モルジュのテントサウナを使い始めて約2年が経過し、使用回数も30回以上とかなり使い込んだ。
それだけ長く愛用しているおかげで、モルジュのテントサウナについて語りたいことが山ほどある。
ということで今回は実際にモルジュを使っている俺が、その使用感について詳しく解説していく。
モルジュの購入を検討している人は参考にしてくれると嬉しい。
モルジュのテントサウナとは
モルジュはロシアのテントサウナブランド。
冬場の平均気温がマイナス20度にもなるロシア、そんな極寒の地でも熱いサウナに入りたいという変態的な思いから生まれたのがモルジュ。
事実、世界中にある現行のテントサウナの中で最も熱いと多くの人から評価されている。
今までは個人輸入でしか入手できなかったんだけど、最近日本にも公式代理店ができて簡単に購入できるようになった。週末のキャンプ場でもたまに見かける。
モルジュの由来
MORZH(モルジュ)はロシア語で「セイウチ」を意味する言葉。
ロシアではサウナを出て、冬場に寒中水泳する人をセイウチと呼ぶからこの名前になったらしい。
周りにテントサウナ好きがいたら、セイウチとあだ名をつけてやろう。
モルジュは全部で3種類
引用元:SaunaCamp
モルジュは現在3種類のテントが販売していて、それぞれのスペックが以下。
設営時(cm) | 収納時(cm) | 重さ(kg) | 収容人数(人) | 窓(面) | |
MORZH(モルジュ) | 幅:205 奥行:205 高さ:195 | 幅:70 奥行:38 高さ:25 | 9 | 4 | 2 |
MORZH SKY(モルジュスカイ) | 幅:205 奥行:205 高さ:195 | 幅:70 奥行:38 高さ:25 | 8.3 | 4 | 4 |
MORZH MAX (モルジュマックス) | 幅:230 奥行:296 高さ:197 | 幅:67 奥行:45 高さ:45 | 17.7 | 6〜12 | 2 |
今使っているのはモルジュの窓1つタイプ
俺が今使っているのはメルカリで買った窓が1つしかないタイプで、日本のモルジュ公式代理店からは販売されていない。おそらく日本の代理店が誕生するより前に販売されていたんだと思う。
窓以外の仕様はノーマルのMORZH(モルジュ)とまったく同じだから、この記事の信憑性を疑わないでほしい。
モルジュの特長
俺がモルジュを2年間使ってきて感じた特長が以下の通り。
- とにかく熱い
- 組み立てがめっちゃ楽
- 大人4人が入れる空間
- 外観がかっこいい
とにかく熱い
モルジュ最大の特長。
俺は今まで別のメーカーのモビバっていう下の画像にあるテントサウナと、
タープテントで自作したテントサウナを使ったことがあるんだけど、
これらと比較してモルジュは段違いにテント内が熱くなる。
比較対象にするのは酷だけど、特に自作したテントサウナとはまったくもって比べ物にならない。
自作の場合、冬場は頑張っても50〜60度くらいまでしか室温が上がらないのに対して、モルジュはストーブの性能にもよるけど100度まで到達することが可能。
100度っていうと街の銭湯サウナより普通に熱い。そこにロウリュも加われば火傷レベルにまで熱くなる。
モビバのテントサウナはどうなのかっていうと、やはり100度まではいかなかったから、モルジュの断熱性はすごい。 続きを見る
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断熱性の高い生地が使われている
モルジュのテントにはキルティング素材を使った断熱性の高い生地が採用されている。
キルティング素材っていうのは2枚の布の間にワタを入れて縫い付けた素材のこと。断熱性と耐久性に優れ、軽いのが特長。
身近なものだと防災頭巾なんかにもキルティング素材が使われている。懐かしい。
実際に使ってみると、登山用テント生地と比べてかなり厚いなと感じる。 続きを見る
【体験談】自作テントサウナを実際に使ってみた感想【タープテント】
