最近は本業が忙しいせいでサウナへ行けない日々が続いているから、家の湯船に浸かることでなんとかサウナ欲をおさえている。
とはいえ、ただお湯に浸かっているだけではサウナのように汗をかけないし、水風呂にも入れないから、入浴をサウナに置き換えるのにも限界を感じている。
そこで、自宅の入浴を少しでもサウナ浴に近づけたいと思い、本格的なフィンランドサウナの代名詞であるヴィヒタを自宅のお風呂に吊るすことにしたら、思いのほか良かったから紹介したい。
家にヴィヒタを導入したいと考えている人、友達やパートナーにヴィヒタをプレゼントしたいと思っている人は参考にしてほしい。
ヴィヒタの本来の用途はマッサージ
そもそもヴィヒタってなんだよって人は、この記事にたどり着いている時点でかなり少ないと思うけど、「少数派にこそ優しく」が俺のモットーだから念のため解説する。
ヴィヒタは白樺やユーカリの枝葉を束ねたアイテムで、発祥はサウナの本場フィンランドだと言われている。日本でも似たようなもので、神棚に飾る榊があるけど使い方はまったく違う。
サウナの本場フィンランドでは、濡らしたヴィヒタで身体を叩き、マッサージをしたりするのに使われるんだ。このマッサージを専門用語でウィスキングという。
ウィスキングの様子は宗教の儀式そのものなんだけど、魔除けとかそういうオカルトチックな目的はなくて、血行をよくしたり発汗を促進する効果があるらしい。
ウィスキングとは
植物の若い枝葉(主に白樺やナラ)を束ねたもの"ウィスク(ヴィヒタ、ヴェーニク)"を使って『叩く』『扇ぐ』『なでる』『押し付ける』などや技術を組み合わせて行うリトリートサービス。マッサージや血流促進、殺菌などの効果が期待できます。#ジートピア #ウィスキング #サウナ pic.twitter.com/rvdtEB8SYE— ジートピア ウィスキング クラブ(GWC)? (@gtopia_whisking) October 19, 2020
俺はウィスキングを受けたことがないから実際に効果があるかはよくわからない。
日本でもウィスキングを受けられる施設やウィスキングを仕事にしている人たちが存在するから、気になる人は調べてみてほしい。
日本では香りを楽しむのが一般的
日本ではウィスキングより、香りを楽しむためにヴィヒタが使われることが多い。
有名どころだと、名古屋のウェルビー栄がヴィヒタをロウリュ用のバケツに浸けていて、ヴィヒタのエキスがたっぷり入った水でセルフロウリュすることができる。ヴィヒタの香りが常にサウナ室に充満しているから、めちゃくちゃ心地いい。
もちろんサウナ室に吊るして放置しておくだけでも、十分香りを楽しめる。
今回は俺もウィスキングではなく、香りを楽しむために導入しようと決断した。
北海道産白樺の乾燥ヴィヒタを購入
ヴィヒタなんてどこで買えるんだってまず疑問に思ったんだけど、楽天やアマゾンで乾燥された状態のヴィヒタがいろんなショップから普通に販売されていた。
中にはヴィヒタがふるさと納税の返礼品になっている自治体もあって、サウナブームの盛り上がりがうかがえる。
それぞれの商品の差は、産地、サイズの主に2つ。
俺がざっと確認したら以下のような種類のヴィヒタが販売されていた。
- 産地・・・北海道、フィンランド、ラトビア
- サイズ・・・30〜40cm、40〜50cm
初めてヴィヒタを購入するから、こだわりも何もないんだけど、なんとなく安心安全の北海道産白樺のヴィヒタ、30〜40cmの物を購入することにした。
逆にサウナ施設に行って「やっぱりヴィヒタはラトビア産だな」とか言ってる人がいたら正直引く。
