テントサウナの実施回数が30回を超えてきて、楽しい思い出が蓄積されると同時に、危険な場面にもたくさん遭遇してきた。
今回は実際に危険な目にあった俺の経験から、テントサウナで起こり得る事故とその対策について解説したいと思う。
これからテントサウナを楽しもうと思っている人は、我が身を守るためにも参考にしてほしい。
テントサウナはちゃんと対策すれば安全
初めて自力でテントサウナをしようって人にとって、薪ストーブの使用はかなり高いハードルに感じると思うんだけど、そこまで怖がる必要はない。
というのも、テントサウナがここ2〜3年で一気に普及したことからもわかるように、市販されているテントサウナ一式は、素人が使ってもちゃんと安全に楽しめるよう設計されている。
それにSNSやYouTubeでも使い方や注意点が詳しく説明されているから、信用できそうな人の情報を参考にすれば大きな失敗をすることはない。
もちろんこのブログの情報も大いに参考にしてもらっていい。
経験者の失敗談が利用できる
すべてのアウトドアにいえることだけど、注意すれば安全とはいえ、やっぱり自然環境の中で楽しむ以上、予期せぬタイミングで重大な事故が起こる可能性があるのも事実。
そこで、すでにテントサウナを経験し失敗を経てきた人の体験談が役に立つんだ。
過去にどんな事故が発生したのか、先人から情報を得ておくことで事前に対策を立てられれば、より安全で快適なテントサウナを実現できる。
テントサウナで体験した事故
ここからは俺が実際に遭遇した、もしくは遭遇しそうだった経験から、テントサウナで起こり得る事故を解説する。具体的な事例が以下。
- 強風でテントが飛ばされた
- 薪ストーブで腕を火傷した
- 車がスタックして立ち往生した
- 入浴剤でロウリュしたら酸欠寸前になった
- 急な腹痛に襲われて野グソした
【事故】強風でテントが飛ばされた
テントサウナをする上で、1番の悪条件は雨ではなく風。
設営時にその事故は起こった。
テントにポールを通し、立ち上げた状態でペグを取りに行こうとテントから手を話した数秒後に、テントが吹っ飛んだ。それはもうすごい勢いで転がっていった。
慌てて追いかけて数10m先で回収できたんだけど、もし川の対岸方面に飛んでいたら回収不能だっただろう。道路に飛んでいたら交通事故を引き起こしていたかもしれない。
サウナ好きで有名な芸人の藤森慎吾さんのYoutubeで似たような事象が起こっていたから貼っておく。コトが起こるのは動画の7:23あたり。
サウナ用テントは密閉度が高い
サウナ用テントは熱を逃さなくするために、密閉度が高い。その上、出入り口が大きく天井が高いから風を拾いやすく、少しの風ですぐ転けて飛ばされてしまう。
今回は設営序盤の出来事だったから、被害がほぼなかったけど、ストーブに火を入れた後だったらテントが燃えて火事になっていたかもしれない。
【対策】鍛造ペグと重しによる土台強化
風のある日にテントサウナをしないのが1番の対策だけど、風の強さなんて数時間毎にコロコロ変わるから対策不可能。
有効な対策は、テントを立ち上げたらすぐに頑丈なペグを打ち、周囲に重しを置いてさっさと強固な土台を完成させることだ。
ペグはテントの角4つを固定するのに加えて、俺の場合テントの生地がストーブに触れて溶けないように、ストーブ側の面をペグで引っ張るように固定。
さらに中で自分たちの背中にテントの生地が当たると不快だから、ベンチを置く面の生地もペグで引っ張っている。
これで完成。
重しは下の写真のように
テントのスカート部分を押さえるように大きめの石を置くのがベスト。これでテントが飛んだことは過去に一度もない。
ちなみにこれからテントサウナをするのに鍛造ペグを持っていないなら、絶対用意しとくべき。鍛造ペグの買う金で、何十万とするテントと身の安全を確保できるなら安すぎ。
鍛造ペグはコールマンが有名だけど高いから、ほぼ同じ性能で値段の安いエリッゼステークで十分。俺もエリッゼステークを使ってる。
【事故】薪を入れる時に火傷した
ストーブに薪を入れる際に火傷するってのはテントサウナ経験者にはあるあるすぎるんだけど、火傷痕は高確率で長く残るから、できれば避けたい。
俺の場合、薪入れ中に腕・指・足を火傷したことがある。どれも軽度だったから2〜3週間で痕は消えたけど、火傷した状態で入るサウナは痛みが増してけっこうツラかった。
【対策】設営は長袖長ズボンを着用
服を着るだけの簡単なことなのに、テントサウナにおいては意外にも半袖半ズボンにサンダルで作業をする人が多い。
どうせサウナへ入る時は服を脱ぐんだから厚着するのめんどくせーって思うのはわかるけど、設営時に長袖長ズボンを作業するのは、デメリット以上に得られるメリットが大きい。
というのも長袖長ズボンを着用することで
- 火傷しない
- 日焼けしない
- 虫にさされない
と、アウトドア定番の弊害を一網打尽にできるんだ。
