テント泊で登山する時に荷物を最小化する目的で購入したフィールドアのエアーマットが、登山に限らずあらゆる場面で活躍しまくっている。
そこで今回は愛すべきフィールドアのウルトラライトエアーマットをレビューし、全人類が持つべき理由を解説したい。
キャンプ・登山用のマットを検討している人や災害対策を考えている人は参考にしてほしい。
フィールドア ウルトラライトエアーマットが万能すぎ
まず初めに公式が発表しているウルトラライトエアーマットの基本スペックは以下の通り。
使用時サイズ(約) | 長さ:196cm 幅:56cm 厚さ:6cm |
収納時サイズ(約) | 直径:10cm 高さ:22cm |
重さ(約) | 520g |
実はこの表を見るだけで、ウルトラライトエアーマットの優秀さがよくわかるんだけど、実際の使用感や見た目に関しても詳しく見ていく。
フィールドアの商品は基本的にコスパが良い
フィールドアは東京に拠点を置く株式会社クローバーという会社が手がけるアウトドアブランド。
実店舗を持たず、すべての商品をネットショッピングでのみ販売しているから他の大手量産型メーカーと同等以下のコストで、高品質な製品を展開している。
基本的にフィールドアの製品にハズレはないと思っていい。下手に安価な中華製アウトドアグッズに手を出すより、値段が大きく変わらないならフィールドアの製品を選んでおいた方が無難だといえる。
フィールドアの代表的な製品としてはタープテントが有名で、俺もテントサウナを自作した時お世話になった。その時の苦闘は以下の記事でまとめているからよかったら読んでほしい。
【神コスパ】タープテントでテントサウナを自作する手順と注意点
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ウルトラライトエアーマットは超コンパクト収納
ウルトラライトエアーマットの真骨頂は、収納時のサイズにある。
iphone13の箱と比べみる。
ほぼ変わらない大きさ。次に2Lペットボトルと比較してみる。
やはり小さい。これまでのマットの常識をひっくり返すほどコンパクトさが異常。見た感じ女性用のメイクポーチぐらいのサイズしかない。つまり女性用ブランドバッグにも余裕で入ってしまう。これなら職場でトイレに行くフリして、こっそり横になって爆睡できる、場所があれば。
俺が以前使っていたキャプテンスタッグのマットととも比較してみた。
一目瞭然とはまさにこのこと。当たり前だけど、収納力のあるウルトラライトエアーマットと普通のマットでは、同じマットでも長さにして30cm以上ものサイズ差が生じてしまう。
普通のマットはパッキングがほぼ不可能
そもそも、発泡素材を使用した定番のマットをザックの中に収納することは、多くのキャンパー・登山者が諦めているのが現状。
それもそのはずで、下の画像は登山やキャンプで定番中の定番「サーマレスト」というマットなんだけど
多くの登山愛好家に愛されるサーマレストですら収納時に51cmもの長さがある。
もしサーマレストをザックの中にパッキングしたら、ザック容量の大部分を占めてしまって肝心の水分や食料を持っていけなくなる。
マット外付けは目立つ
そうなると、マットを目立ちやすいザック外側の側面や底にくくりつけて持ち運ぶことになる。
もちろん周りの目なんてまったく気にしないぜって人は問題ない。ただ、都心に住んでいれば、キャンプへ行くためにザックを背負って電車に乗るシーンも考えられる。
その姿は「今から私キャンプしてきます!」って感じが前面に出まくっててちょっぴり恥ずかしいと俺なら思ってしまう。
ウルトラライトエアーマットはその存在を忘れられる
上で述べた通り、500mlペットボトル以下の大きさしかないウルトラライトエアーマットであればザックに余裕で入るし、奥の方に入ってたら存在に気づかないレベルで小さい。
もちろん外付け不要だし、ビジネスバックやトートバッグにすら余裕で仕込めるから、キャンプ以外の用途にも活用できる気すらしている。
長身にも対応する長さ196cm
ウルトラライトエアーマットは異常なほどコンパクトに収納できるくせに使用時の長さは196cmと、成人男性を頭からつま先までしっかり支えてくれる。
文部省の調査によると、17歳男性の中で身長180cm以上の人は全体の約7%以下らしい。18歳以降、多少背が伸びることを考えても196cmという長さは男性の90%をカバーできると考えられる。
余る部分は折り返して枕化
とはいえ、日本人であれば身長175cm以下の人が大半だろうから、多くの人がウルトラライトエアーマットの全長196cmを持て余すはず。
169cmしかない俺もそのうちの1人。
そんな時は、頭の方にある余った部分を折り返して、枕を作ってしまおう。
テント内を広く使うこともできて一石二鳥だ。
寝心地はマット以上布団以下
肝心の寝心地だけど、俺が以前使っていたキャプテンスタッグの一般的なキャンプ用マットと比べると、圧倒的に柔らかくて気持ちいい。
弾力もあって、仰向けに寝てもしっかり身体を包み込んでくれる感覚。もちろん沈み込み過ぎて、腰や頭が地面についてしまうということはない。
もちろん家の布団やベッドと同じ寝心地を再現できるほどではないけど、屋外の固い地面の上でここまで快適に寝られるなら十分すぎる。
生地の質感がいい
ウルトラライトエアーマットは、質感のいいサラサラした生地を使用している。
