4月の次に転勤が多いと言われているのが10月。
ということは、引っ越し業者にとって9〜10月は1年で2番目に忙しい時期。
そんな繁忙期に東京から名古屋へ引っ越すことになったんだけど、つい先日引っ越し業者との交渉がまとまり、それなりに安い金額で着地できた。
今回は俺が実際に行った引っ越し業者との交渉手順と交渉のコツをまとめる。引っ越し代を少しでも安くしたい人は参考にしてほしい。
-
【名古屋で車を持たずに生活する方法】車は金食い虫【必要ない】
続きを見る

引っ越しの前提条件

引っ越し準備を進めるにあたって、転居先を決めた次にやることが引っ越し先に運ぶ荷物の選定。
どこに何を運ぶか決まっていないと、引っ越し業者も見積もりのしようがない。
そこで今回俺が新居へ運び出す荷物が以下の通り。
- ドラム式洗濯機
- 電子レンジ
- 冷蔵庫(2ドア)
- デスクチェア
- 23インチモニター
- 折り畳み自転車
- ゴミ箱45L
- 段ボール15箱
ベッド・マットレス・机はそれなりに使用年数が経過していたのと、使い心地に不満があったから、これを機に買い替えることにした。
ベッドやソファがない分、1人暮らしとしては荷物が少なめ。とはいえ、ここにベッドが追加されても大きく料金は変わらない。理由は後述する。
-
【シングルベッドをダブルに拡張する方法】フレーム交換の必要なし【DIY】
続きを見る
引っ越し料金は距離と台数で決まる

一般人にとってブラックボックス化している引っ越し料金の決まり方だけど、ネットで調べたり直接引っ越し業者に聞いたりしたら、ある程度は見えてきた。
まず1つ目が自宅から新居までの距離。当然だけど、引っ越し先が遠ければ遠いほどトラックの燃料や人件費、高速代がかかるから高くなる。業者によってエリアごとに料金が決まっているらしい。
2つ目がトラックの台数。大型家具などの荷物が多いとトラック1台で運べなくなり、増便が必要になるから料金が跳ね上がる。
荷物の量は一定水準まで影響しない

ということはトラック1台に乗る量の荷物であれば、いくら多くなっても料金に大きく影響することはない。
ただし、業者によっては他の人の荷物も一緒のトラックで運ぶ「混載便」というプランがあって、通常の引っ越しより少し安くなる場合がある。
とはいえ混載便を利用すると、荷物を搬出してから引っ越し先に届くまで日数が空く場合があって、自分の宿泊代が余計にかかったりする。
今回俺は混載便を利用したんだけど、どの業者に聞いても上で書いた荷物にベッドが追加されたところで料金は変わらないってことだった。
過去の引越し料金

過去に引っ越し経験があれば、ある程度の相場を予想できる。俺の場合は以下の通り。
- 三重→東京:0円 自分で引っ越し(9年前)
- 東京→名古屋:4.3万円 会社負担(5年前)※家具なし
- 名古屋→金沢:4.3万円 会社負担(4年前)※家具なし
- 金沢→東京:6.2万円 アート引越センター(3年前)
会社負担の引っ越しは法人契約によって割安になっているだろうから、この中で参考になりそうなのは3年前の金沢→東京間6.2万円。
今回は金沢より距離が短いとはいえ、荷物が多くて物価も上がっているから6〜7万円、良くて5万円台後半で着地すると予想。
一括見積りサイトを利用する

相見積もりは必ずするとして、今まで俺は各社の公式サイトから、直接見積もりをとっていたんだけど、今回は初めて一括見積りサイトを利用した。
今まで一括見積りサイトを利用しなかったのは、単純に複数社から一気に電話がかかってきたら面倒だったのと、一括見積りサイトの個人情報管理が怪しいと思っていたから。
ただ、もはや俺の電話番号は不動産売買とかの業者にリスト化されて出回っているっぽくて、定期的に営業電話がかかってくるから今さら気にする必要もないと考えた。
引っ越しが一段落したら、登録していない番号からの電話は再び無視する。
依頼先を選定できるサイトがおすすめ

サイトによっては、そこに登録している業者十数社へ否応なしに一斉に見積り依頼をかけないといけないことがある。
十数社ともなると1日中電話が鳴り止まなくて、1社1社に荷物量や引っ越し先などの情報を伝える羽目になり、落ち着く暇がなくなってしまうことは容易に予想できる。
今回利用した一括見積りサイトは、自分で良さげな5社を選んで依頼をかけられるから、ある程度じっくり検討できておすすめ。
業者が5社から10社に増えたところで、ほとんど料金が変わらないのはいろんな人の話を聞いて把握済み。
直接依頼した方が安いケースもある

