8月のお盆休み真っ只中に大キレット経由で槍ヶ岳に登ってきた。
2泊3日にも及ぶ大掛かりな山行だったから、装備の選択にはそれなりに苦労したんだけど、ただ記憶にとどめておくのももったいないということで、記事として形に残しておきたい。
今後同じルートで登山する人の参考になればうれしい。
槍ヶ岳・大キレットのコースと行程
まずは今回の登山で実際に俺が辿ったコースを解説する。
上高地発着の周回ルート【総距離42.6km】
自然をありがたがる人達の観光地として有名な、長野県松本市の上高地を起点として反時計回りに槍ヶ岳〜大キレット〜北穂高岳を経由するコース。
地図に反映したものが以下。
見るとわかる通り、3日間とも1日中ほぼ歩きっぱなしのかなり登りごたえのあるコース。
お盆休みの最中だったこともあって、槍ヶ岳頂上付近の登山道は大渋滞していた。
大キレットの危険度は国内屈指
キレットは漢字で切戸と書き、深く切り立った尾根のことをいうんだけど、普通の尾根より道が細いから、滑落したら大事故につながる危険な箇所。
中でも大キレットは国内屈指の難易度と呼ばれていて、毎年滑落する事故が起きている。だから、大キレットを避ける人も多く、俺が登った時は混雑期にも関わらず2〜3人しか遭遇しなかった。
実際、一歩でも足を踏み外すと100m以上滑落してしまうような箇所を何度も通過しないといけなくて、超怖い。大キレット通過中は常に緊張状態だった。
ヘルメットは必須。
ザックは60Lの格安PBを使用
登山装備で重要な役割を果たすザック。
今回の登山で俺が相棒として選んだのは、過去に記事で紹介したこともある、VISION PEAKSのSKY60。
VISION PEAKSはヒマラヤスポーツのプライベートブランドだから、他の登山メーカーが出しているザックと比べて破格。
それでも登山ザックとして必要最低限の機能は兼ね備えている、そこそこ優れものなんだ。
詳しい使用感は以下の記事で解説しているから、よかったら参考にしてほしい。
【ビジョンピークス、スカイ60レビュー】格安ザックで本格登山
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60Lザックで2泊3日テント泊はギリギリ
テント泊登山において必要なザックの容量は最低でも60Lと言われている。
それにならい俺もテント泊の時はSKY60を使用していたんだけど、さすがに2泊3日ともなると、食料などがかさみ、最低容量の60Lザックでは厳しいものがあった。
小屋泊なら余裕だと思う。
靴・着替え・衣類
前提として、宿泊が伴う登山で服を毎日新しい物に替えることは、荷物削減のためにしない。
もちろん汗臭くなるけど、どうせ替えたところですぐ大量に汗をかくし、ほぼ外にいるんだからそこまで気にならない上に、誰に迷惑をかけるわけでもない。
雨に打たれた時の低体温症対策を考えて、インナーをそれぞれ1枚予備として忍ばせておけばOK。
ミドルカットのトレッキングシューズ
登山を始めた頃から、かれこれ5年以上愛用しているメレルの登山靴「MOAB」。
購入時は深く考えずにミドルカットを選んだんだけど、今では大正解だったと思う。
というのも岩稜地帯を通過するような槍ヶ岳のような山では、くるぶしを岩にぶつける。靴がくるぶしまで保護してくれていたら、怪我のリスクが下がるし、急な雨天時にも靴が浸水しにくい。
ローカットだったら今頃おれのくるぶしは凹んでいたと思う。ちなみに登山靴は絶対に防水がいい。
サンダル
テント泊ではトイレ・食事その他もろもろ、何をするにしてもいちいち屋外に出ないといけない、
その度に靴下と登山靴を履くのはダルすぎるから、サンダル必須。サンダルなら何でもいいと思うけど、できるだけ小さく収納できるヤツがおすすめ。
俺はモンベルのソックオンサンダルを使っていて、これは海外旅行時の飛行機内でも使ってる。
つば付きの帽子
紫外線・頭皮乾燥・熱中症対策のため長期登山では絶対に必要。
つば付きなら何でもいいと思うけど、野球帽タイプなら帽子を被った上からヘルメットも被れるから楽だし衛生的。
コンプレッションシャツ長袖 2枚
行動時のインナーにはコスパ最強でお馴染み、おたふく手袋のコンプッションシャツ(長袖ハイネック)を選択。
長袖のインナーであれば、日焼けもそうだけど、植物によるカブレや擦り傷を防げる。
