秋が終わり、徐々に寒くなるにつれてテントサウナもオフシーズンかーと思っているサウナー諸君に俺は言いたい。
テントサウナは冬が本番だ
アウトドアのベストシーズンが夏〜秋なら、 テントサウナのベストシーズンは絶対に冬だと言い切れる。
なのにテントサウナは夏のキャンプ場でばかり目撃する。 多くの人が勘違いしていると俺は思う。
じゃあなんでそ こまで冬のテントサウナをオススメするのか、今回はその理由を解説する。
冬が近づいてきて、シーズンに乗り遅れたと思っているテントサウナー達はこの記事を読んで、安心して冬のテントサウナを楽しんでほしい。
テントサウナは冬がベストシーズンな理由
俺はオールシーズンでテントサウナをするんだけど、1年の内半分以上は秋〜冬にやる。
そんな俺が、テントサウナは冬がベストだと考える理由が以下。
- 川が冷たい(シングル)
- キャンプ場が空いている
- 雨が少ない
- 虫がいない
- 雪にダイブできる
川が冷たい(シングル)
正直これに尽きると言ってもいい。 冬の川は雪解け水が流れ込んでくるのでめちゃくちゃ冷たいんだ。
俺が以前、3月に板取川で水温を計測した時は8度だった。 シングル(水温1桁)ってだけでもやばいんだけど、川なので当然流れがある。
水中では常に水流にさらされるから、いわゆる「温度の羽衣」ができず体感はさらに冷たくなるんだ。
池袋の「かるまる」にある水風呂「サンダートルネード」と同じかそれより冷たいって言えばわかるかな。
引用元:かるまる池袋
行ったことがある人しかわからない例えで申し訳ない。
とにかく、「水風呂は冷たければ冷たいほどととのう」が俺の持論なので、ぜひ冬の川水風呂を体感してほしい。
ここまで冷たい水風呂ってサウナ施設はもちろん、川や湖だとしても冬しかできない体験なんだ。
キャンプ場が空いている
キャンプ場がもっとも混雑するのは7〜8月の夏だ。特にお盆休み中の混雑具合はヤバい。
キャンプ場に色鮮やかなテントが所狭しと張られている映像を、見たことがある人は多いんじゃないだろうか。あれ、隣のテント内の会話が丸聞こえなんだよな。
とはいえ、夏だったら夜寝る時に寒くないし、花火や外飲みもできるから夏のキャンプは圧倒的に人気が高い。
しかし、テントサウナは混んでるキャンプ場では、はっきり言って使えない。
なぜならテントサウナはシンプルに普通のテントよりデカいから。その上、構造上どうしても大量の煙が出るので周りに気をつかう。
なおかつサウナから川までの動線や、休憩スペースも確保しないといけないので、とにかく場所をとる。
これがギュウギュウにテントを張られた夏のキャンプ場でできるだろうか、絶対無理。
周りのキャンパーから色んな意味で煙たがられるに決まっている。
だけど夏が過ぎれば状況は一変する。人気だったキャンプ場も秋になり気温が下がるにつれて段々と人が減り、12月中旬にもなれば笑っちゃうぐらいガラガラになるんだ。
最近はキャンプブームで11月頃まではちらほらとキャンパーがいるんだけど、やっぱり真冬ともなると厳しいらしく、12月頃からは本当に人が消える。
テントサウナーにとって冬のキャンプ場は超快適というワケだ。俺がよく利用するキャンプ場は下記。
【持ち込み】岐阜県でテントサウナができる場所おすすめ2選【無料】
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雨が少ない
一部の地域を除いて、一般的には夏より冬のほうが雨は少ない。台風も夏に上陸することが多い。
テントサウナをする環境はやっぱり晴れがいい。
サウナ施設だったら雨の中で外気浴するってのもいいんだけど、テントサウナに関しては雨だとまず設営がしんどい。
雨に打たれながら大量の荷物を運ぶのが何よりキツい上に、手元が濡れると薪ストーブも着火しづらい。
雨に打たれながらの外気浴も気温によってはツラい。
タープを設置すれば雨に打たれずに外気浴できるけど、「大自然を眺めながらととのう」というそもそもの醍醐味が失われる。本末転倒だ。
あと1番大事なことなんだけど、雨の日に川の近くでテントサウナすると最悪死ぬから、マジでやめといた方がいい。
川の増水は短時間で起きるので、サウナに入ってる数分間にテントごと流される可能性だって十分ありえる。
キャンプをやる人なら知ってるだろうけど、これからテントサウナを始める人は、雨の日は川の近くでは絶対にやらないようにしてほしい。
虫がいない
俺は虫が嫌いじゃない。バッタやトンボ、フナムシだって素手でつかめる。だけど蚊に刺されるのはめちゃくちゃ不快。1箇所でも発狂しそうになる。
テントサウナをやるような山奥や、川や湖の近くは蚊がマジで多い。しかも外で身体を露出しまくることになるから、四方八方で蚊取り線香を焚かないと、全身蚊に刺される。
当たり前だけど冬はその苦悩から開放されるんだ。それに蚊だけでなく、ランタンによってくる虫や食材を狙う動物なんかもいなくなるから、精神的に安心できる。
虫がいないってだけでも、テントサウナをやる時期に冬を選択する価値があるといっていい。
雪にダイブできる
言わずもがな、冬は雪が降る。地域にもよるけど国内で比較的標高の高い場所なら割と積雪は発生する。
ということはドラマ「サ道」でも出てきたアレができる。
引用元:TV TOKYO
雪ダイブ!