組み立てがめっちゃ楽
モルジュのテントはポールの組み方が少し特殊。
テントの対角線上を交差するように2本のポール立てるんだけど、ポールをはめ込むスリーブが付いていて、
このジッパーを閉めながらスリーブに沿ってポールを収納すると
自立するっていう超わかりやすい作りになっている。
キャンプ用テントみたいにポールをめちゃくちゃ湾曲させてインナーテントを張り、その上に防水シートをかぶせるみたいな手間がない。
普通のテントと比べると天井がかなり高いから、組み立てが大変そうに見えるけど、思っている以上に組み立てが楽。
1人でも10分あれば余裕で組み立てが終わる。
大人4人が入れる広い空間
テントサウナは中にストーブと人が入って、なおかつ火傷しないようにそれぞれが十分に距離を取れるだけのスペースが求められる。
俺が使っているノーマルタイプのモルジュはストーブ+大人4人入れるぐらいのキャパがあって、かなり広い。
1人なら寝そべることも可能。
俺は使ったことがないけどモルジュマックスなら6〜12人入れるらしい。陽キャサウナー怖い。
快適を求めるなら3人以下がベスト
ノーマルタイプのモルジュは詰めれば4人入れると思うけど、4人の場合出入りがかなり窮屈。
奥に座った人が先に出たいとなった場合、手前の人が1度外に出ないといけないし、間違ってストーブに身体が触れてしまうと大火傷のリスクがある。
そうなるとかなり手間を要するから、購入を検討している人は3人以下で使用するのを想定してほしい。
外観がかっこいい
モルジュカラーバリエーションがいくつかあるんだけど、スタンダードは黒。
真っ黒なテントから煙突が伸びているシルエットは、どんなシーンにも映える。
川もいいし
海もいい。
まるでカラス城だ。かっこいい。
自宅で使いたい人も黒ならあまり目立たないから、近所から白い目で見られる心配もないだろう。
雨でも使える
モルジュはよっぽど大雨じゃない限り、普通に使える。
厳密には防水素材ってわけじゃないから、完全に雨をシャットアウトすることはできなくて
こんな感じで多少浸水の跡ができるんだけど、ポタポタと水が落ちてくるということはない。
とはいえ、テントの中でやってることはサウナだから、仮に雨漏りしても少しぐらいなら問題ないだろう。
一応、販売代理店でレインカバーが売っているから気になる人はチェックしてみてほしい。 続きを見る
【雨の日のテントサウナ注意点】できなくないけど対策は必須【川流れ】
モルジュを2年使って感じたデメリット
ここからは2年間モルジュを使って感じたデメリットを解説する。
- 値段が高い
- 風が強いと設営が難しい
- 内側の汚れが目立つ
- 付属のペグがしょぼい
- 窓が曇る
- 出入りしにくい
- ジッパーの持ち手が熱くなる
値段が高い
モルジュを正規代理店で購入しようと思うと、1番安いモデルが記事執筆時点で176,000円。
庶民が簡単に手を出せる金額ではない。
とはいえ、これでも安くなった方で、俺が買ったときは20万を超えていたと思う。
他のレビュー記事を見ると「金額以上の価値があった」と書いている人もいるけど、ここまで値段が張ると土俵に立つことすらできないって人が多いはず。
テントサウナをしてみたいけど、予算が足りないって人はテントサウナ体験ができる施設に行ってみるのがおすすめ。
最近はテントサウナを置く施設が増えていて、探せば都内だけでなく全国で見つけることができる。
中でも三重県にある「飛雪の滝キャンプ場」はテントサウナが常設されており、テントサウナの聖地と呼ばれるほど有名。滝壺を水風呂代わりにしているのはここぐらいだと思うからぜひ行ってみてほしい。
もしくは、廉価版を買うっていうのも1つの手。アマゾンや楽天でモルジュより安くて良さげなテントサウナが出品されている。俺は使ったことがないから品質の保障ができないけど、よかったら見てみてほしい。無責任で申し訳ない。
風が強いと組み立てが難しい