一方デメリットといえば、暑いとか荷物が増えるぐらいのもん。火傷してサウナ中にしんどい思いをすることに比べればかなりマシ。
ちなみにストーブを素手で触る超人はあまりいないだろうけど、サウナ中に薪を入れる時も軍手は必ず着用しよう。汚れが目立たず長持ちするから、黒い軍手が俺のイチオシ。
コンプレッションウェアなら暑くない
そんなこといっても夏場に長袖なんて耐えらんねーって人には、コンプレッションウェアがおすすめ。
コンプレッションウェアとは、よくスポーツジムの広告でマッチョな外国人が着ているピチピチのシャツやタイツ。
見た目の通り腕や胴体が締め付けられる構造になっているから動きやすく、最近はスポーツのみならず、キャンプや建設現場など体を動かすさまざまな場面で使われている。
しかも生地が非常に薄く、速乾性に優れてるから普通の服と比べて、汗をかいても不快感がかなり少ない。
おたふく手袋のボディタフネスが最強
最近のコンプレッションウェア業界は競争が激しいため価格破壊が進み、安くていい商品が市場に多く出回っている。
中でも俺が気に入って愛用しているのが、おたふく手袋が販売する「ボディタフネス」シリーズ。
ボディタフネスは圧巻のコスパにも関わらず、速乾性と強い着圧、UVカットを実現しているコンプレッションウェア界の優等生なんだ(俺的に)。
特に、安い商品だと着圧が弱いことが多いんだけど、ボディタフネスはサイズさえ間違えなければ、しっかりピチピチに身体を締め付けてくれる。
価格も、長袖シャツがAmazonで1枚1,000円と、とち狂った設定。こんなことあっていいのかと思ってしまうが、それがおたふく手袋。
俺はこのボディタフネスのコンプレッションウェアを夏用と冬用それぞれ3着ずつ購入して、テントサウナだけでなく登山やキャンプなどでも多用している。
コンプレッションウェアについては以下の記事で詳しく解説しているから参考にしてほしい。
【テントサウナの服装】コンプレッションウェアなら濡れても平気【ボディタフネス】
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【事故】車のスタックによる立ち往生
整備されたキャンプ場じゃなく、河原や野営地でテントサウナをする場合は車のスタックに十分注意してほしい。
俺は真冬に雪が降りしきる中、河原でテントサウナをしていたら、帰り道でタイヤが空転して抜け出せなくなった。
タイヤの下に、テントサウナで余った薪を挟んだり、雪かきしまくったりしたんだけど一向に抜け出せる気配がない。そもそも真冬だったから外での作業は死ぬほど寒かった。
どんどん日が沈んできて絶望感ただよう中、たまたま通りかかったやさしい人が、車を牽引してくれて、なんとか脱出することができた。あの時は本当に助かった。
スタックの窮地から助け出してくれた恩人には感謝を申し上げたい。と同時にスタックを身近な事故に感じて対策が急務だと感じた。
冬のテントサウナの魅力は以下の記事で解説している。
【水風呂シングル】テントサウナは冬がベストシーズンである5つの理由【雪ダイブ】
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【対策】スタック脱出アイテムを積載
最も簡単なスタック対策は脱出アイテムを車に積んでおくこと。
安価で導入できるし、1人で立ち往生してしまっても対応できるから安心感がある。
ただ、薄く積もった雪や氷の上、ぬかるみでなら有効だけど、あまりに雪深い場所では対応できないのが難点。豪雪地帯に行くのでなければ、保険として用意しておくのは全然あり。
4WD車が最強すぎる
俺はこっちの対策をとった。ちょうど車を買い替える時期だったのもあって、4WD車に絞って中古市場を探し回り、走行距離12万kmのエブリィワゴン4WDを30万円で購入。
当時住んでいたのが北陸ということもあって、冬場はこの4WDのエブリィワゴンに何度となく助けられた。
ぬかるんでいる道や氷の上でもタイヤが空転したことは一度もないのはもちろん、1番感動したのは朝の雪かきが必要ないこと。
当時金沢に爆弾低気圧が襲い、市街地にも50cm雪が積もった。そんな日でも、必死に雪かきしている人を横目に、俺のエブリィワゴンは目の前の雪を一切もろともせず、青空駐車場を楽勝で出庫した。4WDやばすぎ。
4WD車は雪かきにかかる膨大な時間を大幅に削減してくれる超時短アイテムなんだ。
雪国に住んでる人で、冬になると毎朝出勤前に雪かきしている人はさっさと4WD車を導入した方がいい。安い中古車なら1シーズンで元がとれる。
なおかつ軽バンならリセールもいい。俺のエブリィワゴンは1年乗った後、車検切れのタイミングで査定してもらったら買値の80%以上の値がついた。
エブリィワゴンへがいかに素晴らしいかは以下の記事で語っている。
【テントサウナ購入前に知っておきたい注意点】ご利用は計画的に