これが憧れだって言うサウナーも多いと思う。
俺はまだドラマで出てきたようなフカフカの新雪にダイブしたことがない。
過去に1度だけ積雪の中でテントサウナをしたけど、けっこう雪が固まっていたからダイブというより、「雪の上で横になった」って感覚に近かった。
北陸に住んでいるから今年こそは挑戦したいと思っている。
冬のテントサウナの注意点
ここまで冬にやるテントサウナの良いところばかり書いてきたけど、冬は冬で他の季節と違った点で気をつけてほしいことがある。
注意点は主に以下。
- 設営が寒い
- サウナが温まりにくい
- 外気浴が寒い
- 初心者にはハードルが高い
- 多めに薪が必要
設営が寒い
当たり前だけど寒空の中、時間がかかるテントサウナの設営をこなすのは思った以上にキツい。
雪が降っていると手足がかじかんできて、「ホントにサウナやるの?」って気持ちになることもあるだろう。
寒すぎてサウナどころではなくなる前に、防寒対策は厳重にしよう。
服に関しては持てる限りの防寒着をすべて着用するつもりで着ていった方がいい。実際俺もヒートテックを3枚重ね着したりしている。
暑くなれば脱げばいいのだ。極寒の中で着る服がない方がつらい。
完全に余談だけど、サウナ好きなくせに俺は暑い季節が嫌い。寒い方が暑いより何倍もマシ。ストップ温暖化。
サウナが温まりにくい
冬は外気温が低いから、サウナを温めるのにどうしても夏より時間がかかる。
具体的には夏だと90度になるまでの予熱に30分だったのが、冬だと1時間に延びるってぐらいの感覚。
いつもより待機時間が長くなるので焚き火や食事でもして、じっくり待とう。
ただ、テントやストーブの性能によってはサウナの最高温度が夏よりも低くなることがある。
その点はロウリュで補えば問題ない。がっつりロウリュして激アツにしよう。
サウナの温度がなかなか上がらないという人には以下の記事で対策を解説しているので、よかったら参考にしてみてほしい。
テントサウナの温度が上がらない5つの原因と対策法【熱くなれよ】
続きを見る
外気浴が寒い
冬の山は麓の方でも気温が氷点下になる。
外気浴が寒いってのは街のサウナ施設でも同じことなんだけど、テントサウナでは内気浴という選択肢がないから、水着だけで外気浴はつらい部分がある。
この点に関しては、サウナポンチョ等を着用することで快適に外気浴が可能になる。もちろんポンチョじゃなくパーカーやコートで代用することも可能だ。
初心者にはハードルが高い
先にも書いたけど、冬の川や湖はほとんどの場合、水温1桁だ。
初心者にシングル(水温1桁)の水風呂はハードルが高いというのは間違いない。
初心者と一緒にやろうとしている人は、できれば近くにある「水風呂の温度が低いサウナ施設」で予行演習をしてから冬のテントサウナに誘うことをオススメする。
- かるまる池袋 ▷東京
- サウナイーグル ▷愛知
- ウェルビー栄 ▷愛知
- The Sauna ▷長野
- 大東洋 ▷大阪
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薪が多めに必要
冬は外気温が低いというのは何度も書いた通りなんだけど、外気温が低いとテント内の予熱にかかる時間が長くなる分、多めの薪が必要になる。
夏だったら半日で2束もあれば足りるけど、冬の場合は1.5倍の量が必要になる。
焚き火もするとなると、さらに必要になるので注意してほしい。「薪が足りませんでした」でテントサウナが強制終了してしまうのは悲しい。
テントサウナで必要な薪の量は別の記事でも解説しているのでよかったら参考にしてみてほしい。
なぜ夏がシーズンだと思われているのか
俺は季節問わずテントサウナをするんだけど、夏のほうが圧倒的にテントサウナーが多いと感じる。
最初は何でわざわざ夏のぬるい川に飛び込んでんだって思ってたんだけど、夏にテントサウナをする人が多いのにはちゃんと理由があることに気付いたので解説する。
川や湖にダイブするイメージが先行している
テントサウナってどんなイメージだろう?
