俺は過去10年間にわたり、ずっと同じバンズのスリッポンを、履きつぶしては買い替えてを繰り返している。
それだけ愛用しているスリッポンなんだけど、最近また役目を終えたスリッポンからまったく同じ新しいスリッポンへ買い替えたから、この機会にスリッポンの良さを全人類に語りかけたい。
スニーカー選びに迷っているメンズは、ぜひとも参考にしてほしい。
同じVANSのスリッポン「THE SHOKUNIN(職人)」のレビュー記事は以下。
続きを見る【VANS THE SHOKUNIN(職人) レビュー】スリッポンの最高傑作
靴は同じ物を買い続けるべき
俺は靴を買うたびに毎回違う靴に乗り換えるのは、時間と労力のムダだと思っている。
なぜなら靴は、家電やスマホと違って10年や20年で大きく進化しないからだ。
スマホみたいに毎年機能がアップデートされていくなら、自分の時間を増やしたり、仕事のパフォーマンスを上げたりするために、その時々で最も優れたスマホへ機種変更するべき。
だけど、靴は10年前から機能やデザイン面に大きな進化がない。現に90年代に大流行したエアマックスが、デザインを変えずに20年代の今また人気を博しているのがいい例。
足の速さを極める陸上選手ならまだしも、普通の人が靴を乗り換えたところで、生活に大きな変化はないのだ。
同じ靴を履き続ければ時間が増える
だったら、自分のお気に入りの靴を見つけて、ずっと同じ物を買い続けることで、靴選びに迷う時間や、サイズを検討するために試し履きする時間を削減できる。
さらに靴が減れば、靴箱に靴以外の物を収納できて部屋がキレイになる。まさにイイことづくしなんだ。
スリッポンは靴紐のない靴
ここではスリッポンが何なのかについて解説する。
スリッポンの語源は「スリップ・オン(Slip On)」で、靴紐や金具で足を固定しない靴を総称してスリッポンという。ただ、一般的にスリッポンというと、今回も紹介する足の甲部分がキャンバス素材(布地)になっている物を指すことが多い。
スリッポンは靴紐で調節をしない代わりに、足の甲部分にゴムなんかの伸縮性の高い素材を使って、靴が脱げてこないよう足にしっかりフィットする作りになっている。
小学校の上履きと同じ原理
スリッポンがどんな履き心地がわからない人は、小学校の時に履いていた上履きを思い出してほしい。
上履きも靴紐を使わないから、スリッポンの一種。つまり日本人のほとんどは小学校の6年間スリッポンを愛用していた経験があるんだ。
大半の人は、あの白い上履きを履いて学校の廊下を走り回っていたことだろう。そして上履きの履き心地に違和感を覚えていた人も少ないはず。
ちびっ子にも大人にもフィットする、それがスリッポンなのだ。
どんなコーデにも合う
バンズのスリッポンを語る上で欠かせないのが、その汎用性の高さ。
どんなファッションにも干渉しない控えめなデザインのおかげで、ジャージからオフィスカジュアルまで様々なシーンに対応できてしまう。
スエットを着て田舎のドンキに行く時と、ジャケットを着てオフィスに出勤する時で両用できる靴はスリッポンしかない。
こんなに使い勝手のいい靴を俺は他に知らない。
紐がないから着脱が超ラク
上でも説明した通り、スリッポンは靴紐がないから脱ぎ履きが簡単。
小学生が上履きという名のスリッポンを履いていることから、その着脱のしやすさは折り紙付きと言っていいだろう。
靴紐がないから、履く時に紐を結んだり、脱ぐ時に解いたりする必要がないのはもちろんのこと、甲の部分が伸縮するから、靴を履く時にいちいち屈んでかかとに指をかけなくても、足を入れてスライドさせれば、立ったまま靴を履けてしまう。
脱ぐ時はソールがゴムなのを利用し、
お互いのかかとを密着させれば簡単にグリップが効くから、これまた立ったまま靴から足を抜くことができる。
これは実際体感すると感動するほど楽ちんだ。
靴紐があると、買ってから靴紐を通さないといけない上に、履いてる最中に靴紐が解けたりする心配が付きまとうから、その心配から解放されるだけでもバンズのスリッポンを選ぶメリットは大きい。
俺は紐のあるスニーカーにもう戻れない気がしてる。
靴が柔らかいから動きやすい
バンズのスリッポンは甲がキャンバス素材で底がゴムで作られているから、靴全体が柔らかくて動きやすい。
さらにバンズが元々スケボー用の靴を製作するメーカーだけあって、スリッポンはめちゃくちゃ軽くて俊敏に動ける。なんならスリッポンでバスケやサッカーだって余裕でできちゃう。
ちょっとした外出だけでなく、旅行や運動をする時でも活躍する、それがバンズのスリッポン。
コンパクトで持ち運びやすい
靴が柔らかいと、動きやすいだけでなく持ち運びにも役立つ。柔軟性を利用すればコンパクトに収納できるから、
サブの靴としてカバンやリュックに入れても、そこまで荷物にならない。
