俺がバイクの免許を取得したのは社会人5年目、27歳の時。
免許取得からまだ4年しか経っていない新人バイク乗りではあるんだけど、バイク免許を保有していることで数々のメリットがあることに気づいたから今回共有したい。
これからバイク免許を取得するか悩んでいる人の背中を押せる記事にしたい。
今から取るなら大型二輪免許がおすすめ
免許種別 | 運転できるバイクの排気量 | |||
50cc以下 | 51〜125cc | 126〜400cc | 401cc〜 | |
原付免許 | ◯ | |||
小型二輪免許 | ◯ | ◯ | ||
普通二輪免許 | ◯ | ◯ | ◯ | |
大型二輪免許 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
バイク免許というと、超ざっくり分けて中型バイクまで運転できる普通二輪免許と、乗れるバイクに制限のない大型免許の2種類がある。
俺は普通二輪免許、いわゆる中免しか持っていないんだけど、今から免許を取得する人には大型二輪免許を強くすすめたい。
理由は単純に乗れるバイクの幅が広がるから。
中型バイクの新車は選択肢が少ない
国内のバイク市場において、新車で買える車種はかなり限られていて中免で乗れる排気量126〜400ccに限れば、2024年記事執筆時点で30モデルほど。
30って聞くと多いと思うかもしれないけど、見た目がすべてのバイクにおいて30モデルは意外と少ない。
特によく映画やドラマで見るかっこいいバイクは大型に分類される場合が多く、俺もバイク屋の店頭でかっこいいと思ったバイクは、そのほとんどが排気量750cc以上で、中免では乗れないサイズだった。
購入段階で結果的に中型バイクを選ぶことになったとしても、選択肢は多くあって損はない。
バイクは排気量が大きいほど運転がラク
バイクは排気量が大きければ大きいほど、高速道路や上り坂での加速性能がよくなる。
加速がいいと、少しスロットルをひねっただけですぐにスピードを上げられるから追い越しが簡単だし、ギアを頻繁に上げ下げしなくていいから運転自体がラク。
今俺が乗っているGB350は上り坂で100km/hまでしか出ないから、高速道路だと追い越しがキツイ。
特に長距離ツーリングに出かけるような人は、体への負担も考えて大型バイクを選ぶのが無難だと思う。
俺がGB350を購入した理由は以下の記事で解説している。
【GB350新車乗り出し価格】中型バイクの値引きは激ムズ【バイク所有】
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社会人がバイクの免許を取るべき理由
車でええやんってバカにされがちなバイク趣味だけど、俺がバイク免許を取ってよかった点が以下。
- 免許取得のハードルが低い
- 50ccの原付はルールが厳しすぎる
- 旅行先で移動手段が増える
- 2人乗りができる
- 老後の趣味になる
- おじさんに好かれる
免許取得のハードルが低い
自動車免許を持っている人は、教習代に30万円、教習〜仮免〜試験で3・4ヶ月かかる、みたいな超めんどくさい免許取得の行程をイメージすると思うんだけど、バイク免許は自動車免許と比べて短期間かつ低コストで取得できるんだ。
ここでは忙しくて金がない社会人に向けて、バイク免許取得のハードルを一気に下げていきたい。
最短2週間で取得可能【通いで】
自動車免許をすでに保有している人の話にはなるんだけど、普通自動二輪免許は合宿じゃない教習所通いでも最短2週間あれば教習を修了できる。
もちろんこれは教習所の混雑具合や、教習所に通える頻度で大きく変わってくる。
ただバイク免許の教習は実施している教習所が限られるから、混雑して予約が取りづらかったりする。
俺が通っていた時はコロナ禍のバイクブームもあって、予約が取りづらく、なんだかんだで最初の教習から卒業まで1ヶ月半ぐらいかかった。
とはいえ自動車免許の時のように学科教習がほぼないから、かかる期間も半分以下でさくっと教習を終えられる。
教習が全体的にゆるい
声を大にして言えないから、ここだけの秘密にしてほしいんだけどバイク免許は教習から検定まで、全体的にゆるい空気に包まれている。
