楽しみにしていたテントサウナ当日、目覚めると外では雨が降っている。そうなると強行していいものか悩ましい。
テントサウナは事前準備も必要だから、中止となると死ぬほど萎えるって気持ちは痛いほどわかる。
そこで今回は悪天候の中で何度もテントサウナをしてきた俺が、雨の日にテントサウナをする時の注意点と対策を解説する。
テントサウナを予定している日に雨が降ってしまい、どうすべきか悩んでいる人は参考にしてほしい。
雨の日にテントサウナをやる時の注意点
雨の中でテントサウナをする場合、以下の注意点があげられる。
- 川の増水や高波
- 車のスタック
- 外気浴がしんどい
- 薪が濡れる
- テントやストーブにカビが生える
- 薪ストーブの煙突から雨が入る
それぞれ解説していく。
川の増水や高波
川の水位上昇や高波など、水難事故は1番気をつけたいポイント。
特に川の増水ってのは本当にいきなり起こるんだ。
ダムの放水だったり、上流の降雨量増加だったり原因はいろいろあるんだけど、数分で1m近く水位が上昇することもある。
参考になる動画があったので貼っておく。
対策として以下のポイントに気をつけてほしい。
- 川幅の狭い河川でのテントサウナは避ける
- 上流の天気や川の水位変化を常に気にしておく
- いつもより川とテントの距離を大きくとる
- 川の中州にテントを設営しない
- スムーズに撤収できるように使わないものは片付けておく
いきなり脅すような話になってしまったけど、大事なことなのでありのままに解説した。
よく行くテントサウナスポットがあるなら、雨の日に事前に下見しておくのがおすすめ。
俺がよく使っている岐阜県の美濃橋キャンプ場は、台風の翌日完全に水没していた。
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車のスタック
河原や湖付近の地面は普段から水を含んでいるから、雨の日は特にぬかるんでいる。
野営地など整備されていない地面だと車のワダチや人の往来で、かなり地面がボコボコになっていて、タイヤはいとも簡単に空回りする。
大雪の日に道路上でスタックした車が立ち往生の原因になっている光景をニュースでよくみるけど、スタックした車を自力で救出するのは思っている以上に無理ゲーなんだ。
一度スタックしてしまうと、誰か来るのを待つか、外部に救出を要請しないといけない。
非常用としてスタック脱出道具を車に積んでおくと安心。
俺は4WDの車に乗っているけど、こういう時の4WDの安心感はやばい。燃費はゴミだけど。
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外気浴がしんどい
雨の中で外気浴するのってけっこうキツイ。
夏なら多少雨が降っていても「趣があるなぁ」で済む。しかし冬は話が変わってくる。
キンキンに冷えた川からあがった後に、休憩中も冷たい雨に打たれるのは身体が耐えられない。気温にもよるけど30秒が限界だ。
外気浴ってのは身体を拭いて乾いた状態じゃないと、ととのえない。
雨の日に銭湯の露天で外気浴したことがある人ならこの感覚はわかるはず。
個人的には夏であろうと雨に打たれながら5分以上外気浴をするのは微妙。身体が水に打たれている時間が長いと単純に不快。
対策としてはタープテントで屋根を作るのがおすすめ。晴れてる日は日差しよけにもなって一石二鳥。
ただ、風が強い日はペグ等でしっかり固定しないと飛ばされて大惨事になるから、注意してほしい。
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薪が濡れる
薪が濡れるのはテントサウナにおいてかなりのネガティブポイント。
テントサイトまで車が乗り入れられるってぐらい好条件のキャンプ場なら気にしなくていい。でもそんな優良スポットは当然だけど、なかなか存在しない。
薪が濡れると火がつきにくい上に、大量に煙が出てテント内に充満する恐れがある。
さらに余った薪が濡れていると、保管してる間に薪内部まで水分が浸透して、次回のテントサウナで使い物にならなくなる可能性もある。
おすすめはガラ袋と買い物カゴの併用。
