29歳の夏、俺は新卒カードを使って入社した会社を辞めて転職した。
今は都内のベンチャーで勤務しているんだけど、当時なんのスキルもなく、転職経験も0だった俺にとって転職活動は不安しかなく、何から初めてどう終わるのか見当もつかなかった。
なので今回は同じく転職初心者の20代社会人に向けて、転職活動の進め方と注意点を俺の実体験をもとに解説する。
転職を考えている人は参考にしてほしい。
転職活動は行動することに価値がある
転職なんて失敗して取り返しがつかなくなったらどうするんだよって不安に思っている人もいるだろうが、もし転職という選択肢を少しでも考えているなら、まず行動してみてほしい。
というのも転職活動は行動することに価値があるんだ。
転職活動自体にはリターンしかない
聞いたことがあるかもしれないけど、転職活動自体にリスクはない。
求人に応募して選考が通っても、入りたくなければ内定を断ればいい。そうすれば、成功はしないけど失敗もしない。
むしろ時間と引き換えに転職活動の経験という、リターンを得られる。考えようによっては、転職活動はリスクのない投資ともいえる。
転職しないこともまたリスク
おそらくこの記事を読んでいる多くの人が、今の会社に不満を抱えているにも関わらず、いざ1歩目が踏み出す勇気がないって人だと思う。
そういう人は、転職しないこともリスクだということを理解してほしい。
嫌な会社で働き続けることで若くて貴重な時間を失う。自分と同じような不満を抱えている人が他にもたくさんいれば、社員の離職が進んで会社が傾くかもしれない。
転職しなければこういったリスクを抱えて、働き続けることになる。
転職活動は精神安定剤
俺が、会社の電話が多すぎて転職を決意したっていうのは過去の記事でも述べているんだけど、転職活動をはじめてからというもの、会社の多すぎる電話対応に対する嫌悪感が和らいだ経験がある。
これは転職活動を始めると、その気になればいつでもこの会社を辞めれるっていう安心感が生まれた結果なんだ。
会社に不満がある人は、転職活動を始めてみてほしい。少しは会社や仕事への嫌な気持ちが軽減するはず。
【電話するな】仕事でいちいち電話をされるのが迷惑な理由
続きを見る
20代社会人の転職活動の進め方
ここではまず、初めて転職活動をする人向けに、転職活動の具体的な進め方を示す。それが以下。
- 転職エージェントへ登録
- 職務経歴書を作成
- 求人を探して応募
- 面接選考
- 内定承諾
- 今の会社へ退職願提出
- 有休取得・入社準備
やることは決して少ないけど、新卒時の就活と違って期限はないから、徐々に進めていけば大丈夫だから安心してほしい。
転職活動は在職中に取り組むべき
今の会社が辛すぎるって理由で、先に仕事を辞めてから転職活動をする人がたまにいるけど、多くの場合自分の首を絞めることになるからおすすめしない。
というのも、次の仕事が決まっていないのに仕事を辞めてしまうと一時的に無職、つまり無給になる。
収入が途絶えると、最初は貯金で何とかなるかもしれないけど、徐々に生活が困窮していくのは避けられないんだ。
そうなると、生活のために早く転職先を決めようとして、大して行きたくもない会社に決めてしまうことになるかもしれない。
だからたとえ今の会社が辛くても、自分の食い扶持のためと思って、転職活動が終わるまでは在職しておくべき。
仕事が超絶ブラックで辞めないと、転職活動する時間がないって人もいるだろうけど、そこはどうせ辞める会社だと割り切り、上司は無視して有休をとったり早く帰るなりしよう。
転職エージェントに登録する
最近はTVCMもやっているから、知らない人はいないだろうけど、転職希望者がまず最初にやること、それは転職エージェントへの登録だ。ここが転職活動の入口になる。
転職エージェントというのは、転職希望者の転職活動をサポートしてくれる人で、希望に沿った求人を探してくれたり、企業との間に立って採用条件の交渉をしてくれたりする。
忙しい社会人にとって大変ありがたいサービスだから利用しない手はない。ただし注意点もいくつかある。
