日本から見た中国はなんか怖い国ってイメージの人が多いと思うんだけど、そんな中国の大都市である上海に行って、ローカルサウナを体験してきたから感想をまとめる。
昨今の国際情勢もあってか中国旅行の情報が少なく、ましてローカルサウナの情報なんてなかなか出てこないから、誰かの救いになったら嬉しいと思う。
上海でサウナを探している人は参考にしてほしい。
中国には銭湯文化がある
実は中国にも日本と同じで、銭湯で風呂に入る習慣がある。
というのも昔の中国では家に浴槽のない家庭が多く、街の銭湯で体をキレイにする文化があり、その名残で今も大都市やその近郊に銭湯が多く立ち並んでいるんだ。
実際、中国の地図アプリ高徳地図で「浴室」とか「沐浴」と検索するとたくさんヒットする。
スーパー銭湯が中国の若者に人気
銭湯文化もさることながら、大規模な温浴施設、いわゆるスーパー銭湯も近年中国で人気を博している。
2000年代に入ってから日本式のスーパー銭湯が中国に取り入れられて、施設の中で風呂に限らず岩盤浴や食事、カラオケ、マンガ、ゲームなどが楽しめる、日本のスーパー銭湯と同じスタイルの入浴施設がたくさん誕生した。
だから中国人がスーパー銭湯に行く時は、「疲れたから風呂入りに行くか」じゃなくて「暇だし風呂行って1日時間潰すか」って感覚らしい。
新しいスーパー銭湯も多くてキレイだから若者も多い。ちなみに極楽湯も中国に進出していたりする。
万源清花池は高級スパ
経済発展著しい中国だけど、物価は日本に比べるとまだ安い。現に中国の平均年収は200万円前後と、日本の半分以下。
だから万源清花池の入浴料169元(約3,500円)は、東京だったら普通のスパと変わらないけど、中国ではかなり高級な部類に入る。
ただ高い金払うだけあってサービスの質はかなり高いから、期待してもらっていい。
美団アプリに割引チケットがある
さっさとサウナの解説しろよって話だけど、割引の存在は入場する前に必ず知っておいてほしい。
上で述べた通り、万源清花池は何もせず入って普通に受付で払うと入浴料169元がかかる。
ところが、美団という中国で広く使われているアプリでチケットを入手すると、約1,000円引きの124元で入浴できるんだ。(2024年12月時点)
目の前に餌がぶら下がっているなら、飛びつかないワケにはいかないということで、これから万源清花池に行く人は、必ず美団アプリからお得なチケットを事前に入手していってほしい。美団アプリの使い方も伝える。
美団アプリの使い方
日本人にはまったく馴染みがない美団。俺も中国に行って初めて知ったぐらいだった。でも決して怪しいアプリじゃないから安心してほしい。
ここでは初めての人にもわかるようにアプリの使い方を解説する。
まず最初に美団は会員登録が必要で、SMS認証があるから中国でSMSを使う手段がない人は事前に日本で登録を済ませておいてほしい。
チケットのとり方としてはまず、アプリストアで「美団」と検索。そしたら「美团-美好生活小帮手」というアプリが出てくるからダウンロードする。
「美团外卖」というアプリもあるんだけど、こっちはフードデリバリーのアプリだから間違えないように注意してほしい。
アプリを開いたら左上で地域を選べるから、上海を選択。
次に検索ボックスで「万源清花池」と入力し検索し、1番上の万源-清花池をタップ。
割引チケットが出てくるから、「单人浴资券+精品水果饮料畅享 124元」をタップ。
【工作日】と【节假日通用】があるけど、それぞれ平日用と休日用で休日は少し高くなる。自分が使う曜日に合わせて選べばOK。
次に右下の「用券抢购」を選び、
「立即支付」をタップしてアリペイで決済するだけ。
決済が完了すると下の画像のようにQRコードが表示されるから、
これを退館時に受付で見せればOK。利用期限は購入当日23:59までになっていたから、入浴当日にチケット購入の手続きをする必要があるんだと思う。
Wechatにもあるらしい
調べていたら、中国のチャットツールWechatにも割引チケットがあるらしいんだけど、俺には見つけられなかった。
今はもうないのか、俺の探し方が悪いのか謎だけど、Wechatのミニプログラムで「万源清花池」と検索すれば見つかるかもしれないから、美団が使えない人は探してみてほしい。
万源清花池の入り方
万源清花池の入口は写真左側の赤く囲っているところ。
超わかりづらい。入った先に案内があって
その奥にエレベーターがあり、3Fに上がると受付がある。
受付から高級ホテルなみの待遇