普通のテントだったら、地面にテントを広げる→ペグを打つ→ポールを組むっていう手順だから、風が吹いていても手で押さえながらペグを打てる。
ところがモルジュの場合、地面にテントを広げる→ポールを組む→ペグを打つって流れ。
つまり構造上、先にポールを組んで自立させた後じゃないとペグを打てない。
テントが自立している状態は、まともに風を受けるとテントが倒れて、中から持ち上がるように風が入り、空高く飛んでいってしまうんだ。
自立させてペグを用意している数秒間に下手すると、川まで飛んでいって一生取り戻せない事態になってしまうかもしれない。完全に事故扱いだし、周りに人がいたら危険も伴う。
2人いれば1人が手でテントを押さえられるから、風が強い日は必ず2人以上で組み立てるようにしてほしい。
内側の汚れが目立つ
モルジュの外観は黒でかっこいいんだけど、なぜか内側は真っ白になっているんだ。
なんでこんな仕様なのかわからないけど、真っ白の壁はとにかく汚れが目立つ。
俺はお茶を使ったロウリュが好きで、よく緑茶やほうじ茶をストーンにかけているんだけど、飛び散った水滴がテントに付着してシミができてしまう。
テントサウナなんて簡単に洗濯できないから放置しているんだけど、テントサウナをしている時ふと目に入ると気になる。
汚れなんて気にしないぜっていうワイルドな人ならいいけど、神経質な人は無色の液体でロウリュするなどの工夫が必要。
俺は以前なにを思ったかコーヒーでロウリュをして、とんでもないシミができた。バカなのか?
付属のペグがしょぼい
モルジュを購入した時、同封されているのが
こういうスクリューペグってやつなんだけど、マジで使えない。
スクリューペグは地面に向かってグリグリ回しながら差し込んでいくって使い方。普通のまっすぐなペグと違って回転が加わっている分、1度地面に刺されば簡単には抜けない。
ところが、テントサウナをするような河原では地面に埋まっている石にペグがぶつかって、まったく進んでいかないんだ。
モルジュを買うなら、一緒に「エリッゼステーク」などの鍛造ペグかチタンペグを用意しておくのをオススメする。
とはいえ、スクリューペグはハンマーがなくても使えるなどメリットもあるから、土や芝のテントサイトで使うなら、そのまま使っても問題ないと思う。
窓が曇る
テントサウナの窓から雄大な景色を見ながら蒸されたいと思っている人がいるかもしれないけど、正直あまり期待しない方がいい。
モルジュには外の景色を見るための大きな窓が付いているんだけど、ロウリュすると下の写真のように一瞬で全面が曇る。
こうなると、もうなにも見えない。だから景色を見れるのはテントに入ってロウリュをするまでの数分だけ。ロウリュ後は10分ぐらい曇ったまま。
サウナに入っている間はずっと景色を楽しみたいって人は、ロウリュを諦めないといけない。
とはいえ、窓が完全に無駄かっていうとそうでもなくて、窓がないとまったく光を取り入れられないから、昼間の照明として必要な機能。
ちなみに窓の上部にはカーテン代わりの布が付いているから、これを下ろして窓を隠せばテント内で着替えることも可能。
出入りしにくい
モルジュの出入口はダブルジッパーになっていて、上下に開閉することで出入りできるようになっている。
このジッパーを開け閉めする動作が少しわずらわしい。
他のメーカーが出しているテントサウナには扉式のものもあって、
押したり引いたりすれば簡単に出入りできるから、ジッパー式になっているのはモルジュのデメリットといえる。
しかもジッパー式の出入口は全開にすると風で大きくバタつくから、下手すると生地が煙突に触れて溶ける危険があるんだ。
俺は下の画像のように、いつもダブルジッパーの下は開けずに、上のジッパーだけ下げて出入している。
こうすることで、開閉部のバタつきを抑えることができる。
ジッパーの持ち手が熱くなる
上で説明した出入口のジッパーなんだけど、持ち手部分が金属性だからテント内側の持ち手が素手で触れないほど熱くなる。
サウナ施設でロッカーキーがめちゃくちゃ暑くなるのと同じ現象。