たまにタンクトップで登山する人がいるけど、日差しの強い場所では肌を露出すると逆に暑いし、紫外線は体に良くないからやめた方がいいと思う。薄い生地で体を覆うのが得策。
登山では着ないより着る方が涼しいことまである。
【テントサウナの服装】コンプレッションウェアなら濡れても平気【ボディタフネス】
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速乾性の半袖ポロシャツ
ワークマンで見つけた「DRYストレッチ半袖ポロシャツ」をコンプレッションシャツの上に着用。
すぐ乾くし汗をかいても臭くなりにくいし、生地が伸びて動きやすいし、軽い。最高の作業用シャツ。
ただ、オンラインショップでは取り扱いがなく、ワークマン女子等の店舗まで足を運ばないと購入できない。
このポロシャツ1枚を3日間ずっと着用し続けた。もはや相棒。
スポーツタイツ 2枚
登山で短パンだけだと危険過ぎる。かといってロングパンツは動きにくい。そんな時に活躍するのがスポーツタイツ。
登山シーンでは定番化しつつあるけど、今回の登山ではアンダーアーマーの少し良いスポーツタイツを着用した。
足は腕以上にぶつけて怪我をしやすいから、薄すぎるスポーツタイツだと若干不安、ということでコンプレッションに定評のあるブランド品を利用。ちなみにおたふく手袋のタイツは超薄いから注意。
ショートパンツ(ベルト不要)
タイツの上に履くショートパンツ。
確かユニクロで買ったやつ。登山で着用するショートパンツは荷物軽減のために、ベルト不要のものがいい。
靴下 2足
モンベルで買った、くるぶし上くらいまである靴下。
生地が厚めで乾くのも早いから、アウトドアでは長年愛用してる。登山では厚い靴下の方が、足の疲労を軽減できておすすめ。
下着 3枚
エアリズムボクサーパンツが至高。すぐ乾くし臭くならない。
背抜き手袋
岩場や鎖場を通過する時の、滑り止めや汚れ防止に大活躍する。
俺は登山中常に背抜き手袋を手にはめている。安いんだけど、ほつれたり生地が伸びるスパンが短いから消耗品。コンビニでも買える。
ヘルメット
槍ヶ岳山頂付近や大キレットは大きめの石がゴロゴロしている。
前を行く登山者からの落石で殺されたくないからヘルメットは必要。
俺はアマゾンで買った中華製の格安ヘルメットを使っている。今のところ落石を受けてないから安全性は不明。お守りに近い。
使用感は問題ないからコスパを求めるなら普通にあり。ブランド名はXinda(シンダ)。縁起悪すぎ。
防寒着・雨具類
ウルトラライトダウン
コスパと機能性を考えたら、結局ウルトラライトダウンにたどり着いた。
ただ、軽くてコンパクトなのはいいんだけど、肝心の防寒性能については不安を感じた。
言うまでもなく、ウルトラライトダウンは防寒着の補助的存在。
ヒートテック極暖タイツ
テントで寝る時に使った。寒冷地でこのタイツが1枚あると超心強い。
槍ヶ岳のテント場が夜10℃以下だったにも関わらず、下半身はポカポカだった。ユニクロに感謝。
レインジャケット
雨には降られなかったけど、テント泊時の防寒着として使用した。いわゆるゴアテックスジャケット。
俺の登山ギアの中で、このレインジャケットだけは高級登山用品メーカー「マムート」を使っている。それなりの値段がするだけあって、軽くて丈夫で蒸れにくく、快適の限りを尽くしている。
ただ、もし今から買うならワークマンやユニクロの、防水透湿性能を備えた安いレインジャケットにすると思う。
レインパンツ
登山界のユニクロこと、モンベルのレインパンツを使用。
ゴアテックスだから防水性能は申し分ないんだけど、ポケットが付いてないのはかなり不便。睡眠時の防寒着が主な用途だから、ここは目をつむることにした。
近いうちにメルカリで出品するつもり。
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テント・睡眠用具
2人用テント
中華系の格安登山メーカーでお馴染みNature HikeのCloudup2という2人用テント。
値段の割には軽くて丈夫だし、組み立ても簡単。荷物を室内に入れても、大人の男2人が寝られるぐらいスペースにゆとりがある。
今回の槍ヶ岳でもかなりお世話になった。
ちなみに槍ヶ岳のテント場はモンベルのテント多すぎ。