とはいえ一括見積りサイトを運営している会社も商売である以上、引っ越し業者から掲載料をとっている。
引っ越し業者からすれば、直接注文を受けた方が余分なコストがかからないから、直接注文してきた客を優遇するケースが存在する。代表的なのがアート引越センター。
公式サイトから直接見積り依頼をすれば、30%オフになる。
さらに楽天リーベイツを経由すれば楽天ポイントがつくから、今回俺はアートのみ直接見積り依頼した。
オプションの料金は事前に聞く

見積もり依頼をすると基本的には即日電話がかかってくるんだけど、その過程で大事なのはオプション料金の有無を事前に聞くこと。
大抵の場合、洗濯機取付・エアコン取付・翌日搬入(直行便)・共用部全面養生などは別途料金が発生するオプションとなっていることが多い。
これらのオプションを利用する予定であれば、見積りに含まれているか事前に確認しないと、いざ業者が決まって注文する時に後から上乗せされる可能性があるから気をつけてほしい。
実際の相見積もりの行程

見積り依頼したら、あとは1社ずつ対応していくだけ。
対応といっても、ただ聞かれたことに答えていくだけだから何も難しいことはない。ただ、毎回同じ情報を伝えないといけないのが非常にダルいから、そこだけは覚悟が必要。
ここからは俺が実際に見積りをとった各社から得た内容を解説する。
【1件目】引越し本舗

真っ先に電話を鳴らしてきたのが引越し本舗。多分、見積り以来のボタンを押してから1分ぐらいで電話してきたと思う。
荷物量・日程・引っ越し先などの事前情報を伝え、最初に提示されたのが洗濯機取付ありで15万円。
まだ安くできるか聞いてみると、時間指定なし・混載便であればという条件で7,88万円まで下がった。
当初の想定より少し高いぐらいだけど、大胆に「5万円切ったら即決する」と言ってみたら、さすがに厳しいと言われた。1社目なので、とりあえず検討する旨を伝え電話終了。
【2件目】アート引越センター

1件目の電話中に着信が何件か入っていたけど、電話が切れた直後にちょうどアート引越センターから電話がかかってきた。
前回の引っ越しでも相見積りをとった数社中、アート引越センターがダントツで安かったから、かなり期待していた。
もろもろの条件を伝えた後、提示された金額は9万円。まだ高い。
そこからのやりとりで
俺「まだ安くなりますか?」
アート「予算はいくらですか?」
俺「5〜6万円で考えていました。」
ここでお決まりの、上司に相談→保留が入り、最終的に提示されたのは5,8万円だった。
かなり安くなった。やはり30%オフが効いているっぽい。当初の想定より安いから目標は達成したけど、相見積りはここからが本番。
この金額を武器に他社と交渉すれば、さらに安くなる可能性があるため、検討することにして電話を切った。
【3件目】ハート引越センター

次に着信履歴から電話を折り返すと、ハート引越センターにつながった。
提示価格は12万円。他社で5.8万円を叩き出していることと、5万円切ったら即決する旨を伝えたけど、これ以上は安くならないってことだった。
この時点で、アート引越センターの金額が相場よりかなり安いということが判明した。あの青い作業着がちらつき出す。
【4件目】Kスタッフ

次に連絡したのがKスタッフ。まったく聞いたことがない業者。
とはいえ、バイトの作業員が作業する以上、内容は大して変わらない。最初の提示額は12万円。これはもちろんフェイク。
他社と同じようにアート引越センターで5.8万円が提示されていることを伝えると、「5.5万円でどうですか?」と言われた。
相見積りの旨味を引き出した瞬間だった。おそらく5万円を切るのはどこも難しいだろうということはわかっていたから、ここで決めてもよかったけど、あと1社着信が入っていたから、それを聞いてからでもまだ遅くない。
翌日中に決めると伝えて、電話を切った。
【5件目】アリさんマークの引越社

最後に連絡したのがアリさんマークの引越社。
提示されたのは17万円。高すぎ。
期待は薄いけど、一応他社で5.5万円だと伝えると、勝負できないと悟ったのか即答で無理だと言われた。
やはり5.5万円は破格らしい。もう時間が遅かったから、翌日Kスタッフへ再度連絡することに決めて電話を切った。
悩んでいるフリをして再連絡