教習所からすると、メインの顧客は自動車教習の生徒だから人数が少なく単価も安いバイク教習にはあまり力を入れていないっぽい。俺が通っていた時も、教官が自動車教習の片手間でやってる感じを受けた。
それもそのはずで、自動車教習は公道のルールを一切知らない若者を相手にする一方で、バイクの教習はすでに公道で何年も運転経験のある大人を相手にするわけだから、教えることはほとんどない。
実際俺の時も、簡単な操作方法とコースだけ教えられて、あとは時間になるまでテキトーに走っといてって感じの自習みたいな教習が複数回あった。検定も超ゆるくて多分落とす気ないと思う。
もちろん教習所によるだろうから参考程度に読んでほしいんだけど、別の教習所に通っていた知人からも同じような話を聞いたから、そういう傾向にあるんだと思う。
取得費用は10〜15万円
超ゆるいバイクの教習だけど、自動車免許を保有していれば教習を含めた免許取得費用は15万円以下。
自動車免許取得費用の相場が40万円前後ってことを考えれば、かなり良心的。
それに家や土地、車や宝石と違ってこの先価値が変わらず、一生使える資格だと考えれば安いはず。
50ccの原付はルールが厳しすぎる
原付はあらゆるモビリティの中で最も制約の多い乗り物。原付にかかる制約が以下。
- 二段階右折
- 法定速度30km/h
- 左側走行
- 高速道路走行禁止
- 2人乗り禁止
- 自賠責保険加入
中でも特に二段階右折・法定速度30km・左側走行は原付独自のルールで、個人的には実際の公道走行に見合ってない謎ルールだと思ってる。
バイク免許取得のきっかけが二段階右折
俺がバイク免許を取得することになったきっかけがまさにコレ。原付で走っていた時に二段階右折違反で検挙されたことだった。
いきなり犯罪の告白?って思うかもしれないけど、バイク免許取得前の俺は原付が生活の足になっていて、近くのサウナとかスーパーへ行くにも原付で出かけていたんだ。
その日も普通にサウナへ行った帰りで、3車線の道を右折レーンに入って信号待ちしていたら、パトカーが俺の後ろに止まって、俺が右折するや否やお縄になった。もちろん二段階右折のルールは知っていたけど、田舎の道で律儀に二段階右折している原付を俺は見たことがない。
この瞬間俺は二輪免許を取って二段階右折から解放されてやると決意した。
51cc以上なら自由に走れる
原付を1ccでも上回れば、ほぼ車と同じように公道を走れるようになる。
だけど、もちろんそれには新たに免許が必要。免許取得にお金も時間もかかるけど、悪夢の二段階右折から解放されるなら15万円ぐらい安いもんだ。しかも免許だから一生使える。
今原付に乗っている人も、特に都会に住んでいるなら、きっといつか捕まるから二輪免許を取得して小型以上のバイクに乗り換えることを全力でおすすめする。
旅行先での移動手段が増える
国内旅行に行った時、現地での移動手段といえば電車・バス・レンタカーが一般的、最近は乗り捨てできるレンタサイクルも充実している。
ただ、電車とバスはインフラの整っている中規模都市でしかまともに機能していないから、地方の田舎や離島に行く場合は、自分で運転できる足が必要。
そんな時にバイク免許を持っていると、移動手段の選択肢が増えてめちゃくちゃ便利になる。
レンタカーが満車でもバイクなら借りられる
人気の旅行先ではレンタカーの予約合戦が熾烈を極める。大型連休の沖縄、北海道ともなると、直前ではまず予約できない。
沖縄の離島なんかでレンタカーがないと、それはもはや旅行の終了を意味する。
ところがバイクなら話が変わる。経験上、レンタカーが満車でもレンタルバイクは空いていることが多い。というか旅行先でレンタルバイクが満車で借りられないっていう経験を俺はしたことがない。
最近行った伊豆大島では連休だったこともあり、レンタカーもレンタサイクルもすべて出払っていたのに125ccのレンタルバイクだけが売れ残っていて難を逃れることができた。
それもこれも多くの人がバイク免許を持っていないから、原付以外のレンタルバイクは運転できる人が少なくて超穴場になっているんだ。
バイクはレンタル料が安い