サイズに関しては、大きすぎると入浴の邪魔になる可能性があるから、一人暮らし用のお風呂には30〜40cmがおすすめ。ファミリータイプの家でお風呂が大きい人は50cmでもいいと思う。
注文した翌日にヴィヒタが到着
ヴィヒタの配送は思ったよりスムーズで、昼に注文したら翌日の夕方には宅配ボックスに届けてくれた。都会の利便性はすごい。
細長いダンボールに梱包された状態で到着。
開封直後はこんな感じ。
かなり細く束ねられている。透明のフィルムを外すと
すこし膨らんだけど、かなり間抜けな姿。すでにこの時点でほのかに白樺のいい香りがしている。
もちろんこの状態で使うわけではない。ちゃんと手順を踏めば、葉っぱが開いて立派な姿になるから安心してほしい。
乾燥ヴィヒタをお風呂に吊るす手順
届いたヴィヒタを、実際に香りを楽しめる状態にするまでは少し時間がかかる。
まず届いた乾燥ヴィヒタを水に30分ほど浸けておく。
バケツがあった方がいいんだろうけど、あいにく俺の家には空いているバケツがなかったから洗面台に水を貯めて代用した。
この状態で15分後に180度回して反対側もしっかり水に浸かるようにし、さらに15分放置。
30分間、水に浸けた後のヴィヒタは
けっこう葉っぱが広がったと氣がする。これで、サウナ施設でよく見かけるヴィヒタと同じ姿になった。
ちなみにヴィヒタを浸けていた水は、薄く緑がかっていた。
多分この水でロウリュウしたら、めちゃくちゃ白樺のいい香りがすると思う。
ヴィヒタをお風呂に吊るしてみた
水でもどしたヴィヒタをさっそくお風呂に吊るしてみる。
浴室乾燥用のポールがこんな場面で役に立つとは思わなかった。ひっかける場所がない人は吸盤フックかマグネットフックを使ってみてほしい。
濡れているといってもヴィヒタ自体は軽いから問題なく吊るすことができる。
ヴィヒタの香りで疑似サウナ空間を演出
ヴィヒタを天井に吊るした状態で、浴槽にぬるめのお湯を張り、実際に入浴してみた。
最初はかすかに感じる程度だったヴィヒタの香りも、5分ぐらいしたらお風呂の蒸気も相まって香りが拡散し、疑似的にサウナ空間が完成。チョー気持ちイイ。
そもそも俺はいつも長風呂するタイプで、普段から平気で30分ぐらいお湯に浸かっているんだけど、この時は心地よすぎて1時間ぐらい浸かってしまった。
チルな音楽を流すと最高にリラックスできる
ヴィヒタの香りによるリラックス効果をさらに高めるため、モバイルスピーカーをお風呂場に持ち込んで、ゆったりした曲調のヒップホップやジャズを流したらぴったりハマった。
普段のサウナでは自分の好きな音楽をかけることはできないけど、家のお風呂ならできてしまう。
防水のモバイルスピーカーは1つ持っておくといろんなシーンで役に立つ。
ムサレタイではAnkerのSoundCore2をおすすめしているから、よかったら見てみてほしい。
サウナで聞くべきおすすめの音楽は以下の記事でまとめている。
【サウナで聴くべき音楽】耳からととのう究極のチルアウト【サ道】
続きを見る
繰り返し使用可能
購入した乾燥ヴィヒタは、また水につければ同じように香りを発してくれるんだ。
俺はもう3回使ったけど、特に香りの劣化は感じていない。
ただ、使用後はそのまま放置するとカビが生えるから、お風呂場で吊るしたまま換気扇を回してしっかり乾燥させるのがおすすめ。
カビが生えたら臭いがおかしくなるし、虫が湧く可能性もあるから注意してほしい。
家のお風呂にヴィヒタを吊るすデメリット
ヴィヒタをお風呂に吊るすことで感じたデメリットが以下のとおり。