建設現場で使われるガラ袋は尖った薪を入れても破れにくいし、多少の雨は防いでくれる。
ガラ袋に入れた薪を買い物カゴで持ち運べば、濡れないし片手があくので設営の効率もあがる。
アウトドアメーカーのキャプテンスタッグが折りたためるカゴを販売していて、取手もついているのにかなりコンパクトになるからおすすめ。
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テントやストーブにカビが生える
テントサウナに限ったことではないけど、濡れたまま放置したテントはカビが生える。
特にサウナ用のテントは素材が厚いから、カビが発生しやすい。
晴れている日なら、テントサウナをした後すぐに撤収せず、ストーブに火を入れたまま30分ぐらい放置して乾燥させるのがおすすめ。
雨の中でテントサウナをした後はそうもいかないので、後日晴れた時に外で乾かしておこう。
俺みたいなアパート住まいの人は浴室乾燥機に頼るしかない。
ストーブに関してはカビもだけど、素材によってはサビによる損傷もあるから、できるだけ濡れないようにテント内での設置・撤去を心がけたい。
煙突から雨が入る
煙突から雨が入ったからって火が消えることはないんだけど、煙突内部にススが付着する原因になるらしい。
煙突内部に付着したススがたまると、上昇気流によって煙突から外に出たススがテントに当たって、テントを外から溶かして穴があいてしまうんだ。
そこで煙突トップという蓋みたいなものを取り付けることで雨の侵入を防げるから、持っていない人は用意しておくのがおすすめ。
煙突トップとは
こういうやつ。見たことある人もいると思う。
テントサウナ純正のストーブにはこの煙突トップが付いていないから、雨水がノーガードで侵入してくる。
ネットでも買えるから、自分の薪ストーブの煙突サイズに合ったものを用意してほしい。
ちなみにT型、P型・H型と3種類あって、TとPがアウトドア向き。Hは鳥の侵入なんかを防ぐためのもの。
俺のテントは上の写真にある通りP型の煙突トップを付けているにも関わらず、ススによって溶けた跡が何か所かある。
おそらくこれは薪の不完全燃焼が原因。やっぱ煙突は定期的に掃除しないとダメだわ。煙突トップのおかげでススの量を抑えられているのだと思いたい。
一応煙突トップのリンクを貼っておくけど、自分の薪ストーブの煙突サイズをちゃんと確認してから購入してほしい。
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雨の日は人が少ない
ここまでデメリットばかり書いてきたけど、これが雨の中でテントサウナをする唯一の利点。
当然だけど雨の日に好んでキャンプをやる人は少ない。
このブログでは何度も話題にしているけど、テントサウナは人が少ない場所でやらないと、周りに迷惑がかかる。
そこで、キャンプ場の人混みをさけるなら雨の日は絶好のチャンスってわけなんだ。
雨のアウトドアが好きな人もいるにはいるけど、かなり上級者。やはり数は圧倒的に少ない。
狙っているキャンプ場がいつも混んでいるという人はあえて雨の日を選んでみてもいいかもしれない。
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設営時は雨具が必須
テントサウナは普通のキャンプと違って設営に時間がかかる分、雨に打たれる時間も長くなる。
ビショビショの服で設営を続けるのは体温が奪われて危険だし、なにより耐えがたい不快感に見舞われるので必ず雨具を用意しよう。
雨具といっても傘だと片手がふさがって作業できないから、レインウェアとレインシューズが必須だ。
レインウェア
わかると思うけどアウトドアで使うレインウェアはよく見かける
こういう合羽ではなくて、上下セパレートの全身防水になっている
こういうレインウェア。
ホームセンターやアマゾンで安く売っていて、1着あるといろんなシーンで使えるからおすすめ。ゴアテックスのもっと高機能なレインウェアもあるけど、ほとんどの人にそこまでの機能は必要ない。
必要十分な機能を備えた商品が以下。
レインシューズ
ぬかるんだ地面でテントサウナをする場合、レインシューズは必須。