初めての転職は大手エージェントがおすすめ
転職エージェントと一言で言っても、今は大なり小なり無数の転職エージェントサービスが乱立している。
求人を探す前に、エージェントサービスを選ぶので一苦労だ。
そこで、初めての転職する人に向けて俺からできるアドバイスは、大手エージェントを2つ以上登録しとけってこと。
なぜなら、エージェントサービスは大手と中小で、扱う求人数に圧倒的な差があるからだ。
どうしてもこの会社に入りたいという強い願望がないのであれば、たくさんの求人を見れる大手エージェントに登録しておくべき。間口は広い方が絶対にいい。
さらに、1つのサービスにしか求人を出してない企業とか、外れのエージェントに当たった時のリスク回避の手段として、2つ以上登録しておけば万全。
大手エージェントというと具体的には以下。
- リクルートエージェント
- 転職エージェントdoda
- マイナビエージェント
サイトの操作性に多少の違いはあれど、この中ならどれを選んでもいい。
エージェントサービスの評判は気にしなくいい
ちなみに、各エージェントサービスの評判を語るYouTuberとかがいるけど、エージェントサービスの評判は調べるだけ無駄。
なぜなら、エージェントサービスの良し悪しは、自分を担当するエージェント個人との相性で9割方決まるから。
エージェントも1人の人間だから、自分に合わないエージェントもいれば、ぴったりハマるエージェントもいる。
よって、YouTuberも結局Googleとか口コミサイトの評価をまとめているだけで、その動画の内容は信憑性が低い。転職希望者がエージェント個人を選ぶことはできないから、完全にくじ引きみたいなもん。
だからこそエージェントサービスは2つ以上の登録が必要なんだ。
エージェントの言葉を盲信するな
転職エージェントをすすめておいて何だよって思うかもしれないけど、彼らエージェントも営利企業で働く社員だ。
たくさんの転職希望者を効率よく転職させるように、会社から教育を受けている。
よって、時に全然良くない条件の求人を、内定が出そうだからという理由ですすめてきたり、早く応募するように急かしてきたりするんだ。
もちろんエージェントだってやりたくてやっているわけではないとは思う。とはいえ、転職希望者のあなたはその言葉のすべてを真に受けてはいけない。冷静に情報を取捨選択する必要がある。
エージェントは転職に失敗しても責任をとってくれるわけではない。
連絡の激しいエージェントは注意
好みもあるけど、あまりに連絡を密に取ろうとしてくるエージェントは注意が必要。
2日おきに電話して活動状況を聞いてくるとか、1回の電話が異常に長いエージェントは、自分が報酬を得たいがために、転職希望者の都合をないがしろにして転職を急かしてくるタイプかもしれない。
というのも俺が最初に当たったエージェントがこのタイプだったんだ。
ラインのやりとりにしたいって伝えてもしつこく電話してくるし、内定が出たらこっちの意見を無視して承諾をすすめてくる。
あと、仕事中に電話してくるとか論外だ。
エージェントは変更できる
このエージェントはどう考えても自分に合わないって思ったら、たいていの転職エージェントサービスでは、エージェントの変更を受け付けてくれる。
俺はメールで伝えて変更してもらった。もう会うことも連絡をとることもないから、気をつかう必要はない。
ただ何回も変えると、エージェントの運営元から見放される可能性があるから変更は1〜2回が限度だと思う。
1回変えてダメなら他のエージェント会社に乗り換えればいい。
職務経歴書を作成する
次に内定獲得へ向けた最初の関門である書類選考、この合否を左右する「職務経歴書」を作成する。
職務経歴書は新卒時の就活におけるエントリーシートと履歴書が一緒になったような書類。
転職活動では職務経歴書1つで、自分の実績や能力を全力でアピールしないといけない。
嘘はダメだが話を盛るのはOK