続きを見る
【事故】入浴剤でロウリュしたら酸欠寸前に
これはテントサウナを始めた初期の頃なんだけど、ロウリュに使う水に香りをつけたくて入浴剤のバブを使った時に起きた。
アロマオイル使えよって話だけど、当時アロマオイルってどこに売ってるかわからなくて、水に溶けて香りが出るならバブでも同じやろって浅い考えで入浴剤ロウリュを決行。結果、ひどい目にあった。
バブって商品名にあるように炭酸ガスが含まれてるから、ロウリュすると水に溶けた炭酸が拡がって、テント内の二酸化炭素濃度が急上昇する。
大量の二酸化炭素を吸引した俺は案の定、盛大に咳き込んで気分が悪くなり、慌ててテントを飛び出した。
その後はテント内を換気して仕切り直し、なんとか事なきを得たが、気づくのが遅ければ俺は酸欠で死んでいたかもしれない。
入浴剤でロウリュする奴なんてそういないだろって思うかもしれないが、俺がここで言いたいのは、テントサウナはちょっとしたミスで死にかけることもあるってこと。
【対策】ロウリュはアロマオイルかお茶が無難
テントサウナをしてて、ロウリュしない人はいないと思うんだけど、ロウリュで使う水に香りをつける場合、奇をてらって攻めすぎるのはおすすめしない。
普段何気なく使っている物でも、蒸気として身体に取り込むと、思いもよらず危険な目にあう可能性もある。
その点、お茶やアロマオイルはサウナ施設でも使われているから、身の危険を脅かすことはまずないだろう。
ちなみに俺のおすすめはジャスミン茶ロウリュ。フルーティで爽やかな香りがクセになるから、ぜひ試してみてほしい。
【事故】急な腹痛に襲われて野グソした
事故かといわれると微妙だけど、トイレ事情は深刻だから解説させてほしい。
テントサウナはお腹が冷えやすい。冷たい川に入り、上がったら半裸で外気浴、水分もガブガブ飲む。しかもこれを冬にやったりすれば、お腹を下しやすい環境が完璧に揃う。
俺が便意に襲われたのも冬。2セット目の外気浴をしている最中、急にお腹が痛くなった。
当時テントサウナをしていた場所は、トイレが10分ぐらい歩いた先にあり、しかも河原にテントを張っていたから、トイレへ行くまでに階段のない急な坂を登りきらないといけない。
これはやばい!我慢できるわけない!と思った俺は、箱ティッシュを片手に、川から離れた茂みに入り、穴を掘ってそこに用を足した。人生初の野グソ。自分のサバイバルスキルがまた一歩向上した気がした。
とはいえ野グソは他人に目撃されたら、見た人も見られた自分も不幸になる。幸いにも俺は誰にも見つからず、完璧な野グソができたけど、毎回シチュエーションに恵まれるとは限らない。
誰もが直面する可能性のある急なトイレ問題は、必ず対策が必要。
【対策】野グソ用の紙を必ず用意しておく
野グソは出して終わりではない。キレイに拭き取らないと自分に臭いがつくし、痔になる危険もある。だから自分のケツを拭くための紙が必要。
どんな紙がいいかっていうと、トイレットペーパーがベストで、無ければティッシュ。
昔の漫画で、葉っぱを使って拭くシーンを見たことがあるけど、葉っぱは衛生的に不安だし、硬いから拭きにくくケツに悪い。
感染症対策のためにウェットティッシュを持ち歩いている場合もあるけど、ウェットテイッシュはアルコールが配合されていると、拭いた時ヒリヒリするから、乾いたティッシュの方がいい。
俺はテントサウナの時、必ずポケットティッシュを荷物に潜ませている。
ちなみにティッシュは自然に分解されるまで相当な年月がかかるといわれているから、拭いたティッシュは持ち帰ろう。
野グソは川から離れてするべき
一緒にテントサウナをしていた友達が便意を催した時、そいつが川の下流で済ませようとしてストップをかけたことがある。
川の下流の先には、自分たちのように川に入って遊んでいる人がいるかもしれない。その人達に何らかの健康被害が出ては危険だ。
それに自分たちも、その川を水風呂として使っているんだから、いくら下流とはいえ、気分はよくない。
野グソは、やるなら川から10m以上離れた地面に穴を掘ってやるべき。で、出し終わったら埋めておかないと誰かの飼い犬が見つけて、飼い主が通報するかもしれない。
「飛ぶ鳥後を濁さず」じゃないけど、そこに一切の形跡を残さずに去るのが完璧な野グソの流儀。
テントサウナは事故る前提で対策すべき
テントサウナを始めたばかりだと、誰でも必ず何かしらの失敗をする。これは必然。
だけど事故は起きてからでは遅い。ならいっそテントサウナは事故るもんだと考えて、事前に対策を打っておくべき。
有効な対策は俺や先人の失敗体験を利用すればいい。
これからテントサウナを始める人が、事故にあって楽しめなくなるのを回避するためにも、俺は発信を続ける。
俺もすでに何度も失敗したけど、その度に対策を立てて今日まで生き延び、楽しくととのってきた。
この記事を読んだ人が未然の事故を防ぎ、有意義なテントサウナライフを送ってくれることを願う。