ツーリングで高速に乗るのを嫌うライダーは多いけど、ロングツーリング時の時短を目的に高速を使う機会が俺は多い。
でもバイクの高速代は車と比較して割に合わない。そんな不満を抱きながら、YouTubeを眺めていたら、二輪車定率割引という素晴らしい割引制度を見つけたので今回解説していく。
ツーリングの高速代を節約したい人はぜひ参考にしてほしい。
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二輪車定率割引はバイク優遇制度
二輪車定率割引なんて堅苦しい名前をしているけど、簡単に言えば高速道路利用時のバイク優遇制度。
概要は以下の表の通り。
割引内容 | 高速代37.5%オフ |
実施機関 | 2024年4月6日〜2024年11月30日の土日祝※ |
対象道路 | NEXCO・宮城県道路公社の管理道路 |
対象車種 | ETCを搭載した125cc超のバイク |
※北海道内は2024年4月6日(土)~10月27日(日)
GW・お盆の連休期間でも適用される
二輪車定率割引が素晴らしいのは、通常の休日割引が適用されないGW・お盆・年末年始でも適用される点。
つまり、大型連休中に高い高速代を払って自動車が渋滞に巻き込まれる中、バイクは半額に近い料金でスイスイ目的地に向かうことができるんだ。
ちなみにすり抜けは推奨しないし、もちろん俺はしたことがない。
全国のNEXCO管轄道路が割引対象
対象エリアはNEXCOの管轄する全国の高速道路で、以下の図の通り。
※拡大画像
ただし、アクアラインや沖縄自動車道など一部割引対象外の道路があるから注意が必要。
とはいえ、首都高などの都市高速を除いてほぼすべての高速道路が割引対象だから、ロングツーリングでいちいち対象道路を調べる必要はないと思う。
対象道路の一覧はこちら
1回の走行距離が80km超の場合のみ適用
二輪車定率割引で1番の鬼門が走行距離。
割引の適用条件が1回80kmを超える走行に限られていて、割引を適用させようとすると最短でも東京〜御殿場までを1回で走りきらないといけない。普通に遠い。
走行距離に関する詳しい適用条件が以下。
- 1回の走行が80kmを超える走行のみ、その走行全てが割引対象
- 1回の走行は、入口から出口まで高速道路を流出することなく走行することをいう
- 特定のインターチェンジ又は料金所を経由して対象道路を乗り継ぐ場合は、1回の走行とみなす
- 走行距離は実走行距離ではなく、最短経路の距離で割引の判定する
と、難しい説明がNEXCOの公式サイトに掲載されているんだけど、要は入口から料金所までの距離が80kmを超えたら、その分の高速代が37.5%オフになるってことなんだ。
アクアラインは距離算定のみ対象
東京都民や千葉県民がよく使うであろう、川崎〜木更津間を結ぶ東京湾アクアライン。
このアクアラインの料金に関しては割引対象外なんだけど、距離の算定には含まれる。
例えば、川崎からアクアライン経由でアウトレットのある酒々井まで行く以下のケース。
内容 | 距離 | 割引 | |
全経路 | 東扇島(川崎市)〜アクアライン〜酒々井 | 89.2km | |
経路① | 東扇島〜川崎浮島JCT(首都高) | 4.1km | ✕ |
経路② | 川崎浮島JCT〜木更津金田(アクアライン) | 15.1km ※距離算定のみ対象 | ✕ |
経路③ | 木更津金田〜木更津JCT(アクアライン連絡道) | 8.6km | ◯ |
経路④ | 木更津JCT〜酒々井IC(NEXCO管轄道路) | 61.4km | ◯ |
割引対象となる走行距離は木更津金田〜酒々井ICまでの70kmしかないんだけど、割引対象外であるアクアラインの走行距離15.1kmを足せば80kmを超える。
この時、木更津金田〜酒々井ICの高速料金に37.5%オフが適用されるという仕組み。
超ややこしい。
利用方法はWEBから
走行距離に関する適用条件は超わかりづらいんだけど、利用方法は簡単で、スマホから申し込むだけ。
やることは主に以下の2つ。
- 速旅に会員登録する
- 二輪車定率割引に申し込む
加えて、手元に用意する物が以下の2つ。
- ETCカード
- ETC車載器セットアップ証明書
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速旅に会員登録する
速旅はNEXCOが運営する旅行サイトで、二輪車定率割引を受けるには最初に速旅に会員登録する必要がある。
まず速旅の二輪車定率割引のサイトにアクセスして、下の方にスクロール。「新規会員登録(登録無料)はこちら」をタップ。
新規登録のページが表示されるから、メールアドレスを入力、「仮登録」をタップ。
仮登録用のメールが届くから、メールに載っているURLをタップ。
なぜか俺の場合、迷惑メールに振り分けられていたから、メールが届かない場合は迷惑メールフォルダを確認してほしい。
新規会員登録のページが表示されるから、個人情報を入力。
確認画面を経て速旅にログインする。
もう一度、二輪車定率割引のサイトにアクセスし、ベージ下部の約款の同意にチェックしたり、無駄に回答必須のアンケートに答えて「申し込む」をタップ。
申込内容入力画面が表示されるから、割引内容や利用日を入力。
ETCカード情報やETC車載器管理番号はさっき登録した情報が選択できるようになっている。
利用日はあまり先の日付を指定できなくて、
当月分もしくは月末に来月分が指定できるようになるっぽい。