同じテントだったから見分けがつかなかっただろうから、そういう点でもCloudup2を使ってよかったと思った。
エアーマット
テント泊での寝心地を左右するマットには、全人類が常備すべきと噂のFIELDOORのエアーマットを使用した。
マットだけはザックの外にくくり付けている登山者が多いけど、俺の場合山まで行くのに東京から電車に乗らないといけないから、外付けはできればしたくない。
その点、エアーマットであれば空気で膨らます構造上、収納時は超コンパクトになるから60Lザックでも外付け不要。
これだけ小さければ車中泊、空港泊、災害時など、どんな時でも使える。
【フィールドア エアーマット レビュー】キャンプ以外にも使える万能グッズ
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シュラフ(夏用)
イスカのウルトラライトという夏用シュラフ。
これもサイズ重視で選択した。収納時の容量は2lペットボトル以下と驚異的な小ささ。
コスパがよく、作りもしっかりしているけど、あくまで夏用だから最低使用温度は10℃と高め。
ガジェット・電子機器類
ヘッドライト
登山界のユニクロこと(2回目)、モンベルのヘッドライト。
主にテント場で夜トイレに行く時や、ご来光を見るため日の出前に出発する時なんかに使った。
70m先まで照射できるから、遭難して日が暮れてしまっても、このヘッドライトがあれば行動できる。3段階の光量調節ができて、1番弱い電球色だと最大120時間使用できるらしい。
実はヘッドライトって意外と安くて、どこのメーカーでもあまり価格差がないから、俺は大手メーカーの安心感を買った。
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iPhone13
俺は登山の地図をYAMAPという地図アプリに集約しているから、スマホが無いとそもそも山頂まで行くことができない。
他にも緊急連絡、時計、カメラとしての用途をすべてiPhoneが担っている。
それなりに新しい機種であれば、どんなスマホでもいいと思うけど、古すぎる機種はバッテリーが持たないから、iPhoneであれば12以降を推奨する。
充電切れ対策のために、行動中はずっと機内モードにしていた。YAMAPはGPSだから機内モードでも現在地がわかる。それにどうせ山ではほぼ圏外。
事前にYAMAPで地図をダウンロードしておくのを忘れないようにしてほしい。
20,000mhaのモバイルバッテリー
スマホの消費電力を最小にしていても、さすがに3日間はもたない。
ということで、iPhone13を4回以上充電できる20,000mAhの大容量モバイルバッテリー「シリコンパワー」を持っていった。塩コショウはサイズ比較用。
高速充電にも対応しているから、夜充電を忘れても、朝起きてから30分ぐらいで50%以上充電できて便利すぎた。
高速充電対応ライトニングケーブル
モバイルバッテリーの高速充電には、それに対応したType-Cのライトニングケーブルが必要。家でも使ってる。
予備電池
ヘッドライト用の予備乾電池。ダイソーで買った。
遭難したら火起こしにも使えるらしい。
化粧品・エチケット用品類
日焼け止め
男でも日焼け止めは必ず塗るべき。というか、山でずっと紫外線をノーガードで浴び続けたら、体力をかなり消費する。
俺は山行中、顔と首部分については1時間おきに日焼け止めを塗り直していた。他はタイツや長袖シャツで物理的にガード。
日焼け止め独特の匂いが苦手だから、ニベアの日焼け止めを使っている。伸びもよくておすすめ。
乳液
山の上は常に乾燥しているから、保湿が必要。
俺は普段からスキンケア用に、化粧水・ホホバオイル・乳液を使っているんだけど、さすがにすべて持っていくわけにはいかないということで、ホホバオイル1本に集約するという苦肉の策をとった。
ちなみにテント泊登山ではろくに顔を洗えない可能性が高い。俺は沢を見つけ次第、顔を突っ込んで水洗いしていた笑
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歯磨きセット
登山中でも歯磨きは大事。歯磨き粉も忘れずに。
フロス
フロスなんて小さいし、重さも無いに等しいから、1本だけ持っていった。
