大自然の中でととのう姿をSNSで見て、テントサウナに憧れるサウナ好きは多い。
俺もそんなサウナ好きの1人で、憧れのあまり、つい最近テントサウナの自作に挑戦したんだ。
ただ、実際にやってみて自作テントサウナは全くおすすめしないと心底思った。
そこで今回はその理由について解説したい。
テントサウナを自作する方法については以下の記事で解説している。
続きを見る【神コスパ】タープテントでテントサウナを自作する手順と注意点
テントサウナは値段が高すぎ
テントサウナのブランドといえば、上の写真にあるモルジュなんかが有名なんだけど、そのお値段なんと20万円。
確かにテントサウナは素晴らしい非日常体験だけど、20万円でそれを買おうと思える人はまずいない。販売対象から完全に庶民を除外している。
もちろん俺にもそんな金があるはずがない。そもそもテントサウナに20万円も出せるなら、せこせこブログなんてやらずに、海外のリゾートで毎晩パーリーしている。
自作のきっかけはレンタル
そこで、金のない俺が目をつけたのが、テントサウナのレンタルサービスだったんだ。
当時住んでいた愛知県で「テントサウナ レンタル」でググったら見事ヒット。
個人でレンタルしている所だったんだけど、すぐメールしてモビバという以下のテントサウナを借りることに成功した。
さっそく岐阜県の清流である長良川上流で使ってみたんだけど、それはもう今までにない感動だったんだ。
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至福のテントサウナ初体験
独り占めしたサウナで好きなだけロウリュし、青く透き通った川に飛び込んで、誰もいない大自然の中、鳥の鳴き声や川のせせらぎを聞きながら外気浴。そしてととのう。
まさに至福の時間。
使ってみてわかったんだけど、テントサウナはその辺の銭湯サウナより全然熱い。俺がやった時期は外気温10度だったけど、テント内の体感温度は90度ぐらい。テントサウナすごすぎ。
他に、サウナ好きで有名な芸人の藤森慎吾氏が愛用する「モルジュ」というテントサウナにいたっては、100度を余裕で超えるスペックをしている。
自分で作れるかも
ただ、このテントサウナ、漠然と見ていると素人目には比較的単純な作りをしているように見えた。
構造的には、布で隔てた空間に薪ストーブを置いているだけ。
それで本格的なサウナ施設と同等・・いやそれ以上のサウナが完成してしまっている。
もしかしたらコレ、自分で作れるんじゃね?
と俺は考えた。
テントサウナを買うとなると、諸々合わせて20万円以上かかるけど、自作なら簡単に見積もって3〜4万円。
お値段5分の1以下やん。そこで決めた、金のない俺がテントサウナをし続けるには自分で作るしか道はないと。
しかし、実際に作ってみると大きな間違いだったことに後から気づいたんだ。
自作テントサウナをおすすめしない理由
俺が実際に挑戦してみて気づいた、自作テントサウナをおすすめしない理由が以下。
- 断熱性が足りない
- なんだかんだ既製品より高くなる
- 荷物がかさばる
- 設営に時間がかかる
- 安全性が低い
それぞれ解説していく。
断熱性が圧倒的に足りない
自作テントサウナの宿命。自作の欠点は断熱性能の低さに尽きるといっても過言ではない。
断熱性とは簡単にいうと、熱を空間内に閉じ込める性能のこと。テントサウナ制作では断熱性をいかに高めるかが至上命題になると考えてほしい。
断熱性が低いことで生じるデメリットは以下の通り。
- すぐに温度が下がる
- ロウリュができない
すぐに温度が下がる
サウナのようにガンガンに汗をかけるような温度にするには、たくさん薪が入る大きいストーブを設置して、かなり頻繁に薪をくべ続けなければならない。
要するに15分ぐらいの外気浴が終わって2セット目に入ろうとしたら、もうテント内はほんのり暖かいぐらいの室温にリセットされてしまっているんだ。
そしてまた初めから温め直すから1セットにかなり時間がかかる。普通に30分以上かかっていたと思う。
テントサウナで必要な薪の量とおすすめの薪を解説【燃料切れ回避】
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テントサウナの温度が上がらない5つの原因と対策法【熱くなれよ】
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ロウリュができない
さらに厄介なことに、断熱性が低いとストーブに積んだサウナストーンも十分に温まらないからロウリュが機能しない。
1度水をかけてからストーンが復活するまで何10分もかかってしまうんだ。
これサウナ好きにとってかなりキツくないだろうか?