レンタルバイクは予約が埋まりづらい上に、レンタル料も安い。
たとえば沖縄那覇を例にすると、格安レンタカーの代名詞ニコニコレンタカーで軽自動車が24時間4,730円なのに対し、那覇の格安レンタルバイク店であるプレジャー沖縄は125ccバイクが2,400円、250ccでも3,500円。
もちろん車は乗車人数が多ければ1人当たりの出費が減るし、そもそもレンタルバイク店の数が少ないっていうデメリットもあるけど、車両単体に関してはバイクの方がたいていレンタル料が安い。
ただし都内ではバイク自体のレンタル料が高額な上、オプションの保険料も車より高いからレンタカーの方が安くなる。
バイクは渋滞知らず【非推奨】
俺はまったく推奨しないんだけど、バイクは渋滞をものともしない。
渋滞中の国道や高速道路で車の間をビュンビュンすり抜けていくバイクをよく見かける。
すり抜けていくバイクを見ていると、バイクは交通渋滞の影響をほとんど受けない乗り物だとわかるはず。
当然ながらすり抜けはいろんなリスクを伴うから、免許取得直後の技術が未熟なうちは特におすすめしないけど、バイクには渋滞を無効化する可能性があるということを知っておいてほしい。
2人乗りができる
普通二輪免許を取得することで乗れるようになったバイクは2人乗り、いわゆるタンデム走行が可能になる。
これまで原付しか乗ってなくてツーリングデートができなかった俺は、新しいステージに進めたと歓喜した。
デートじゃなくても友達を後ろに乗せて街中を走るのは、どこか懐かしい感じがして悪くない。
首都高の一部区間は2人乗り禁止
首都高ツーリングデートでレインボーブリッジを渡りたかった人には悲報だけど、首都高は一部タンデム禁止の区間がある。
というか残念なことに、東京のど真ん中にあたる東側の23区はほぼタンデム禁止区間になっている。
だからタンデムで新宿や丸の内のビル群、東京タワーやスカイツリーを間近で見たいなら、大量の歩行者にまみれた下道を走るしかない。
個人的に東京は少し走るだけで街の景色が変わっておもしろいから、下道で走るのがおすすめ。
タンデムにおすすめのインカムは以下の記事で解説している。
【OMMQ S11レビュー】ささやいてくるゴミ【格安バイクインカム】
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老後の趣味になる
バイクは年をとっても乗れる。
全身で風を切って走るバイクは体力がないと扱えなさそうに見えるんだけど、実際にはさほど体力は必要ない。
現に日本では、しばらくバイクから離れていたけど定年を迎えてまた乗り始めるリターンライダーがうじゃうじゃ街を走っている。
バイクの運転は体力より危機回避能力
バイクに乗っている年寄りみんながゴリゴリに体を鍛えているわけではない。
必要なのは体力や筋力ではなく、危険を回避する心構えとトラブル対応の知識。
確かに万が一バイクが転倒した場合に自力で起こせるぐらいの筋力は必要だけど、バイクを起こすのはコツさえ掴めば意外と簡単。バイクを起こすコツについてはYouTubeにいくらでも動画があがっている。
最も大事なのはそもそも事故らないような運転をすること。若者ならまだしも、年を取ったらイキった運転は卒業すべき。バイクは別に峠を攻めたりスピードを出さなくても十分楽しい乗り物だと考え
バイクは1人で楽しめる
老後は多くの人が孤独に陥る。
学生や社会人時代に親しかった人とも疎遠になったり死別したり、さらには若い時のように動き回ることもできなくなっているのが、老後の65歳以降。
そんな年老いた後でも1人でできる趣味があれば、孤独にさいなまれなくて済む。
バイクは基本的に孤独な乗り物だけど、走っている間は自分だけの世界に没入できるから、孤独であることを忘れられる。
俺がジジイになって暇になり、遊び相手もいなくなった時はバイクに乗ってどこかへ出かけようと思う。
今から取るなら大型免許がおすすめ
もしこれからバイク免許を取ろうと思っているなら、圧倒的に大型自動二輪免許がおすすめ。
大型二輪免許なら乗れるバイクに制限がないから、バイク購入やレンタル時に好きな車種が選び放題になる。ただでさえバイクは車より車種の少ないんだから、選択肢は多いに越したことがない。