繰り返しになるけど、万源清花池は中国では高級スパだから入店すると厚い待遇を受ける。
まず受付の前に突っ立っていると、スタッフに中国語で話しかけられるから中国語がわからない人は事前に入手したチケットの画面を見せる。すると受付の前にあるソファへ座るように促される。
そしたらスリッパを持ってきてくれるから、靴を履き替える。靴はそのままでOK。スタッフが片付けてくれて退館時にまた持ってきてくれる。入浴料は後払いだからQRコードの読み取りは退館時。
靴を履き替えたら、ロッカーの鍵を兼ねたバンドをもらい、更衣室まで案内してくれる。
ロッカーはこんな感じでかなりキレイ。
ロッカーのノブにバンドをかざせば解錠できる。
服を脱いで浴場へ
ロッカーに荷物を入れて服を脱ぎ、浴場へ向かうと今度は浴場入口で常にスタンバっているスタッフが浴場用のスリッパを出してくれる。おもてなしがすごい。
中国に着いてから1食300円の食堂しか入っていなかった俺は、万源清花池のいちいち丁寧なサービスに圧倒された。
ボタンでセルフロウリュできるサウナ
サウナは露天エリアにある。
出入口はガラス張り。サウナの温度は80度ぐらい。
特徴的なのは壁にボタンが2つ設置されていて
押した途端にロウリュが発動。蒸気が降りてきて一気に熱くなる。
ボタンを連打する中国人
1回のロウリュが1〜2秒程度と短いからなのか、中国人はみんな高橋名人並みにボタンを連打していた。
とにかく現地の中国人がロウリュしまくるからめちゃくちゃ汗が出る。
サウナの温度は高くないけど、ロウリュのおかげで体感は100度以上。
日本みたいにロウリュする時に声をかけてくれたりしないし、加減なしにロウリュするから熱いのが苦手な人は下段に座ったほうが無難。
セルフロウリュはボタン式が正解かもしれない
客が自らストーブに水をかけるのがセルフロウリュだけど、めんどくさいから俺は好きじゃない。
でもボタンを押せば勝手にロウリュしてくれる万源清花池のセルフロウリュは、席から立たなくていいし、柄杓を持つ必要もないから超ラク。
ボタンで発動する万源清花池のロウリュは、セルフロウリュのデメリットを排除した理想的なスタイル。
セルフロウリュを売りにしている日本のサウナも、ボタン式を導入したら喜ぶ人は多いと思う。
露天エリアの水風呂
水風呂はサウナの目の前、同じく露天エリアに鎮座している。
詰めれば10人ぐらい入れそうなキャパで、温度計は8.6度表示。深さもあって下から青いライトで照らされている。
入ったら足先がヒリヒリするぐらいキンキンに冷やされたから、温度計に嘘偽りはないと思う。ロウリュボタン連打した後のサウナから直行すれば、意識飛ぶほど気持ちいい。
かけ水しないのが普通
海外のサウナで律儀にマナーを求めてはいけない。
海外サウナの例に漏れず、万源清花池でも水風呂前のかけ水は不要。日本人としてしっかり汗を流してから水風呂に入ってもいいんだけど、そもそも桶がないからどうしようもない。
サウナの口コミサイトではかけ水しない中国人に文句を言う人もいるけど、外国人に日本のサウナマナーを押し付けるのは、若者に対して理不尽にキレるジジイと同じ。
中国にいるんだから中国人になりきるのが、万源清花池の楽しみ方。
外気浴は椅子が少ない
露天エリアには椅子と机があって、上の画像のようなデッキチェアも2脚あり、外気浴は可能になっている。
ただ、いかんせん脚数が少ない。俺が行った時はそこそこ混んでいたのか、椅子を求めて難民になることが多かった。
中国人は椅子を占有しがち
ただでさえ椅子が足りていない上に、そのほとんどにタオルや客の私物が置かれていて、いわゆる場所取りという名の占有行為が横行している。
万源清花池はおそらく場所取りを黙認しているから、スタッフも何も言わない。
客も客で、陣取った机と椅子に外から持ち込んだ飲み物を置いて談笑。風呂も入らずずっと居座るもんだから、一向に椅子を明け渡す気配がない。
占有していた客が去ってしばらくするとスタッフがタオルや飲み物を片付け始めて、ようやく座ることができた。
露天エリアは自由度高め
なんで風呂場に飲み物や私物を持ち込めるんだよって話だけど、万源清花池の露天エリアは日本のサウナ施設と自由度が段違いなんだ。
飲み物に限らず、食べ物やスマホ、喫煙もOKというやりたい放題ぶり。
おかげで俺もサウナの写真を気兼ねなく撮影できたけど、水着着用じゃない温浴施設で風呂場にスマホを持ち込めるのはさすが中国。女性は気をつけた方がいいかも。
タイのカーネーションサウナでもスマホや飲み物が持ち込めたけど、そこは水着着用だった。