職務経歴書は基本的に自分の職歴や、仕事であげた成果を書いていくだけだから、「バイトリーダーやってました」みたいな嘘はつけないしつく必要もないんだけど、盛れる部分は盛ってもOK。
例えば、「会議資料の作成を担当していました」って書くところを、「自分が会議資料のレイアウトを見やすくしたおかげで会議が円滑に進みました」みたいに話をでかくする。
在職中であれば、小さい実績は今から作ることだってできる。
実績がないならマインドをアピールする
営業職みたいに実績が数字で表せるなら、アピールしやすいんだけど、事務職の人は数字で評価できる仕事が少ない。
そんな時は、具体的な業務内容を交えて、仕事に対する自分の姿勢や考え方を表現するのがおすすめ。
例えば、「常に効率を意識してエクセルはショートカットキーだけで操作できるようにしてました。」といった具合。
ここで重要なのは、「この人は生産性の高い働き方ができそうだな。」と採用担当者に思わせること。
仕事に無関係の資格もアピール材料
仕事に関係ない資格は書く意味ないんじゃないのかって思うかもしれないけど、地頭の良さをアピールする材料になるなら書くべき。
俺は経理志望だけど宅建を保有資格欄に書いて、短期間で効率よく勉強して試験に合格したエピソードを面接で話したりしていた。
仕事に無関係な資格も、言い方次第でアピールは可能。
書類選考に受からないことには、面接のステージにすら立てないんだから、使えるものは何でも使うべき。
宅建試験に短期間で合格した方法は以下の記事でまとめている。
【独学】社会人が1ヶ月半で宅建に合格する勉強法【動画学習】
続きを見る
求人の探し方は3種類
職務経歴書ができたら、選考に進む企業選ぶために求人を探していく。
希望の勤務地によるけど、都心部は最近のコロナ明けで求人件数が増加していて、求人を探すのにもなかなかに骨が折れる。
求人を探す方法は大きく以下の3つ。
- 転職エージェントの紹介
- 転職サイトで検索
- 企業の自社サイトから直接応募
厳密には、ハローワークの掲載求人、LinkedinのようなSNSを使ったヘッドハンティング、知人から紹介してもらうリファラル採用って方法もあるけど、初めて転職する20代にはいずれも実用的ではないから、ここでは省略する。
気になる人は自分で調べてみてほしい。
転職エージェントの紹介
最もラクな求人の探し方。
希望の条件をエージェントに伝えれば、後はエージェント側で勝手に抽出し、WEBフォームを介して求人情報を送ってくれる。
基本的に転職希望者は、送ってもらった求人を見ていいと思ったら応募するだけ。
ただし、エージェントサービスに採用の仲介を依頼している企業しか出てこないから、どうしても求人企業は限定的。
もっと求人を広く探したり、希望の求人がなかなか見つからない人は後で説明する転職サイトを使うのがおすすめ。
転職サイトで検索
転職サイトは求人を掲載しているインターネットサービス。
求人を出す企業にかかる費用が、転職エージェントを利用するより少ないから、掲載求人数が多いのがメリット。
デメリットは、転職サイトからの応募は直接応募になる点。つまり応募した企業の情報は誰も教えてくれないし、エージェントから面接もアドバイスもしてもらえない。
もちろん内定後の入社日や年収交渉も自分でやらないといけないから、交渉ごとに自信がない人はエージェントの利用がおすすめ。
逆にエージェントとのやりとりがめんどくさいって人は転職サイトの利用がおすすめ。とはいえ別に併用しちゃいけない決まりはないから、転職サイトも同時に登録しておいて損はない。転職サイトで検索した方が良い求人が見つかることも普通にある。
リクナビNEXTが有名で、掲載求人数も国内で1番多い。
企業の自社サイトから直接応募
企業のHPに掲載されている採用情報ページから直接応募する方法。
人材紹介大手「リクルート」のHPを例にすると
赤枠で囲ってあるところが直接応募の入口。入りたい企業が具体的に決まっている人におすすめ。
とはいえ、転職サイトと同じく直接応募になるから、誰からも手助けはしてもらえない。
応募したい企業が転職サイト等に掲載されていない場合は、企業の自社サイトを直接見てみてほしい。