最初から大型にしとけば、教習料金も安くなる。中免を取った後に大型免許を取ろうとすると、最初から大型免許を取得するのに対し、3〜4万円は割高になるんだ。
バイク購入段階で後悔する
教習所に申し込んだ当時は俺も「どうせ250ccのバイクしか乗らねーし、大型免許とか金の無駄でしょ」って思っていた。
ただ実際にバイクを購入しようと思って車種を調べていると、かっこいいと思ったバイクはほぼ大型。逆に中型以下は選択肢が少ないから、どうしても他人とかぶってしまうから、購入に対して前向きになれなかった。
大型に対するコンプレックスが生まれる
バイク購入を本気で考え出すうちに、いつの間にか「バイクといえば大型だっぺ」みたいな考えになった俺は、ツーリング先で大型バイクを見かける度にコンプレックスを抱くようになった。
本当は大型に乗りたいけど、免許がないから乗れないっていうのは悔しい。
これが大型免許を保有しつつ、中型バイクに乗っていればコンプレックスを抱かなかったと思う。乗れるけど乗らないのと、乗れないから乗らないは心持ちが全然違う。
最低でも中免を取るべき
大型二輪免許は教習代が高いからちょっと・・とか、体が小さいからどうせ大型は乗れないって思っている人もせめて普通二輪免許(中免)を取るようにしてほしい。
というのも二輪免許は中型より排気量の少ないバイクに乗れる「小型二輪免許」という区分があり、これは排気量125ccまでのバイクに乗ることができる。
確かに125ccのバイクは軽くて安くて2人乗りもできるから、超使い勝手のいいサイズのバイクではあるんだけど、教習料金が中免と2-3万円しか変わらない上に、125cc以下と126cc〜400ccでは世に出回っているバイクの種類も大きく変わってくる。
だからこれからバイク免許を取る人は、せめて普通二輪免許の教習代を確保できるよう節約に努めてほしい。
バイク乗りのほとんどが高齢者
街を歩いていても、旅先の観光地に行っても見かけるバイク乗りはおっさんばかり。残念なことに、年齢不相応にイキったおっさんもそれなりにいる。
実際に2023年度の市場動向調査によると二輪車購入者のうち、50代以上が71%、40代以上となると87%にのぼり平均年齢は55.5歳と、完全にバイクはおっさんの独占市場。
30代の俺ですらバイク乗り界隈では若造扱いなんだ。
バイクに乗る若者が増えている
まるでバイク市場が廃れていってるかのような書き方をしたけど、実はバイクに興味を示す若者が近年増えている面もある。
警察庁の統計では、20代の二輪免許の新規取得者は2017年以降伸び続けている。
俺が教習所に通っていた2020年頃も若い人が多くて、特に若い女性ライダーが多かったのに驚いた記憶がある。
バイクはいくつになっても楽しい
何が言いたいかというと、バイクは年齢に縛られる趣味じゃないということ。
確かに夏は暑くて冬は寒いけど、座ってスロットルをひねれば勝手に走ってくれるから、老若男女誰もが風を切って走る快感を楽しめる。
実はこういう年齢を問わない趣味って意外と少ないんだ。今若い人は長くバイクを楽しめるし、中年・高齢者なら新しい仲間を増やすいい機会にもなる。
一生使える便利な資格
免許のいいところは一生放置しても消えないところ。
TOEICとかの資格と違って、バイク免許は失効しないし取得日がはるか昔でも問題なく使える。
バイク免許に関しては最悪取ったら取りっぱなしでもOK。死ぬまでにどこかのタイミングで利用できればそれで十分。
バイク免許持ってるってだけで話のネタにもなるし超使える。
迷うなら取ってしまえばいい
お金がーとか、時間がーとか言って悩んでいる暇があれば、とりあえず教習所に申し込んで気長に通ってしまっていい。
教習は最長9ヶ月まで期間を引き延ばせるから、「ツーリング行くか」ぐらいの暇つぶし程度に教習へ行ってバイクの練習でもしてくれば、そのうち手元に免許が届いている。
もし少しでも興味があればバイク免許の取得を考えてみてほしい。
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