- 葉っぱのクズが落ちてくる
- 事前に水に浸けておかないと香りが出ない
- 入浴剤との併用ができない
葉っぱのクズが落ちてくる
乾燥ヴィヒタは造花じゃなくて本物の植物だから、葉っぱが欠けたり、細い枝が折れたりしたクズが下に落ちてくる。
そこまで気になる量ではないけど、俺は浴槽の上に吊るしているから、入浴前に浴槽を洗おうと思ったら、底にクズが落ちているってことはよくある。
細かいクズだったらシャワーでそのまま流すんだけど、大きい物は手で拾っていて、この手間が地味にめんどくさいと感じる。
それに使用時はヴィヒタ自体が濡れているせいか、水分の重みによってたまに葉っぱが上から降ってくる。
さすがに葉っぱを排水口に流すと詰まりそうだから、お風呂を出てからゴミ箱に捨てるんだけど、これもヴィヒタのおかげで手間が増えているなと感じる。
事前に水に浸けておかないと香りが出ない
ヴィヒタは使いたいと思ってもすぐに使えない。
粉末の入浴剤なら湯船に入れてすぐ使えるのに対し、事前に30分も水に浸けておかないと香りが出ないヴィヒタはどうしても手軽さに欠ける。
忙しい人は、休日とか時間に余裕のある日に使うっていう運用方法に落ち着くと思う。
入浴剤と併用できない
ヴィヒタは香りを楽しめるといっても、正直そこまで強い香りではない。
湯船にバブなどの入浴剤を入れてしまうと、ヴィヒタの香りを感じることはほぼできないと思っていい。
毎日使っているお気に入りの入浴剤がある人は、ヴィヒタ使用時だけ入浴剤の投入を我慢してほしい。
ヴィヒタの香りがする粉末入浴剤は微妙
実はヴィヒタを導入する前に、ヴィヒタの香りがする粉末の入浴剤を試していたんだけど、
これは個人的にあまりおすすめできない。
俺が買ったのは上の画像にある「ととの湯」という商品だったんだけど、ヴィヒタの香りとは名ばかりで、安い入浴剤の「森の香り」とまったく同じだった。お湯の色も似ている。
それでいて値段が1回あたり300円っていう強気設定。これを買うぐらいならトップバリューの激安入浴剤を買ったほうがマシ。
それか同じ300円なら薬湯系入浴剤の「百薬湯」を買う方が何倍もマシ。
ヴィヒタの香りはパブロフの犬でいうベル
ヴィヒタの香りについてネットで検索すると、多くのサイトで「ヴィヒタの香りにはストレス解消・リラックス効果があるといわれています」という記述が出てくる。
ただ、個人的にはこの手の「いわれている」という言葉で締めくくられている効果はあまり信用できない。どこで誰に言われてんだって聞きたくなる。
だけど今回に関しては、ヴィヒタ導入で実際にリラックス効果を感じることができた。その理由はパブロフの犬と同じ現象に遭遇したからだと考えている。
これはヴィヒタ本来の効能というより、過去にヴィヒタがあるサウナでととのった経験が引き金になっている。
パブロフの犬が、ベルの音でよだれを垂らすのと同じで、俺もヴィヒタの香りを嗅いだ途端、過去のととのった経験を思い出して心地よくなったんだ。
過去にヴィヒタのあるサウナでととのった人におすすめ
当然っちゃ当然だけど、そもそもヴィヒタの香りを知らない人が自宅にヴィヒタを導入しても、ただ葉っぱの臭いがするって感想で終わり。
今後サウナ好きな人にヴィヒタをプレゼントしようと考えている人は、相手が過去にヴィヒタが設置されたサウナに行ったことがあるかちゃんと把握しておいてほしい。
俺みたいにヴィヒタの置いてあるサウナによく行く人であれば、家のお風呂で同じ香りを再現できるから、めちゃくちゃ心地のイイ体験ができるはずだ。