経験者からすると、大自然の中でととのう超絶気持ちいいアクティビティというイメージで共通していると思う。俺もそう。
しかしテントサウナ未経験者にとっては、ととのうことより川や湖にダイブするイメージの方が実は強いんだ。
その理由はとても簡単。サウナで蒸されてる姿って地味すぎて記憶に残りづらい。
サウナでジッとして熱さに耐えている映像より、テントから水着の男女が飛び出してきて、湖に勢いよくダイブする方がいい画になるに決まってる。
事実、俺のTikTokでも川にダイブする動画が他の動画に比べて多く再生されている。
俺も含めていろんな人たちの発信が積み重なった結果、川や湖にダイブするイメージが先行した。
川や湖にダイブするイメージが強くなると、夏にやるのがいいと多くの人が考える。理由はもちろん、冬に川に入る人はいないからだ。
冬の川や湖はかなり冷たいのでハードルが高い。サウナが習慣じゃない人からすると、なおさら極寒の川に飛び込むなんて正気の沙汰じゃないと考えるだろう。
インフルエンサーの発信が生んだイメージ
「テントサウナが普及してきたのはここ最近だ。」って話は先に書いた通りなんだけど、どうしてこんなに急速に流行ってきたのか、その影にはインフルエンサーの存在がある。
そもそも昨今のサウナブームが凄まじいということはこの記事を読んでいる人なら知っていることだと思う。
その中でもテントサウナはアウトドア&水着という、強力なインスタ映え要素を組合わせることができるから、SNSにうってつけのアクティビティなんだ。
だから特に女性インフルエンサーは、こぞってテントサウナ体験を投稿しまくっている。
そのおかげでインスタグラムやツイッターには、一斉にテントサウナの投稿が溢れかえった。
インフルエンサーはサウナ素人
SNSにテントサウナの投稿が増えた結果、テントサウナは夏がシーズンだというイメージがすっかり定着しつつある。
というのも、SNSで拡散されるテントサウナ関連の投稿って、普段サウナに入らない人たちの投稿が多いんだ。
理由は簡単で、フォロワー数の多いインフルエンサーの中にサウナガチ勢が少ないからだ。
サウナブームといえど、やはりまだまだ発展途上。そうなると今までサウナ以外のジャンルで人気を獲得してきたインフルエンサーの投稿の方が、多くの人々の目に止まるようになる。
だけどそれらは、言い方を変えれば「サウナ素人の発信する情報」なんだ。
彼らは「ととのう」ことではなく投稿することが目的なので、寒い冬にやる理由がない。
雪の中でやるなら別だが、夏と冬で写真の見栄えが変わらないなら、わざわざ寒い時期に水着で凍えるより夏の方が圧倒的に快適というわけだ。
その結果これからテントサウナを始めようとしている人たちも、サウナ素人がやるテントサウナがスタンダードだと思ってしまうわけだ。
SNSのフォロワー数は現代の資産。俺も切実にフォロワーが欲しい・・・
インフルエンサーにはむしろ感謝
ただ誤解してほしくないのは、俺はインフルエンサーを批判しているわけでは全く無い。彼らはそれが仕事なのでいかに投稿を拡散してもらえるかを考えた結果、そうなっただけ。
実際テントサウナが流行っているので、その手法は正しかったわけだ。むしろ俺はテントサウナを流行らせてくれたインフルエンサーに感謝している。
テントサウナが流行れば、関連グッズが多く生み出されるし、テントサウナを体験できる施設やキャンプ場が増える。テントサウナーからしたら良いことづくめなんだ。
後はテントサウナにハマったユーザーがより「ととのう」ように正しくアレンジしていけばいいだけ。
テントサウナの王道はまだ確立していない
テントサウナが有名になってきたのはここ1〜2年のことで、まだまだ歴史が浅い。この数年で俺も含めて色んなサウナーが参入しているおかげで、大いに盛り上がっている。
しかし、テントサウナ自体がまだ国内では現れて間もないアクティビティなので、ガチ勢はほとんどいない。初回もしくは2・3回目のいわゆるビギナーが大半を占めている。
そのせいで、まだテントサウナの王道となるやり方は確立していないと思う。
アウトドアに正解なんてものは存在しないのかもしれない。
冬のテントサウナは全部入り
秋を過ぎるとテントサウナのシーズン終わっちゃったなーって言ってる人がよくいるんだけど、全然そんなことはないということが、この記事を読んでわかってもらえたハズ。
夏にはあって冬にはない要素が存在しないんじゃないかってぐらい、冬のテントサウナは全てが詰まっている。
まだ夏しかテントサウナをしたことがない人は、冬にもやった方がいいと断言できる。
記事執筆時が1月なんだけど、まだまだ寒い時期が続く。テントサウナーの人、そうじゃない人もこの冬ぜひととのってほしい。