たまに行く旅行先でホテルの広いベッドに寝ると、翌朝の目覚めが明らかに違うと感じる。
これまで何度もホテル泊を重ねたあげく、30歳にしてやっと睡眠の質はベッドの大きさに直結すると気付くことができた。
そこで今回、自宅のシングルベッドを自作でダブルベッドに拡張したから、その方法を解説する。
広いベッドが欲しいと思っている人は参考にしてほしい。
今のベッド環境
今の俺は東京上野で1K5.5畳という激狭物件に暮らしている。
住めば都とはよく言ったもので、2年も住んでいるともはやこの狭さが心地良いとすら感じる。
とはいえ5.5畳という狭すぎるスペースで快適な生活空間を確保するには、物を極限まで減らす必要があり、今俺の部屋にある家具はベッドと作業デスクのみ。
テレビやソファはなく、食事用のダイニングテーブルすらない、まるで刑務所みたいな空間。
そこまで物を減らしていても、部屋の3分の1はベッドが占めている。その上でさらにベッドを巨大化しようというのが今回の狂った計画。
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フレームは楽天の格安品
今使っているベッドフレームは、2年前に楽天で買った1万円以下の格安品。
ベッド下に物を収納したくて、高さのあるフレームを探していたら評価の良いこの商品に出会った。
ベッドの高さを3段階で調節でき、一番高くするとベッド下に高さ26cmもの空間を作り出すことができる優れもの。結局ベッド下には未だに何も収納していないんだけど、2年間使っていて特に不調はないから気に入っている。
今回はこのフレームをそのまま活かした上で、ベッドを拡張する。
マットレスはコアラマットレスを使用
一時期、インフルエンサーが揃いも揃って宣伝しまくっていたコアラマットレス。
当時YouTubeでコアラマットレスのレビュー動画を見た人も多いと思うけど、そのマーケティングにまんまと乗せられたのが俺。
コアラマットレス自体は弾力がちょうどよく、寝返りも打ちやすくて寝心地最高。もっと早く買っておけばよかったと思った。
それまでは3,700円の腰が床に着くほどペラペラのマットレスを使っていたから、全然疲れがとれなかった。当時は若さゆえの回復力で何とかなっていたけど、今の年齢でペラペラのマットレスには戻れない。
ベッド拡張DIYに必要な物
今回、フレーム交換なしでベッドを拡張するために用意したものが以下の通り。
総額1.4万円だから、買い替えに比べたら格安。
事前の計測が命
今回のベッド拡張DIYでは、元々のフレームとマットレスを活かさないといけないから、事前に高さと幅を計算するのがとにかく大事なんだ。
計測がテキトーだと購入した材料がすべて無駄になる上に、返品や廃棄のコストが発生する。
特に高さが重要で、この計算をミスると元のベッドと拡張部分に段差ができて、死ぬほど違和感が生じる。
ベッドの高さは約57cm
俺のベッド環境では、フレームとマットレスを合わせたベッド全体の高さが約57cm。
そこで今回用意した物のサイズが以下。
- カラーボックス 幅42cm ※横にして使う
- すのこ 厚さ2.5cm ×2 ※2枚重ねて使う
- 4つ折りマットレス 厚さ5cm ×2 ※半分にして使う
すべて重ねれば57cmになる計算。ミリ単位の誤差は出るけど、そこまで気にしなくてOK。
どうしても段差が生じて違和感があれば、元のベッドか拡張部分、どちらか低い方をかさ増ししてやれば、どうとでもなる。
シングルベッドをダブルベッドに拡張する方法
ここからは具体的な作業内容を解説する。
作業といっても超お手軽で力のない子供や女性でもできる内容。
ベッドフレームの拡張作業
まずはカラーボックス2つを組み立てる。
組み立てたカラーボックスは横にして使う。
次にすのこは4つ折りで収納できるようになっていて、連結部分がバンドでくっついているから、
真ん中のバンドをハサミで切断し、2つ折りすのこ2枚組に分割する。
ベッド横に並べたカラーボックスの上に、すのこを2枚重ねて設置。
これでベッドフレームの拡張が完了。
マットレスの拡張作業
続いてマットレスだけど、これもすのこの時と同じで、4つ折りの真ん中部分をハサミで切断する。
そしたら切断して2枚になったマットレスを、縦に並べて先ほどのすのこの上に置く。
これでベッドの拡張はほぼ終わり。
元のベッドと並べて設置した全体像が以下。
マットレスを置いてみる。
拡張部分との境界は
こんな感じ。
あと事前にわかっていたんだけど、ベッドの長さが若干足りてない。
とはいえ、これでも拡張部分のベッドの長さは190cmあるから、俺の身長を十分カバーできるサイズ。
それにボックスシーツを被せれば、見た目でもわからなくなるからまったく問題ない。
そうしたら、元のマットレスと今回拡張したマットレスの2つに、ダブルベッド用のボックスシーツを被せる。
完成した様子が以下。