直接応募は受かりやすいけど茨の道
企業のHPから直接応募すると、内定を得る可能性が少し高まる。
なぜなら自社サイトからの応募であれば、採用しても企業はエージェントに高額な報酬を支払わなくて済むからだ。
企業がエージェントに支払う報酬は、内定者の年収の1/3とかなり高額だから企業側もできれば払いたくない。だから企業側も本当は自社サイトから応募してもらうのが最も好都合なんだ。
とはいえ、繰り返しになるけど面接対策や交渉は自力でやる必要があるから、茨の道であることに違いない。
転職口コミサイトの確認は必須
転職口コミサイトは、実際に勤務経験のある従業員による口コミを閲覧できるサービス。
会社の内部事情や、勤務環境、収入の実態まで生々しい評価が見れるから、求人に応募する前や内定後に、入社判断の基準として活用するのがおすすめ。
有名なサイトは以下の3つ。
俺は全部登録して使っていた。口コミを閲覧するためには、事前に自分が勤務している企業の口コミを投稿する、もしくは課金しないといけない。
口コミサイトは基本マイナス評価
転職口コミサイト利用者のほとんどは、転職希望者もしくは退職者だから、在籍していた会社にネガティブなイメージを持っている人が多い。
だから、必然的に難癖ともとれるようなマイナス評価の口コミが溢れている。
転職口コミサイトを利用する場合は、そういった状況も考えて、なんでもかんでも口コミを真に受けず、信用に足る情報のみを拾い上げる目を養ってほしい。
面接は場数をこなすのが大事
続いて転職活動の山場ともいえる面接について解説する。
転職活動の面接は就活と違って、経歴を聞かれることがほとんどで、聞かれることもほぼほぼ決まっているから対策がしやすい。
必ず聞かれる質問が存在する
上で書いた通り、転職活動の面接には必ず聞かれる質問というのが存在する。例えば以下。
- 自己紹介
- 転職理由
- 志望動機
- 長所・短所
これらの質問は、どの企業の面接でもほぼ100%聞かれるから、事前に回答を台本にしておくのがおすすめ。
面接官も定番の質問に対してアドリブは求めてないし、むしろ定番の質問でテンパっていると準備してないと思われて評価が下がる。
志望度の低い企業を練習台にしろ
いきなり本番に挑んで完璧なパフォーマンスを発揮できる人は存在しない。
だからまずは志望度の低い企業で面接の練習をしておくのがおすすめ。その面接で用意した回答のウケがあまり良くなければ、回答を修正して次の面接で試す。
そうやって面接の質問に対する回答が洗練されていくんだ。仕上がったところで本命の企業に応募すれば、内定の確率はぐんと上がる。
ちなみに練習台にされた企業に対する迷惑とかは一切考えなくていい。
彼らにとっては入社する気のない人との面接も仕事であり、それで給料をもらっているんだから。
リモート面接はカンペ必須
最近の面接はリモートが主流。1年前俺が転職活動をした時も10回以上面接したが、すべてリモートだった。
というか、俺の場合地方で勤務しながら東京の企業に応募していたから、ハナから対面の面接は受ける気がなかった。
対面と違い、リモート面接にはカンペを見ながら臨めるという究極のメリットがある。もちろんこのメリットを享受しない手はない。
方法は説明するまでもないけど、俺の場合、PCのウィンドウを1:1に分割し向かって右に面接画面、左にメモ帳を開いてチラ見しながら面接を受けていた。
がっつり読んでいると目線が不自然になるから、チラ見程度に留めておこう。
【重要】入社予定日を決めておく
面接の終盤にたいてい「いつ頃から当社で働けますか?」を聞かれる。
入社する気のない企業相手なら適当に答えて構わないけど、少しでも入社意思のある企業の場合、変な日程を言ってしまうと後でめんどうなことになる。
企業側もここで聞いた入社予定日をもとに、いろいろと入社体制を整えるから、後で変更したいと申し出ても、下手すると入社日を変更してもらえなどころか、内定を取り消される可能性すらある。