この生地は撥水加工で汚れが付きにくく衛生的だし、丈夫な作りに安心感がある。
実際に結露でテント内が湿っていても、マットが濡れて冷たいって思いをした経験は今のところない。
寝返りは不可能
ウルトラライトエアーマット使用時の幅は56cm。
残念ながら、キャンプ中にテントの中で寝返りを打つと固い地面に投げ出されてしまう。
寝相の悪い人は身体の横に荷物を置くなりして、就寝中にマットからはみ出さないように工夫が必要。
とはいえ、アウトドア用のマットで寝返りを打てるほど幅の広い商品は、収納サイズもそれだけ巨大になるから、携帯性と寝返りのどっちをとるかって問題になる。
クッションには使えない
アウトドア用マットをクッション代わりにする人が多いかわからないけど、残念ながらウルトラライトエアーマットにその大役はこなせない。
というのもエアーマットの構造的に、1か所に集中して重みをかけると地面についてしまうんだ。
つまりウルトラライトエアーマットに座り込むとお尻が固い地面についてしまう。横になる分には体重が分散するから、ちゃんと地面から浮けるんだけど、クッション
空気の出し入れ簡単
ウルトラライトエアーマットは空気を入れる時に特殊なツールは一切必要ない。
マットの端っこにあるこの空気穴の
手前にあるフタを開けて
直接息を吹き込んでやるだけ。呼吸の深さにもよるけど、おおむね10〜15回ほどでパンパンになる。
一方、使い終わって空気を抜く時はさっき開けたフタの反対側から
指を引っ掛けて開ければ
勢いよく空気が抜ける。この時点で9割がたの空気が抜けているから、あとは穴のある方と反対側から、マットを丸めればOK。
丸めたマットはM字に折りたたんで、
買った時についてくる弁当箱のフタを閉めるゴムみたいなバンドで縛り、
袋にぶちこんだら終わり。
慣れれば撤収には1分とかからない。撤収が早ければその分、朝優雅に過ごすことができる。この早さで周りのキャンパーを置き去りにしろ。
エアーマットは穴が空いたら終わり
エアーマットの宿命であり、最大の難点がコレ。
キャンプ場でいざ使おうと思ったら穴が空いてて使えませんでした、なんて怖すぎ。
いやキャンプ場ならまだマシで、最悪近くのホームセンターへ買いに行ったり管理者から借りられる。
やばいのはテント泊登山だ。マットなんて誰にも借りられないし、当然すぐに山を下りて買いに行くこともできない。そうなれば一睡もできず登頂を諦めて、翌朝下山するハメになる。悲しい。
一応俺はすでにウルトラライトエアーマットを30回以上使っているけど、まだ穴が空いたことはない。
【重要】使用前に点検しておく
どれだけ厳重に管理された生産ラインにもミスは生まれる。ペヤングのゴキブリ混入がいい例だ。
凍えながら地面に直で寝る事態を避けるためにも、実際に外で使う前に自宅で膨らませて点検しておくのがおすすめ。
リペアシートがついてくる
穴が空いてたらなんて恐ろしい話をしたけど、マジで穴が空いた場合には購入時についてくるリペアシートが使えるっぽい。
俺が購入した時はそんなサービスなかったか、すぐ捨ててしまったのか手元にないんだけど、これから購入する人はウルトラライトエアーマットと一緒にリペアシートも携帯すれば安心。
俺みたいにそんなシート捨てちまったんだわって人には、携帯できる布テープがおすすめ。小さいからザックに入れておいても場所をとらない優れもの。いろんな場面で使える。
ウルトラライトエアーマットの用途は無限
ウルトラライトエアーマットはその携帯性と使いやすさから、キャンプや登山以外にもあらゆる場面での使用が可能。具体的には考えられるのは以下のシチュエーション。
- 早朝便に搭乗する際の前日空港泊
- 長距離運転時の車中泊
- 来客が宿泊する寝床提供
- 災害時の避難所生活
- 自宅での筋トレ
空港泊については、特に実用性が高い。
今後海外旅行に行く機会が増えるだろうから、始発で間に合わないような格安LCCの早朝便を予約して、前日の終電で空港に着き、ベンチで眠らないといけない時なんかに大活躍するだろう。
できるだけ荷物を減らしたい旅行時に、ウルトラライトエアーマットのコンパクト性は強すぎる。いずれ早朝便で海外に行く際はぜひ使ってみたい。
ちなみに、俺の家は床がフローリングな上に、寝床がシングルベッド1台しかない。先日友人が泊まりに来た時、ウルトラライトエアーマットを貸してあげたんだけど、大変喜んでくれた。チョロい。
災害対策にも有効
日本に住んでいる以上、いつ被災するかわからない。
もしかしたら明日地震が起こり、近所にある小学校の体育館で急に寝泊まりしないといけなくなるかもしれない。
そんな時、ウルトラライトエアーマットがあれば固くて冷たい体育館の床で寝なくて済む。
柔らかいマットの上で寝られるだけでも、体力の回復度が段違いだから生存確認を上げられるハズ。
もし俺が被災したら、ウルトラライトエアーマットとシュラフをザックに詰めて快適な避難所生活を満喫してやるつもり。
1人1つ持っとくべき
ここまで汎用性が高いとわかった以上、キャンプや登山をしない人でも、全人類が1人1つウルトラライトエアーマットを持っておいた方がいいのではないかと個人的には思う。
ウルトラライトエアーマットが人類の生存能力を格段にレベルアップさせる。
俺はこいつのおかげで、何が起ころうがいつでもどこでも寝られる。