テントサウナユーザーにとって、椅子選びは大きな課題の1つ。
というのも、テントサウナという1つの商品にパッケージされているのはテントとストーブのみで、ベンチや椅子は付属されていないんだ。
さすがにメーカーもそこまでは面倒をみてくれないんだろう。
なのでユーザーはテントサウナに適したベンチを、強制的に探すハメになる。
かくいう俺も、テントサウナ用のベンチを長らく探し求めているユーザーの1人。
そんな折、テントサウナに使えるかもしれないとふと思い購入した足場台が、思いのほか活躍してくれたので今回紹介したい。
テントサウナに使うベンチ選びに迷っている人は参考にしてほしい。
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アウトドアチェアは座面が低い
テントサウナのベンチを探し始める前に、おそらくほとんどの人が手持ちのアウトドアチェアで代用しようと考える。
俺も一緒にテントサウナをしている友人に借りた、ザ・アウトドアって感じの椅子をテント内で使用していた。
アウトドアチェアをテントサウナで使っても問題ないっちゃないんだけど、座面の低さがどうしても気になる。
一般的なアウトドアチェアって、深く腰掛けても足裏がしっかり着地するように設計されているから、街にあるサウナの1段目より座面が低い。
とはいえテントサウナは普通のサウナより熱いから、座面が低くても長めに蒸されていれば、十分あたたまる。
しかし、瞬間的な熱さを求める高温サウナ好きの俺は、少しばかり物足りなさを感じていた。
テントサウナ専用ベンチは値段が高すぎ
座面の低さに不満を感じる俺が最初に検討したのが、アウトドアサウナメーカーの横綱、モビバ社が販売している「サウナベンチPSN750」だった。
75cmという十分な座面の高さを実現していながら、収納時は折り畳んで超コンパクトになる優れたアイテム。
この小ささなら、手に持ってラッシュ時の山手線にも乗れるんじゃないかと思えてしまう。
このようにテントサウナ専門メーカーが製作しただけあって素晴らしいスペックのベンチなんだけど、問題はその値段の高さ。
サウナベンチPSN750は記事執筆時点、楽天に約35,000円で出品されている。いくらなんでも高すぎ。
しかも俺の記憶では、この記事を書く半年以上前から現在までずっと欠品が続いているハズ。どうしたモビバさん。
値段が高いから俺は買えないけど、金があるテントサウナーですら買おうと思っても物理的に買えない状態が長く続いているんだ。
建築現場や製造工場で使う足場台
ぴったりなベンチがなかなか見つからなくて自作も視野に入れていた頃、ホームセンターでたまたま出会ったのが、足場台という製品だった。
足場台というのは高さのある場所で作業する、建築現場や工場などで主に使われている道具。
この足場台を見た時、その見た目からすぐに気づいた。サウナで使える、と。
その思惑通り、安い値段で高い座面を実現したいという俺のわがままな願望を、足場台はしっかりと叶えてくれた。
足場台の具体的なスペック
足場台といってもたくさんの製品があるが、今回俺が購入したのは長谷川工業が製造しているDRX-1075cという製品。
スペックは以下の通り。
天板高さ(cm) | 天板長さ(cm) | 天板幅(cm) | 重さ(kg) | 設置時の幅(cm) | 設置時の長さ(cm) | |
DRX-1075c | 75 | 100 | 30 | 5.2 | 44 | 142 |
メーカーが想定している本来の用途とは違うが、テントサウナで使うのに必要なスペックをほぼ備えている。
テントにぴったり収まるサイズ(モルジュの場合)
今回購入したDRX-1075cは設置時のサイズが、俺が使っているモルジュのテントに感動するほどぴったり収まる。
購入時は座面の高さばかり考えて、横幅を一切気にかけてなかったから、実際に設置してみてその収まり具合に震えた。
同じモルジュのテントを使っている人は、安心して購入してほしい。 続きを見る
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高い座面で受けるロウリュは火傷するレベル