山の上とはいえ、やっぱりフロスは大事。
ポケットティッシュ
主に鼻をかむのに使った。
やむを得ず野グソするハメになったら使おうと思っていたけど、幸いその事態には陥らなかった。
ウエットティッシュ
風呂に入れないから体を拭くのに使用した。
さらに、ウォシュレット代わりとしても活躍してくれたから、持って行って本当によかった。当然だけど山小屋のトイレにウォシュレットはない。
ちなみに俺の場合、髪の毛はいつも湯シャンだから2日洗わなくてもベタベタしなかったし、かゆくもならなかった。もし洗いたくなっても沢に頭を突っ込んでゴシゴシすれば、それだけでシャンプーが完了する。湯シャンすごい。
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食料・携行食類
水4.5L
真夏だったから、水不足は生死に関わるんだけど、あいにく槍ヶ岳大キレットルートには水場がない。
さすがに3日分の水を持ち歩くわけにもいかないけど、途中の山小屋で必ず水があるとも限らない。最悪2日目まで補給無しでも行動できるように4,5L持参した。
入れ物は普通のペットボトル。重いから登山口直前のコンビニやスーパーで買うべき。事前に買うなら伊藤園の水が安くて美味いからおすすめ。
スクイズボトル
サッカー少年がよく使っているアレ。
キャップを回さず、軽く引っ張るだけで水が飲めるから楽だし、キャップを外すことがないから紛失リスクがない。
中身を足す時も注ぎ口が大きいから、こぼしにくい。
行動時にすぐ飲めるよう、ザックの取り出しやすい場所にスクイズボトルを取り付けていた。
アクエリアス粉末
山小屋で汲んだ水をアクエリアスに昇華させる魔法の粉。1L用の袋を4つ持って行った。
水ばかりだと飽きるし、熱中症対策にもなる。
この白い粉はやみつきになる。やめられねぇ。
ガス・ガスバーナー
フリーズドライ食品を作るためにお湯が必要だから、湯沸かし用に持参した。
ガスはEPIgasというアマゾンで1番安かったやつ。
バーナーも同じく1,000円以下で買ったOD缶対応シングルバーナー。超小さくて気に入ってる。
塩コショウはサイズ比較用。
200mlぐらいなら1分で沸かせるから、寒い中お湯が沸くのを待つ時間がなくてかなり助かった。
着火にはライターが必要だから忘れないように注意。
クッカー(ダイソー)
お茶も飲みたかったから、マグカップと鍋用でサイズが違うのを2つ持っていった。どちらも直径15cm以内だから大した荷物ではない。
チタン製で2,000円とかするクッカーを使う人もいるけど、1g単位で重量を削るようなガチ登山じゃないから、ダイソーのキャンプ用品で十分。これでもかなり軽い。
フリーズドライ食品
2泊3日だから、朝昼晩を考えたら10食分くらい必要に感じるけど、俺は予備も合わせて4つしか持って行かなかった。
というのも2年前から1日1食生活をしていて、毎日夜しか食べないことに慣れているから、たくさん持って行ってもどうせ余る。
それに槍ヶ岳の登山道には食事を提供している山小屋もある。俺はフリーズドライ食品をまとめ買いして、余った分は防災備蓄品として保管している。
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スニッカーズ
肥満体型のアメリカ人キッズが食べるイメージのあるお菓子。今回の携行食のメイン。
食べた瞬間、虫歯になりそうなぐらい甘いスニッカーズ、その甘さは伊達じゃなくて、1本あたり247キロカロリーと驚異的なデブ食なんだ。247キロカロリーというとご飯1杯分。
甘すぎるお菓子が苦手な俺は、登山じゃなければ絶対に食べたくない。今回は最悪の事態も考えて、スニッカーズを4本持っていったけど、結局2本余った。この2本は会社にいる超甘党の同僚に寄付した。
パウチゼリー
イオンブランドの100円で売っているパウチゼリーを5本携帯した。
個人的に携行食としては、スニッカーズよりパウチゼリーの方が断然好み。熱中症で体調不良になってもゼリーなら摂取しやすいと思う。
子供の頃はマスカット味が好きだったけど、大人になってからグレープフルーツ味の方が好きになった。
ただ、ほぼ水分だから1つ1つ重いのが難点。今見たらアマゾンブランドの方が安かったから、こっちを買えばよかった。
お茶パック
朝はコーヒーよりお茶が飲みたい。