目の前に大量のサウナストーンが積まれているのにロウリュできないなんて、眼の前の餌を我慢させられている飼い犬と同じ。
可愛そうな飼い犬の気分を味わいたい崇高な人はこの記事の読者にはいないだろう。
さらに、断熱性が低いと頑張っても50〜60度ぐらいまでしか温度が上がらないから、俺が自作したテントサウナを初めて試した時は全く満足できなかった。
ロウリュして何とか「サウナかな?」ってレベル。
【自作テントサウナ】ホンマ製作所の薪ストーブで無限ロウリュする方法【改造】
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自作の定番はタープテント
タープテントは下の画像のような、4本の支柱に天幕を張ったテント。
「テントサウナ 自作」で検索すると、多くのネット記事でタープテントを加工する方法について解説されている。
俺も一度タープテントで作ったけど、足元の隙間風がすごいんだアレ。
それにやっぱり断熱性が足りないから全然暖まらない。結果、すぐ断念することになってしまったんだ。
こういうキャンプ用品って、そもそもサウナ用に作られているわけじゃないから、テントの素材に断熱性能がまったくと言っていいほど無い。
ストーブでテント内を暖めても、温かい空気がドンドン外に逃げてしまうんだ。
寒い冬に暖をとるにはちょうどいい温度になるけど、ストーブでのんびりぬくぬく暖まるためにテントサウナを作ったわけじゃない。
俺達が求めているのはサウナだ。
これでは汗をかけない。
なんだかんだ既製品より高くなる
やはりサウナ好きたるもの使っていく内により熱く、そしてより快適にしたいと考えるようになる。
そうなると設備投資によって、どんどん費用がかさむ。
俺の場合、もともと持っていたキャンプ用品を使ったりもしたら多少安上がりだったけど、それでも最初にかかった費用は全部で4万円強だった。
そこからというもの、俺は熱さを求めてテントを買い替えたり、ストーブに細かい改良を加えたりして結局、最初の費用と合わせて15万円ほどかけるハメになってしまった。
そこまでやっても既製品のクオリティには敵わなかった。
今のところ現状で落ち着いてはいるけど、まだまだ改良したいと思う点はたくさんある。そういうところに手を加えるとどう考えてもあと2〜3万円はかかると思う。
徐々にふくらんでいく費用を見ていて、俺は思った。
最初からテントサウナ買った方が安かったやん。と。
これがメーカーの既製品だったら完成されたクオリティだから、最初から手を加えようとは思わなかったはず。
荷物がかさばる
上の画像はモビバ社が製造販売している「バックパックサウナ」という商品。
名前の通り登山にも持っていけそうなサイズ感。自作テントサウナもこれぐらいコンパクトに持ち運べたらいいんだけど、現実は甘くない。
車の荷室がパンパンになる
まずテントとストーブがまったく別の商品だから、まとめて1つのバックに収納とか絶対無理。だからそれぞれ手に持って運ばないといけないんだけど、それでは両手が塞がる。
車へ積み込むにしても小さい軽自動車なんかだと、トランクがテントとストーブだけでいっぱいになってしまうぐらいに、とにかく荷物の体積が大きい。
しかもテントサウナはテントとストーブだけあればいいってわけでもない。他にもバケツや椅子など周辺グッズを積載するスペースが車内に必要になるんだ。
自宅にも保管場所が必要
その上、ずっと車に積んでおくわけにもいかない。そうなると、今度は自宅で保管する場所を確保しないといけない。
これでは、とにかくテントサウナに生活を侵食されてしまう。このあたりのデメリットや対応策は以下の記事で詳しくまとめているから、よかったら参考にしてほしい。