だから面接を受ける前に、引き継ぎや有休消化を考慮した具体的な日付を考えておかなればならない。
ちなみに俺は辞める会社から最後、ボーナスをもらうためにボーナス支給日の翌月1日が入社日になるようにした。お金大事。
内定が出たらやること
面接を通過し、晴れて内定が出たら今度は、その内定を承諾するか決めなければならない。
多くの場合、内定が出ると労働条件通知書などで基本給や勤務時間などが知らされる。
当然だけど、入社したらここで明示された条件が適用されるから、内定を承諾する前にしっかり目を通しておく必要がある。
ここでは俺の経験をもとづき、内定を承諾するまでにどういうことを考え、どんな行動をとるべきかについて解説する。
【重要】年収が低ければ交渉する
前提として、俺は年収の下がる転職をおすすめしない。
なぜなら、年収は一度下げると上げるのが超ハードだから。
やってみるとわかるけど、実績のない若い人ほど年収を上げる転職は難しい。企業としても、よっぽどポテンシャルを見込めるなら別だが、実績のない人材に投資はしない。
逆に下げるのは簡単。高い給料で働いていた人を安く雇えるんだから、採用する企業からすれば良い商品を割引価格で買うようなもの。
年収は簡単には上げられない。だから年収だけは妥協しちゃダメ。納得いかない年収を提示されたらエージェントを通して必ず交渉しよう。
交渉が決裂すれば他の企業に応募すればいい。会社は腐るほど存在するんだ。少し時間を置けば出てくる求人は大きく変わる。
口コミサイトを今一度確認
応募する前にチェックした口コミサイトを再度確認する。できれば最新の口コミを中心に。新たな口コミが投稿されているかもしれない。
この口コミの中で、どうしても許容できないような内容が複数投稿されていたら、内定承諾は改めて検討すべき。口コミサイトは、入社前にリアルな内情を知れる貴重な情報源。
上場企業なら財務状況を確認
内定を得た企業が上場しているなら、IR資料が公開されているから確認してみよう。
有価証券報告書などを見て、財務状況が健全かどうか、また将来性について読み解くことができる。
IR資料の読み方がわからない場合は、調べればいくらでも参考になるサイトや動画が出てくるからチェックしてほしい。
今の会社に退職願を提出する
内定を承諾したら、とうとう在職中の会社に辞める意思を伝える。
会社によって手続きが微妙に違うかもしれないけど、基本的には上司に口頭で伝えてから退職願(退職届)を提出するって流れが一般的だと思う。
辞める会社の引き止めは無視
人によっては上司や同僚から「考え直してくれ」と引き止めにあうと思う。
ただ、そういう引き止めは形式的な儀式と考えて、無視すべきだ。これは心に誓ってほしい。
というのも、上司は部下に辞められると自分の査定に響いたり、自分の仕事が増えたりして困るから引き止めているだけであって、別にあなたの将来を考えているわけではない。
同僚も同じ。なんなら同僚は「先を越された」と悔しがっているかもしれない。
そんな自分には無関係の理由で引き止めてくる人たちに応じる必要はない。時間の無駄。「必要としてくれて嬉しいですが、すでに次が決まっているので」と適当に流し、相手にしちゃいけない。
「もったいない」を連呼する人たち
俺が辞める時さんざん浴びせられた「もったいない」という言葉。
なにがもったいないのか意味不明だが、特におじさん達にこの「もったいない」という言葉を使って引き止める人が多かった。
要は「こんないい会社辞めるのもったいない」かもしくは「お前ならきっと出世できるのにもったいない」ということだと思うんだけど、華麗にスルーしてOK。
その会社に居続けることで浪費する時間こそが俺の人生にとって、「もったいない」んだ。
もし「もったいない」と言って何度も引き止められたら、考え方の参考にしてほしい。
【有休消化】社会人史上最長の休暇へ突入
最終出社日を過ぎたら、ついに社会人史上1度も訪れるはずのなかった1ヶ月近い長期休暇に突入する。
人によって2ヶ月以上有休が余っている人もいるだろう。この突如ふって湧いた休みを使って、今まで休みが取れなくてできなかったことを存分に楽しんでほしい。