普通の長靴でも十分機能を果たしてくれるんだけど、防水の登山靴が一足あれば動きやすいし、アウトドア全般で使えるから便利だ。
それに登山靴なら私服にも合わせやすいから街で使っていても違和感がない。
俺は両方持ってるけど、雪の日以外は登山靴を使っている。
俺が使っている登山靴と長靴は下に貼っておく。長靴は寒冷地仕様、冬でもまったく寒くない神アイテム。
こっちは長靴↓
台風や土砂降りの日は絶対ダメ
ここまでは雨の日にテントサウナをやる際の注意点や対策を解説してきたけど、台風などのいわゆる大雨の日は対策もクソもない。
命に関わるから台風の日は絶対にテントサウナをしてはいけない。
有名な川の事故で「玄倉川水難事故」という痛ましい事故がある。
中でもテントサウナは川の近くでテントを設営するのに加えて、薪ストーブがあるせいで撤収に時間がかかるから急な増水に対応できない。
テントサウナ中に流されたなんてことになったら、全国のサウナーから冷たい視線を向けられるのは間違いない。テントサウナというアクティビティ自体の肩身も狭くなる。
台風が接近している日は、おとなしく街のサウナでゆったりととのっておこう。
風の方がヤバイ
ここまで解説しといてアレだけど、正直雨の日は川の増水と高波にさえ気をつけておけば、まず大丈夫。それに水難事故のリスクはたいていの人が想像できるから不慮の事故は起きづらい。
外気浴が多少シンドいぐらいで、普通にテントサウナはできるだろう。本当にヤバイのは強風の日なんだ。
いくら晴れていようが、風が吹き荒れる中ではまずテントの設営が不可能。
サウナ用テントは用途に合わせるため、どの製品も屋根が高い上に、保温性を高めるためまったく風を通さない生地が使われているから、少し風が吹くだけでテント本体がめちゃくちゃ煽られるんだ。
昔俺が台風通過の翌日で風が強い日にやろうとした時は、飛ばされないようにテントを抑えておくのがやっとで、ペグを打てなかったから断念した。
運良く設営できたとしても、テントが風で倒されると、テントを貫通している煙突と一緒にストーブも転倒するから、中に入っている人はもれなく火傷するだろう。テントと煙突が接触して穴が開くかもしれない。
風は予想が難しい
風がヤバイのはわかったと思うんだけど、雨と違い、風の強さなんて数時間でコロコロ変わるし、その場所の地形にもよるから少し場所を変えるだけで大きく状況が違ってくる。
設営時はまったく風が吹いていなかったのに、サウナに入っていたら急に風が吹いてきたってことは普通にある。
そうなるとテントサウナの場合は、すぐに撤収できないから、あらかじめ頑丈なペグを四隅に打ち込んでおくことをおすすめしたい。
太めのペグを四隅に打てばある程度の風は防げる。俺の場合、下記の鍛造ペグをテントの角に1本ずつ計4本とプラス各面に1本ずつで、合計8本打ち込んでいる。
打つのも外すのもめんどくさいけど、テントが飛ばされたり死ぬよりはマシ。
万全の準備と対策を
事前にしっかり準備と対策を講じておかないと雨の日のテントサウナは悲惨な結果を招くことになる。
必要な装備を用意し、場所を慎重に選んだ上で、安心快適な雨のテントサウナを実現しよう。
モルジュのテントは雨でも問題なかった
気になる人がいるかもしれないから一応書いておくと、俺が使っているモルジュのテントは、今まで3〜4回雨の日に使ったけど浸水したことは一度もない。
水が染み込んでいる可能性はあるけど、サウナをする上で支障を感じたことはない。
モルジュのテントを使っている人は、急なにわか雨でも多少は耐えられると思っていい。
晴れてる方がいいのは間違いない
ここまで書いたけど、テントサウナは雨より晴れもしくは曇りの日がいいに決まっている。
理由は単純に、雨の日は晴れの日より上で書いたような不安要素が増えるからだ。
この記事を読んでいるのはおそらく「テントサウナを予定している日が雨予報になってる、どうしよう」って人が多いと思う。
「その日にテントサウナをしないと今後一生できない」ってわけじゃないなら、一旦中止して後々晴れた日に再チャレンジするのも英断だ。
どうしても雨の日にやるなら、この記事に書いてあることを参考にしてくれたら嬉しく思う。
ただし、なにかあっても俺は責任を取れない。アウトドアはすべてが自己責任だ。