今回高さ75cmの足場台を購入した1番の決め手が、その座面の高さなんだ。
実際に座っている様子が以下の通り。
身長169cmの成人男性が座っても、足が完全に浮くほど座面が高いというのが、見てもらってわかると思う。
テント内で座っている様子が
こんな感じで、頭の位置が天井すれすれになっている。
この写真ではモルジュのテントを使っているんだけど、おそらくモルジュのテントは座面の高さ75〜90cmが限界。それ以上は首を曲げないと入れなくなってしまう。
とにかくこの座面の高さはいろいろやばい。ただでさえテントサウナのロウリュは普通のサウナより熱いのに、この高い座面で受ければ死ぬほど熱くなるのは当然だ。
実際にロウリュしたら、身の危険を感じるほど熱くて、マジで火傷するかと思った。
この日は毎セットあまみが止まらなくて、ととのうよりも先に身体の異常を心配してしまった。
高温サウナが好きなら、ぜひ体感してみてほしい。
テントサウナで使う足場台の欠点は3つ
テントサウナ用ベンチとして、いかんなくその能力を発揮してくれた足場台だけど、残念ながら欠点もある。それが以下。
- 金属部分が熱くなる
- 男二人は重量オーバー
- 単体での安定性は低い
金属部分が熱くなる
まず、製品の外観を見てもらうとわかるように、足場台は金属部分がすべてむき出しになっている。
サウナ内でロッカーキーが熱くなるのと同様に、足場台の金属部分も触れないほど熱くなる。
なのでサウナマットが必須。
俺の場合、下の写真のように
タオルを敷いているけど、汗で濡れると結局熱くなるから、サウナマットはちゃんと用意するのがおすすめ。
安いやつがいくらでもアマゾンや楽天で売られている。折りたたんでコンパクトになるマットなら普通のサウナでも使えるからおすすめ。
男2人は重量オーバー
実はこの足場台、残念なことに耐荷重が100kgなので大人の男性が2人座ると、カタログスペック上は重量オーバーになる。
余裕で2人座れるだけの横幅があるのに、二人座れないのは非常にもったいない。
男女で座れば100kgに収まる可能性があるから、自己申告ではなくしっかり体重を計測した上で座ってみてほしい。
総重量100kgオーバーの2人が座って事故があったら、メーカーも俺も責任を取らない。特に俺に対してのクレームは絶対受け付けないからやめてね。
単体での安定性は低い
上の写真でも見てもらった通り、座面の高さゆえに座った時、足がつかない。
足が宙ぶらりんだと自分で足場台を支えられないから、バランスを崩して転倒する恐れがある。
実はこの問題は対策済みで、下の写真のような踏み台を別に用意した。
この踏み台を足置き場として併用すれば、安定性を確保できる上に、座った時の疲労感を軽減できる。実際に座った様子が
こんな感じ。この踏み台は折り畳めば、厚さ5cmになって取手も付いているので持ち運びがとにかく楽。
欠点はデザインがアウトドア向きではない点。だが利便性とコスパがなにより優先だ。下にリンクを貼っておくからよかったら見てみてほしい。
踏み台を使ったとはいえ、事故を防ぐためには平らな地面に、しっかりと水平を確保して設置する必要があるのは変わらない。
足場台に限った話ではないが、座面の高いベンチをテントサウナで利用する時は転倒に十分注意してほしい。
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テントサウナは座面が高いと別世界になる
街のサウナ施設でも1段目と3段目で体感温度がかなり変わるけど、テントサウナではその違いがより顕著になる。
理由は簡単で、狭くて天井が低いからだ。
事実俺は今回の足場台を使うことで、全身火傷するかと思うぐらい激熱空間をつくり上げることに成功した。
モビバのサウナベンチと比べて1/3以下という圧倒的コスパで、ここまでのクオリティなら満足だ。
テントサウナのベンチ選びに迷っているなら、長谷川工業の足場台DRX-1075cを選択肢に入れてみてほしい。
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