1週間以上の長期旅行がおすすめ
俺が転職した時は、コロナが猛威を奮っていたから、原付で2週間、西日本を旅したんだけど、本当は海外旅行に行きたかった。
とはいえ、仕事をしていたら原付で2週間も旅するなんてできなかっただろうから、このタイミングで長期旅行ができたのは大きな収穫だった。
これから転職を機に長期休暇を獲得する予定の人は、どうせなら働いている間にはできないであろう1週間以上の旅行に出るのをおすすめする。
旅行した時の様子は以下の記事でまとめているから、興味のある人は読んでみてほしい。
【ムサレタイマガジン7月号】一人旅はおっさんになるための準備
続きを見る
引っ越し手続きも忘れずに
引っ越しを伴う転職に限るけど、引っ越し先の物件は早々に決めておかないと引っ越しの予定が立てられないから最優先事項。
有休消化を存分に楽しみたい人は、最終出社日までに賃貸サイトで物件を探し、土日を使って内見するのがおすすめ。
俺も物件を決めたのは最終出社日前だった。賃貸物件を安く契約する方法は以下の記事で詳しく解説しているから参考にしてほしい。
【一人暮らし】賃貸物件の初期費用を簡単に10万円以上安くする方法
続きを見る
有休は全消化を目指せ
労働者は会社を辞める前に有休を消化する権利がある。
俺が前にいた会社で、有休を20日以上残して辞めた人がいたけど、これは本当にもったいないことなんだ。
有休が残ったまま退職日を迎えたら、残った有休は跡形もなく消滅する。もちろん転職先で引き継がれることもない。ただ消えるだけ。
もし有休は辞める1週間ぐらい前から消化できたらいいやと思っているなら、今一度有休の価値を考え直してほしい。
有休の価値は1日1万円以上
厚労省の調査によると、令和2年社会人1年目の大卒平均初任給が月226,000円。これを日給に換算すると、平日の日数(約20日)で割るから11,300円。
「有給休暇=給料がでる休日」だから、有休は働かずに1日11,300円貰える労働者の権利。つまり有休1日には1万円以上の価値があるんだ。
裏を返せば、有休を1日消滅させる度に1万円以上ドブに捨てているということになる。
会社からすれば、社員が有休を消滅させてくれるほど払うはずの給料を払わなくていいんだから儲けられる。だから会社は退職者の有休消化をよく思わない。
辞める会社のために、数十万円も金を捨てる必要があるだろうか、いやない。
この記事の読者はきっちり有休全消化を目指し、有休の残日数から逆算して退職日を設定してほしい。
転職は電車の乗換と同じ
転職に失敗すると取り返しのつかないことになって、人生破滅するかもみたいに考えている人がいるけど、その考えは少し古い。
俺は転職を電車の乗換みたいだと思っている。目的地に向けて行き先を修正するために、電車(会社)を乗り換える(転職する)。
もちろん失敗しないに越したことはないけど、失敗したらその時はその時。また次の駅で乗り換えたらいい。
実際に転職してみて、そんなマインドを持つことができた。転職は意外と大したことない。
転職が当たり前の時代
今や転職は当たり前になってきているし、転職を繰り返していたって企業から「やばい奴」だと思われるような時代ではない。
実際俺がいるベンチャー企業では、転職3回以上の30代が何人もいるけどみんな優秀でいい人ばかりだ。
それに20〜30代だったら失敗しても取り返しのつく場合がほとんど。
もしヤバい会社に入ってしまっても他に求人はいくらでもあるんだから、そこまで不安がる必要はないと思う。
会社を変えるより自分が変わる
最後に、今の会社に何かしらの不満があってこの記事を読んでくれている人へ言いたい。
会社は変えられないし変わらない。
俺も昔は、会社を自分が変えてやろうと思っていたけど、長らく染み付いた会社の体質を1人の労働者が変えるのは不可能。
サラリーマン金太郎みたいな世界は起こらない。残酷だけどこれが現実。
だったら環境を変えるために自分が動くしかない。健闘を祈る。