「確認画面へ」をタップ。
最後に「申込を確定する」をタップ。
これで二輪車定率割引の申込は完了。あとは普通に高速道路を走るだけ。申込自体は超カンタン。
二輪車定率割引の注意点
二輪車定率割引にはいくつか注意点があって、気をつけないと高速代の請求が来てから「ハァ?割引されてねーじゃん」ってことになる。
二輪車定率割引の注意点が以下の3つ。
- ゲートをくぐるまでに申込が必要
- 利用日が連続しない場合、毎回申込が必要
- 初日に利用がないと翌日以降割引されない
ゲートを通るまでに申込が必要
申込が当日でも割引を受けることは可能だけど、高速道路入口のゲートを通過した後はアウト。
申込は必ずゲートを通るその直前までに済ませてほしい。
利用日が連続しない場合、毎回申込が必要
例えば3連休で1日目と3日目に割引を受けたい場合、それぞれ別々に申込が必要。
なぜそんな面倒な仕様にするか謎。NEXCOにはこの辺を早急に改善していただきたい。
初日に利用がないと翌日以降割引されない
2日間以上で申込をした場合、初日に高速道路の利用がなかったら、それ以降の日に走った高速代には割引が適用されない。
その場合はまた2日目以降の日付で申込が必要になる。どんな落とし穴だよ。
割引が適用されるおすすめ目的地【東京発の場合】
せっかくだから東京都内から80km制限をクリアできる、比較的近場のおすすめ目的地を紹介する。
二輪車定率割引を使ってお得にツーリングしたい人は参考にしてほしい。
距離はすべて割引対象道路の走行距離を記載している。
日光いろは坂 133km
割引対象経路 | 利用道路 | 距離 |
川口JCT〜清滝IC | 東北自動車道 | 133km |
言わずとしれた関東屈指のツーリングスポット。
都内からは東北自動車道・川口JCTから割引対象となり、清滝ICまでで約133km。
時間にして1時間30分。
紅葉の時期が1番人気だけど、夏に言っても北海道なみに涼しくて避暑地に最適。
いろは坂から足を伸ばして、日光湯元温泉が誇る高濃度硫黄泉を味わってほしい。
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富士山スカイライン 84km
割引対象経路 | 利用道路 | 距離 |
東京IC〜御殿場IC | 東名高速道路 | 84km |
東名高速道路・東京ICから御殿場ICを経由して向かえば、対象道路の走行距離が84kmとなり、ギリギリ割引が適用される。
富士山スカイラインの登山区間は標高が2,380mとなり、バイクで行ける中では最高到達点と言われている。
ただ7月〜9月はマイカー規制があるから注意が必要。
グリーンふるさとライン 124km
割引対象経路 | 利用道路 | 距離 |
三郷IC〜日立北IC | 常磐自動車道 | 124km |
常磐自動車道・三郷ICから日立北ICまでで約124km。
グリーンふるさとラインは茨城県にあるツーリングスポットで、全長70kmにも及ぶワインディングを楽しめる。
道幅が広く見通しもいいから初心者ライダーにもおすすめで、春〜秋にかけてはたくさんのライダーが足を運んでいる。
東京からグリーンふるさとラインまで下道で行くとかなり時間がかかるから、二輪車定率割引を使うのに持ってこいだと思う。
定額乗り放題プランもお得
NEXCOでは二輪車定率割引とは別に「ツーリングプラン」という割引制度も実施している。
ツーリングプランは対象区間の高速道路が2〜3日間乗り降り自由の、いわゆる乗り放題。
泊まりで遠征するなら、ツーリングプランを使う方がお得になる。ただ、区間を事前に選択しないといけなくて、東京〜名古屋みたいな長距離には対応していないから注意が必要。
詳しくはNEXCOのツーリングプランを参考にしてほしい。
バイクの高速代は割高
最初に二輪車定率割引のことをバイク優遇制度だと書いたけど、そもそもバイクの高速料金は割高な設定になっているんだ。
高速代は車両の大きさと重さで決まる
高速道路の料金が車種によって変わるのは知っていると思うけど、これは車両の大きさや重さによって、道路を占有する面積や道路への負荷が違うからっていうのがNEXCOの言う理由。
この理由にあてはめて考えると、車と比べて小さくて軽いバイクの高速料金が軽自動車と同じなのはどう考えてもおかしい。
バイク乗りは団結してNEXCOに文句を言うべき。
来年も実施されるかは未定
二輪車定率割引は2022年から始まった新しい割引制度で、今年2024年まで継続して実施されているけど、2025年も実施されるかは不明。
NEXCOの気分次第でいつ改悪されるかわからないから、使えるうちに使っておくべき。
距離制限の撤廃に期待
とはいえ、バイクの高速料金減額を希望する声は多いから、2025年以降も実施される可能性が高いと俺は思っている。
もっと言えば、面倒な距離制限をなくして一律割引にすべきだという声も多くて、いずれは距離制限が撤廃されることが期待されているんだ。
俺も距離制限はNEXCOとライダー双方に、デメリットばかりだから、さっさと無くせばいいと思う。
知名度が低すぎる
今回たまたまYouTubeを見ていて二輪車定率割引の存在を知ったけど、普通に生きていたら一生知らないままだったと思う。
それぐらい知名度の低い二輪車定率割引だけど、利用すればかなり大きな割引を受けられるから、利用しない手はない。
もし周りに高い高速代を払ってツーリングをしている仲間がいたら、ぜひこの記事を教えてあげてほしい。