タオルで手を覆ってからジッパーを開けないと火傷するので注意してほしい。
モルジュを買う時の注意点
これからモルジュの購入を検討している人へ向けて、注意点を解説していく。
アマゾンや楽天のレビューに加えて、1つの判断材料にしてもらえたら嬉しい。
テントサウナを設営できる場所があるか
テントサウナができる場所は限られる。
購入する前に設営できそうな場所の目星をつけておかないと、手元に届いたのにやる場所がなくて即メルカリ行きって事態になってしまうかもしれない。
川か海か湖か、はたまた自宅か。車の移動中にでもついでに候補地になりそうな場所を探しておこう。テントサウナスポットを探すのも楽しいもんだ。
俺は川を見つけるとテントサウナができるかという判断基準で見る癖がついてしまった。
立地はできれば自宅から片道1時間以内の場所がいい。遠いと行くのが面倒になって、頻度が落ちてしまうからだ。
テントサウナができる場所の条件やオススメのテントサウナスポットは以下の記事でまとめているから参考にしてほしい。 続きを見る
【キャンプ場より野営地】テントサウナができる場所に必須な5つの条件
予算は周辺グッズも合わせて考える
テントサウナをするために最低限必要なものはテントとストーブなんだけど、他にもこれがないと成立しないだろっていうグッズがいくつかあるんだ。上で説明したペグもその1つ。
だから、テントとストーブだけで予算を組んでしまうと、他のグッズを買おうとして財布がパンクしてしまう。
予算を組むならテント&ストーブの代金に加えて2〜4万円ぐらい見ておくべき。
おすすめのテントサウナグッズは以下の記事でまとめているから、よかったら見てみてほしい。 続きを見る
【失敗から学んだ】テントサウナで絶対用意すべき便利グッズ
何人で利用するかを考える
設営場所と予算の目処がついたら、何人で利用するかを考える。
3人以内ならノーマルタイプのモルジュで十分だし、ファミリーなど大人数で利用するならモルジュマックスがおすすめ。
ただモルジュマックスは大きい分、かなりの場所を占有するので、さらに設営場所が限定される。
設営スペースに余裕がないけど4人以上で利用したい場合は、ノーマルのモルジュに交代で入るのもアリ。
正規代理店で買うとロゴが付いてくる
日本唯一のモルジュ正規代理店は「SaunaCamp」という会社なんだけど、SaunaCampからモルジュを購入するともれなく企業ロゴがテントにプリントされる。
引用元:SaunaCamp
こういうやつ。
ロゴ入りのモルジュでテントサウナをしている様子がSNSに投稿されれば、企業の宣伝になる。という企業側の戦略だと思われる。
ロゴのデザインが好みだったり、ロゴの存在自体気にしないって人であれば普通に正規代理店で買ってもいい。ポイントも貯まる。
逆にロゴの存在がどうしても気になるとか、目ざわりだって人は個人輸入かフリマサイト、もしくは楽天市場の他のショップなどをチェックしてみてほしい。詳しい情報は1番下の商品リンクを見てもらえばわかる。
お熱いサウナが好きなら断然モルジュ
モビバ→自作→モルジュと経てきて、やっぱり熱いのはモルジュだなと感じる。
テントサウナの温度で最も差が出るのは、ストーブの性能やサウナストーンの量ではなく、テントの断熱性なんだ。
断熱性においてモルジュは間違いなく国内最高レベル。熱いサウナが嫌いじゃないなら、これ以上の製品はないだろう。
他に安いテントは売ってるけど、とりあえずモルジュを買っておけば後悔する可能性は低い。
それにテントサウナのテントは高額だから、買い替えともなるとダメージが大きい。失敗のリスクを回避するためにもモルジュをおすすめしたい。
ただ、安い買い物じゃないからくれぐれも判断は慎重に。
TikTokでテントサウナの様子を配信中
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@chiaki.musaretai