俺は登山や豪雪地帯へ旅行に行く際、移動時は防水の登山靴を履いて、街に繰り出す時やホテルにいる時は持ってきたスリッポンに履き替えて足を疲れさせないっていう使い方をしている。
ちなみにスリッポンをカバンに入れるときは、圧縮袋に入れるとさらに容量を減らせるからおすすめ。圧縮袋は何枚かまとめて買って、衣類を収納するのにも使える。
価格は高くも安くもない
スリッポンはたくさんのメーカーから星の数ほど販売されているんだけど、その中でバンズのスリッポンは無難な価格と品質をバランスよく両立している。
スニーカーの代名詞であるナイキのエアマックスやニューバランスの996シリーズが定価1万円前後なのに対し、バンズのスリッポンは5,000円前後と良心的。
確かに無印やGUと比べれば少し高いけど、その点は品質とデザインで十分補っている。
安すぎるスリッポンは危険
そもそもスリッポンは高級スニーカーではないから、1万円を超えるような商品はあまり見かけない。
逆に2,000円以下の安いスリッポンは調べればいくらでも見つかる。
俺は昔、バンズのスリッポンを丸パクリしたようなデザインで1,500円の商品を買ったことがあるんだけど、3日履いたら底に穴が空いて、水が侵入してきた。
もちろん個体差があるかもしれないから、すべて悪いとは言い切れないけど、経験上3,000円以下のスリッポンはソール(底部分)が薄いことが多いから気をつけてほしい。
世の中はゴミを販売する業者で溢れている。
バンズのスリッポンのデメリット
万能に見えるバンズのスリッポンにも残念ながら欠点はある。それが以下。
- 雨に弱い
- 耐用年数は2年が限界
- 身長が盛れない
雨に弱い
バンズのスリッポンが雨に弱いのは、足の甲部分が布で作られているからで
足の甲に雨がたくさん当たると、水が染み出してたちまち靴の内部まで浸水してしまうんだ。
なので俺の場合雨対策として、スリッポン全体に撥水スプレーを吹きかけている。こうすることで、例え大雨が降ってきても、30分程度なら浸水を免れることができる。
与えられた30分で駅やデパートなどの屋内に避難すればOK。
撥水スプレーは雨の日に履く時だけ、外出前に吹きかければOK。
ちなみに撥水機能を兼ね備えた「SHOKUNIN」というスリッポンも発売されていて、これは雨でもほぼ浸水を防いでくれる。
今の俺はこのSHOKUNINを愛用している。
SHOKUNIN(職人)について解説した記事は以下。
【VANS THE SHOKUNIN(職人) レビュー】スリッポンの最高傑作
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毎日履き続けるのは1年が限界
バンズのスリッポンは他のメーカーのスリッポンと比べて丈夫な方ではあるけど、残念ながら履き続けるのは1年が限界。
実際に1年間ほぼ毎日履き続けたスリッポンはかかとが破れて、
足の側面に穴が開いてしまっている。
こんな状態になるまで履き続ける人はなかなかいないと思うけど、物持ちのいい俺でもさすがに限界。
スニーカーの平均使用期間が約3年と言われているからかなり短い。ただこれは俺のように毎日履き続けた場合の話であって、休日や特定のシーンでしかスニーカーを履かない人であれば、あと1〜2年は長く履ける。
とはいえ、革靴や他のスニーカーと比べれば耐用年数が短いのは確か。2〜3年で買い替える物だと思っておいて間違いない。俺も今回で8代目のスリッポンだ。
身長が盛れない
175cm以上ある高身長男性には無関係な話だけど、俺みたいな低身長男性にとって身長が盛れないのは切実な問題。
残酷な事実だから長らく直視しないようにしていたが、女性が男性を選ぶ際に身長は重要な判断材料なんだ。
身長の高い男の方がスタイルがよく見えるし、強そうに見える。女性は強い男性が好きなのだ。それは生物学の観点から明白。
それなのにバンズのスリッポンはといえば、ソールが他のスニーカーほど薄いから、身長を盛る効果は一切ない。
むしろ他のスニーカーを履いている連中と比較したら、相対的に縮んでいるといっても過言ではない。つらすぎ。
そんな低身長に悩む男性には、シークレットインソールがおすすめ。
中敷きでかかと部分をカサ上げするからバレずに身長を偽装できる。You やっチャイナ!(G10くん風)
バンズのスリッポンはスニーカーの最適解
着る服によって靴を使い分けるオシャレさんもいるけど、ファッションにそこまでこだわりのない俺みたいな人は、雪国にでも住んでない限り、普段履きの靴はたくさん必要ない。
10年前に初めてスリッポンを履いた当時の俺にとって、どんなファッションにも合わせられるバンズのスリッポンは、靴を1足に集約できる魔法のアイテムだった。
昔仕事でスーツを着る時だけは革靴を履いていたんだけど、今や仕事も私服になったから、家にいる時以外俺の足は常にバンズのスリッポンと共にある。
最近買い替えたこのスリッポンが1年後に潰れても、また俺は同じスリッポンを買うだろう。