翌日になり、他社の見積り結果が高かったことを悟られると足元を見られて値上げされる可能性があると思ったから、念の為まだ悩んでますよ感を出しつつKスタッフへ電話した。
俺「昨日の見積りの件ですけど、洗濯機取付込で5万円は厳しいですか?」
Kスタッフ「そうですね、日程的にこれ以上は難しいです。」
俺「じゃあ5.5万円よりはどうしても下がらない?」
Kスタッフ「はい。」
いきなり5.5万円の見積りがまだ生きているか聞いてしまうと、「あれからトラックの空きがなくなって高くなった」とか言われかねない。
無理だとわかっていながら値引きを頼み、まだ5.5万円の見積りが有効であることの言質を遠回しに取り付けつつ、注文を確定した。
最終の見積書はメールでもらう

Kスタッフと電話していると、どうやら注文書などは存在しないらしく電話で注文が完了するってことだった。
それだと、引越直前でいざ請求書が届いた時に料金に相違が発生しかねないと思ったから、電話が終わったら見積書をメールで送ってくれと頼んだ。
慎重すぎると思われるかもしれないけど、お金に関することは文章で記録するのがビジネスの常識。
交渉のやりとりは電話でもいいけど、引っ越しでは金額が確定したら必ず文面を送ってもらうよう徹底してほしい。
相見積もりで早めに相場を掴む

今回俺が格安の引っ越し料金を勝ち取れたのは、何と言っても相見積りで早めに相場を掴んだから。
相場を掴めば、無茶な金額をふっかけられても相手にしなくて済むし、逆にこっちからも馬鹿みたいに安い金額を持ちかけて交渉の土俵に上がれなくなるのを防げる。
相見積りは当然の権利

たまに業者の心象を気にして、相見積りに抵抗を抱く人がいるけど、それは大いに間違っている。
引っ越し業者がこの世に何十社と存在する以上、向こうも相見積りを想定しているから、相見積り自体はなんとも思っていない。
というか、営業からすれば相見積りなんて常識であって、1社でしか見積りしない客はカモでしかないんだ。これは賃貸物件を契約する時も同じ。
賃貸物件の初期費用を安くするコツは以下の記事で解説している。
-
【一人暮らし】賃貸物件の初期費用を簡単に10万円以上安くする方法
続きを見る
相手の電話で即決はダメゼッタイ

業者によっては、この電話で決めないと引っ越し料金が上がってしまうとか言って、決断を急かしてくる場合があるけど、無視していい。
相見積りをとらせたくないから、即決を求めているんだろうけど、それはぼったくりを自覚しているからこその行動だから悪徳業者の可能性が高い。
悪くない金額だとしても、その場で決めるのではなく一旦保留してかけ直すのがセオリー。
口調は丁寧を心がける

引っ越し業者複数社とやりとりしているとめんどくさくなって、つい適当な対応をしがちだけど、そこは我慢して丁寧な口調かつ敬語を徹底してほしい。
相手も人間だから、誠意に欠ける人には本気で対応してくれない。こっちが業者を選べるのと同じで業者も顧客を何人も抱えている。
乱暴な対応をしてくる客は、クレーマー予備軍と判断されて交渉余地を与えてくれなくなる。
対等の立場だということを自覚し、相手の状況にも配慮することが交渉においては重要。
ネットの相場は当てにならない

ネットで引っ越し料金の相場を検索して、実際に見積りをとってみたら高すぎてびっくりする人もいると思うけど、ネットの相場はほとんど当てにならないんだ。
というのも、ネットの相場は大手の単身パックの料金であって、家具家電の運搬なしを想定している。
結果、相場からかけ離れた金額を目標に設定して、業者から相手にされず、向こうの限界ラインを探れなくなる事態に陥ってしまうから注意が必要。
交渉するだけで70%オフ

今回俺は1番高い見積額から3分の1以下まで料金を下げることにしたわけだけど、何もこれは俺が交渉に長けていたからではない。
ここまで読んでもらえたらわかるように、ただ相見積りをとって、予算を正直に伝えただけ。
それだけで引っ越し代が大幅に下がるんだから、知っているか否かの差はデカい。
引っ越しは金銭感覚がバグる

引っ越しは賃貸契約から家具家電の購入まで、高い買い物が連続するから金銭感覚がおかしくなりがち。
金銭感覚がバグったまま、引っ越し代について「そんなものか」で片付けず、ちゃんと相場を理解して適正価格になるよう交渉に挑んでほしい。
引っ越しはタスクが多すぎて嫌になるけど、ただでさえ出費がかさむ一大イベントだからこそ、やれることはやっておきたい。
この記事がこれから引っ越しに臨む人の参考になってくれた嬉しく思う。
-
【一人暮らし】賃貸物件の初期費用を簡単に10万円以上安くする方法
続きを見る
-
【名古屋で車を持たずに生活する方法】車は金食い虫【必要ない】
続きを見る