい物を解説する。
- 水6L以上
- 鍛造ペグorチタンペグ
- スピーカー
タオルや水着といったテントサウナの必需品は、以下の記事で解説しているので参考にしてほしい。
【失敗から学んだ】テントサウナで絶対用意すべき便利グッズ
続きを見る
水6L以上
ロウリュに使う水。
川だったら川の水を汲んできてそのままロウリュに使えるんだけど、海だとそうはいかない。
海水でロウリュするとストーブが錆びるからだ。
いくらテントサウナ用の薪ストーブといえど、塩水をぶっかければ錆びてすぐボロボロになってしまう。
それに海水がテント内で飛び散ったり、蒸気として舞い上がってテントに付着すると、乾いた時にはシミになってしまう。
テントとストーブを守るためにも、ロウリュには事前に用意した真水を使うのがおすすめ。自宅で水道水をペットボトルなんかに入れていけばいい。
道中のスーパーやドラッグストアでも2Lの水が1本あたり100円以下で売られている。
鍛造ペグorチタンペグ
海岸は風が強くなることが多いから、テントの命綱であるペグはしっかりしたものを用意しておきたい。
なのでテント購入時に付属しているペグを、そのまま使うのはダメ。強度が弱すぎる。
付属してきたペグを捨てるのが、テントサウナを購入して最初にすべきことなんだ。
じゃあどんなペグがいいかというと、おすすめはエリッゼステーク。
強度も十分だし、なにより鍛造ペグの中ではかなりコスパがいい。
一方で弱点はとにかく重い。
もし値段が多少高くなっても軽い方がいいって人にはチタンペグがおすすめ。強度はそのままで圧倒的に軽い。
スピーカー
必須ではないけど、海でサウナっていう開放的な空間に好きな音楽があると気分も上がる。
せっかく自分だけのサウナなんだから、好きなように楽しまないと損だ。
おすすめのスピーカーはAnkerの「sound core2」。連続24時間再生可能かつ浸水しても耐えられる防水性能は安心感がやばい。
そんなハイスペックなモバイルスピーカーが5,000円以下で買えるってのは意味不明。
音の大きさを求めるなら、JBLの「flip5」がコスパと性能ともにバランスがいいと思う。ただし値段は倍になる。
他の記事でサウナで聞くべき音楽についてもまとめているので、よかったら読んでみてほしい。 続きを見る
【サウナで聴くべき音楽】耳からととのう究極のチルアウト【サ道】
ヒスイ海岸はテントサウナの常識を変える
ヒスイ海岸は、「テントサウナ×海」に対する俺のマイナスイメージを180度変えてくれた。
もし、俺みたいに海でのテントサウナにマイナスなイメージ抱いている人がいたら、ぜひ足を運んでみてほしい。
透きとおった海と美しい景色はきっとサウナ好きのニーズを満たしてくれる。
富山県周辺でテントサウナスポットを探している人、海でテントサウナをしてみたいと思っている人には、全力でヒスイ海岸をおすすめする。
街のサウナ施設では決して体感できない、極上のととのいを味わってきてほしい。
ヒスイ海岸(宮崎境海岸)の概要
ヒスイ海岸の概要は以下の通り。
スポット名称 | ヒスイ海岸(宮崎・境海岸) |
住所 | 〒939-0703 富山県下新川郡朝日町宮崎 ※グーグルマップの場合は「宮崎境海岸」で検索 |
駐車場 | あり(無料) ※夏季のみ有料 500円/回 |
トイレ | あり |
公式サイト | 朝日町公式サイト |
料金 | 無料 |
アクセス
- 車:北陸自動車道朝日ICから約10分
- 電車:あいの風とやま鉄道越中宮崎駅から徒歩1分
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【ショート動画】ヒスイ海岸でテントサウナ
TikTokでヒスイ海岸でのテントサウナを配信しているので、よかったらご覧ください。
@chiaki.musaretai サウナにハマりすぎた人の末路?#paku #海 #beach ♬ PAKU-asmi - ローカルカンピオーネ??