【テントサウナ購入前に知っておきたい注意点】ご利用は計画的に
続きを見る
テントサウナに必要な周辺グッズは以下の記事で解説している。
設営に時間がかかる
設営の効率まで考えて設計された既製品と違い、自作したテントサウナはサウナができあがるまでにかなり時間がかかる。
既製品は設営が超簡単
振り返ってみると、モビバのテントサウナは設営までの手順が本当に楽だった。
普通のキャンプ用テントを組み立てるのと同じぐらい簡単に組み立てられるから感動した覚えがある。
一方で自作の場合、特にストーブは自分で付け加えたアイテムを取り付けたり、サウナストーンを積み上げたりと本当に手間がかかる。
自作の設営時間は既製品の4倍
俺の場合、上で貼ってある写真を見てもらってもわかるようにサウナストーンを入れているカゴやストーブを囲む金属のメッシュシート等、毎回組み立てるのに骨が折れる。
サウナの温度にこだわり過ぎた結果なのはわかってる笑
このストーブを組み立てるだけで20分ぐらいかかるんだ。既製品だと、ストーブ本体を置いて煙突を組み立てるだけだから、5分ぐらいで完成した記憶がある。
テントサウナの設営・撤去を効率的にするグッズは、下記の記事で紹介しているのでよかったら参考にしてほしい。 続きを見る
【失敗から学んだ】テントサウナで絶対用意すべき便利グッズ
安全性が低い
テントサウナはテント内で火を扱うという点において、キャンプ上級者向けのアウトドア。
当然、安全には細心の注意を払わないといけないんだけど、自作は安全面にも不安が残る。
繰り返しになるけど、サウナに使うことを想定されていないから、テントへの引火やストーブの転倒といった火災、さらには一酸化炭素中毒など危険が満載。
安全第一の使用が求められる
自作する以上、安全に配慮した設計をするのはもちろんだけど、素人のDIYでは小さなリスクまで排除するのは限界がある。
自作テントサウナを使用する時は、周囲に気を配り、できるだけ事故の起こらないように使用してほしい。
サウナで本当の意味で昇天してしまっては元も子もない。
軽い気持ちで自作するのはマジでおすすめしない
俺の場合、自分でサウナを作り上げる達成感を楽しめたり、ブログのネタにできたからまだ良かったけど、多くの人は後悔すると思う。
もし「安くテントサウナできるなら。」という安易な気持ちで挑戦しようとしているなら、俺のように失敗して、十中八九後悔するだろうからマジでおすすめしない。
金による解決も時には重要
もしこの記事を最後まで読んでもらって、ここに書いてあるデメリットが少しでもキツイと感じるなら、大人しくモビバやモルジュのテントサウナを購入してもらった方がいいと断言できる。
コスパもいいけど、品質があってこそのコスパ。品質も安全性も機能性も金で買えてしまう。
やはり専門の企業様が考えた商品はよくできていると言わざるをえない。
そりゃ、素人がちょっと考えてDIYできるようなシロモノだったら商品化する意味がない。
やってみないと分からないこともある
ただし、あくまでやるかやらないかは自分次第。もし自作に挑戦される気概のある方は、最後まで諦めず頑張ってほしい。
自作テントサウナに挑む仲間として陰ながら応援している。テントサウナに関するノウハウや経験談はすべて記事にして解説しているから、役立ててくれたらうれしい。
それでは快適なサウナライフを!
続きを見る【モルジュのテントサウナを2年使った感想】冬でも100度を超える最強テント【デメリットあり】
テントサウナをしている様子は、TikTokで配信しています。
@chiaki.musaretai