海外サウナの自由さには少しうらやましさを感じる。カーネーションサウナの感想については以下の記事でまとめている。
【カーネーションサウナの感想】価値観が崩壊するサウナ【タイ・バンコク】
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フルーツ食べ放題
万源清花池の入浴にはフルーツ食べ放題が標準でついてくる。
風呂から上がって館内着に着替えた後、休憩スペースへ行くとフルーツバイキングがあり、マンゴーやマスカット、野菜がとり放題。
さらに冷蔵庫にあるペットボトルのお茶や缶ジュースまでも飲み放題。
ただタイミングによるかもしれないけど、フルーツは傷んでいるものが多かったように思う。
アクセスはかなり微妙
肝心のアクセスについては、決して良いとはいえない。
最寄り駅は上海地下鉄12号線顾戴路駅。この駅は観光客が滞在するような南京西路や人民広場といったエリアから乗り換え含め、1時間近くかかる。
しかも周囲に観光地や繁華街は一切なし。万源清花池に行くならそのためだけに顾戴路駅まで行かなければならない。覚悟してほしい。
タイやラオスのサウナもそうだったけど、海外のサウナはなぜかアクセスが悪い。ラオスルアンパバーンのハーバルスチームサウナの感想は以下の記事でまとめている。
【Herbal Steam Saunaの感想】高温スチームと謎のお茶【ラオス・ルアンパバーン】
続きを見る
上海サウナは客層を許容できるかが鍵
日本人は中国人に対して、順番を守らないとか道にゴミを捨てるとかネガティブなイメージを抱いている人が多い。
かくいう俺もそんな偏見を持つ日本人の1人ではあるんだけど、今回実際に中国へ渡ることで、中国人の「他人の目を気にしない振る舞い」その源流が見られた気がした。
中国人はサウナでも遠慮しない
日本ではあまり見ないけど、中国にいる中国人は電車内で大声で通話したり、大都会の道端で唾を吐いたりする光景がよく見られる。それはサウナでも同じ。
万源清花池の露天エリアでは大声で通話しながら、その辺に唾を吐きまくっている。なんならサウナの中でも彼らは唾を吐く。
他人に白い目で見られるとか、そんな小さなことを中国人は気にしていないように俺の目には見えた。
ただ、少し擁護しておくと、日本人が思うマナーの悪い言動をしていた中国人はそのほとんどが中年以上の高齢者。
若い人は列に並ぶし、大声で電話しないし、道で唾を吐いたりしていなかった。
中国人のモラルも年々上がってきているんだと思う、日本が昔そうだったように。
周りに対する迷惑を考えないわけではない
サウナ内で唾や痰を吐くおっさんを見て、最初は俺も汚ねーなと思ったが、それが1人じゃなくて何人もいるもんだから、そういう国だと悟るようになった。
少し気になったのが、彼らは決して座席の上には唾を吐かない。一応サウナ室の隅っこに向かって唾を吐く。
要は、他人への迷惑を一切考えないわけではないということなんだ。
これは俺の推測だけど、見られて不快に思われるかもって考えはないけど、直接的かつ物理的な迷惑や妨げによって周囲に迷惑をかけないようにしようっていう意識はあるんだと思う。
中国人になりきって楽しむのが正解
日本人には予想できない動きをする中国人だけど、もはやそんな中国人たちすら観光対象として楽しんでいた。
俺はサウナで唾を吐かないけど、ロウリュのボタンは好き放題に思いっきり連打しまくり。
上海ローカルサウナの万源清花池も現地中国人になりきって、自由に楽しめば細かいことは気にならなくなるはず。
中国では動画より記事が有益
中国ではWiFiに接続するとYoutubeやインスタグラムが閲覧できない。
VPNを使えば閲覧可能なんだけど、WiFiが使えない以上、通信料節約のために動画ではなくブログ記事で情報収集する人がいるだろうと思い今回記事にした次第。
ちなみに俺が使っている楽天モバイルなら、月2GBまでは無料で海外でもネットが使える。中国でもVPNなしでGoogleやYoutubeが閲覧できた。
情報が少ない万源清花池だけど、この記事を参考に上海ローカルサウナを楽しんできてほしい。
万源清花池の概要
住所 | 万源清花池 Wanyuan-Qinghuachi |
電話番号 | +86 021-62208212 |
駐車場 | 有り 無料 |
公式HP | - |
入浴料 | 169元 ※割引チケットあり |
アメニティ | 有り |
営業時間 | 24時間 |
アクセス | 地下鉄12号線 顾戴路駅4番出口から徒歩10分 |