上から見下ろせば、拡張したことにはまず気づかれない仕上がりで上出来。
ベッド拡張後の幅は143cm
今回、完成したベッドの幅は約143cmで、ダブルベッドの幅140cmとほぼ同じ。
1人で寝るには十分すぎるサイズで、寝返り打ち放題、寝心地も抜群。
高級ホテルに泊まっているような気分を毎日味わえる。
カラーボックスの位置に注意
実は今回用意したカラーボックスの奥行が、すのこの幅より小さいからカラーボックスの設置位置をベッド本体から離しすぎないよう注意が必要。
というのも、カラーボックスとベッド本体に隙間があると、結合部分に体重がかかった時にすのこが落下する恐れがあるんだ。
だから、くれぐれもカラーボックスはベッド本体とくっつけて置くように注意気をつけてほしい。
フレームとマットを買い替えなくていい
今回のDIYで最もすばらしいポイントは、既存のベッドを捨てなくていいことにあるんだ。
というのもベッドの買い替えは、既存のベッドの廃棄に加えて新しいベッドを組み立てないといけない。
一方で今回のベッド拡張DIYなら、めんどくさいのはカラーボックスの組み立てくらいで、費用も買い替えの10分の1ほど。仮に失敗してもリスクは最小限。
粗大ごみを捨てるには労力が要る
ベッドを捨てたことのある人ならわかると思うけど、フレームとマットは粗大ごみ扱いになって捨てるのが超めんどくさい。
粗大ごみを捨てるには、粗大ごみシールを貼って収集を依頼し、当日の朝に玄関まで運搬しなければいけない。
ベッド拡張のためにそこまでの労力をかけられる人は、決して多くないと思う。少なくとも俺には無理。引っ越しでどうしてもやらないといけない時以外はやりたくない。
いつでも元に戻せる
しかも拡張したベッドはいつでも解体できる上に、既存のベッドは無加工だから、シングルベッドに戻したくなっても一瞬で原状回復できる。
カラーボックスもベッドの土台に使わないなら、本来の用途に戻せばいいだけ。
2人で寝ても快眠できた
ダブルベッドに拡張して以降、大人2人でも寝てみたんだけど、シングルベッドの時に比べて明らかに睡眠の質が上がった。
それも当然で、ベッドの幅が140cmもあると、大人2人が手足を広げてもまだ全然余裕がある上に寝返りだって可能。
相手が動いても自分の身体に触れないから、睡眠を阻害されることがなくなった。
シングルベッドに2人はキツかった
これまではシングルベッドに2人で寝ることがあったんだけど、常に身体のどこかが相手に重なっている状態だったから、夜中に目を覚ますことが多かった。
少しでも横にズレると、腕がベッドから落ちるし、おかげで寝返りもロクに打てなくて、翌日の目覚めは相手も自分も悪い。寝ているのに体力が削られる悪循環に陥っていた。
2人で寝る機会の多いカップルはさっさとベッドを拡張しないと、睡眠不足で2人の関係にヒビが入ると思う。善は急げ。
1人で寝るならセミダブルで十分
ここまでベッド拡張後のメリットばかり解説してきたけど、もし今1人暮らしでパートナーのいない人は、ベッドは大きくしてもセミダブルで十分。
というのも、まさに今の俺がダブルベッドに生活空間を圧迫されまくっているんだ。
1K5.5畳にダブルベッド設置はかなり厳しい
狂気の沙汰と言われても仕方ないと思うけど、上で書いた通り俺の家は1K5.5畳の激狭物件。
部屋の3分の1をベッドが占めていて、他に収納用のラックと作業机を置いているから、自由に動ける空間がマジで1.5畳ほどしかない。
見る人によってはキャビンタイプのホテルと大差ないレベル。
ソファとテーブルが置けない
当然ながら1K5.5畳にダブルベッドを設置すると、ソファはおろか食事用のテーブルすら置くことができない。
テーブルなんて置こうもんなら、カニ歩きで身を小さくしないとベッドまでたどり着けなくなる。だから我が家では作業机が食卓を兼ねている。
この家では、とにかく物を増やさない意識が重要になってくる。
仕事と睡眠ができれば問題ない
そんな刑務所みたいな部屋でダブルベッドって頭おかしいと思われるかもしれないけど、俺の場合、家では仕事と睡眠さえできればいいっていう方針だからほぼ問題ない。
友達が何人も家に来て宅飲みすることもなければ、美女や金持ちを呼んで酒池肉林パーティーをすることもおそらくないだろう。
むしろベッドからトイレや収納といった場所までの動線が短くなって、生活の質が上がっているとまで感じる。
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ベッドは大きさこそ正義
2人で寝る時の寝心地に悩んでいたから、思い切ってベッドを拡張してみたけど、思いのほか快適になった。
費用も1万円ちょいだから、今パートナーがいる1人暮らしの人は気軽に試してみてもいいと思う。
ただし、事前にベッドの高さを計算するのだけは入念にやるよう注意。
ぜひパートナーとの快適な睡眠を手に入れてほしい。