持って行きたかった物
ここまでで俺が2泊3日槍ヶ岳テント泊登山に持っていった物を解説したんだけど、ここからは下山後に持って行くべきだったと感じた物を解説していく。
これからテント泊登山をする人は、俺の失敗を活かしてほしい。
冬用シュラフ
今回俺が持参したイスカのシュラフは最低使用温度10℃で、槍ヶ岳山頂付近の当時の気温もちょうど10℃。
若干不安もあるけど、中にウルトラライトダウンも着込むし、何とかなるだろと思っていた。
だけどやっぱり山は甘くない。山頂付近のテント場はかなり風が吹いていて、気温は10℃だったかもしれないけど、体感は6〜7℃くらい。
ウルトラライトダウンごときじゃ、まったく歯が立たず、テントの中で凍えるハメになった。
1日目のテント場である殺生ヒュッテでは、寒すぎて2時間ぐらいしか寝られなかった。
次回は安くてもいいから最低使用温度0℃以下のシュラフを持って行きたい。
耳栓
登山者ってマナーの良い人が多くて、テント場では夜明け前の行動に備えてみんな静かにしているから、他人の話し声とかに悩まされることはまずない。
だったら耳栓いらなくねって思うけど、俺が耳栓を必要だと感じた原因は、風でテントがなびく音なんだ。
山は夜になると風が強くなる。すると、テントの最も外側のシート(フライ)が風でバタバタと音を立てて結構うるさい。
まだ一定のリズムをキープしてくれれば、慣れて気にならなくなるんだけど、自然現象だからバタバタ音は不規則なリズムを奏でる。
睡眠不足のまま山頂にアタックしたり、大キレットのような難所に挑むのはかなりキツかった。
次回は俺が過去にも紹介した耳栓、LOOPを持参したい。
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腕時計
普段から腕時計を着けず、スマホで時間を確認しているんだけど、登山の時は腕時計があった方が便利。
というのも、長期登山にはちゃんと「何時にここを通過する」みたいな計画があって、自分が計画通りに進んでいるか確認するため、頻繁に時計を見るんだ。
ただ、岩場だったり悪天候の中だったりするとスマホを落とすリスクが上がる。もちろん登山道でスマホを落としたら、回収できないケースも多い。
できるだけスマホを取り出す回数を減らして、落下リスクを下げるためにも腕時計はあった方がいいと思った。
登山の時しか使わないから、防水であれば1,000円以下の腕時計でOK。
値段と重さはトレードオフ
登山の装備を揃えるにあたって痛感するのは、金を出せばそれだけ軽い装備が手に入るってこと。
家具や日用品であれば、高い物ほど重厚感だったり耐久性のある重い素材が使わることが多いんだけど、登山においては真逆。
高ければ高いほど、こんなスカスカで大丈夫かっていうような道具になる。知らない人が手にすれば安っぽく感じるかもしれないけど、軽くするのが登山ギアの大命題だから当然といえば当然。
安全で快適な登山を目指すなら金を出すしかない。登山っていうのは弱者に厳しい残酷な世界。
最近のワークマンが優秀
とはいえ、最近はキャンプブームもあり、今まで登山用品を扱っていなかった大手スポーツメーカーや工事現場向けの作業着メーカーが相次いで参入している。
それにより、大企業の規模を活かして、安いのにそれなりの機能を持たせた登山用品が市場に多く出回っている。
その筆頭ともいえるメーカーがワークマンなんだ。
今やワークマンは建設現場の作業員が使う工具や作業服だけでなく、街でも着られるおしゃれな服や、キャンプ道具、登山服などを製作する一大アウトドアメーカーになった。
俺も最近は普段着から登山ギアまでワークマン無しでは、成り立たなくなってしまった。近くにワークマンがある人は、登山用品店へ行く前にまずワークマンを覗いているみてほしい。
登山では現地調達が難しい
登山道にはコンビニはもちろんのこと、ちょっとした売店すら存在しないケースがほとんど。
有人の山小屋があれば軽食や水分は購入できるけど、そもそもかなり有名な山じゃないと山小屋ってのは無人運営がデフォ。
つまり、歯ブラシ忘れたから現地で買おうとか、寝袋忘れたから山小屋で借りようとか絶対無理。
足りないより多すぎる方がいい
旅行や出張では足りないぐらいの荷物を持って行って、本当に足りなければ現地調達するスタイルの俺だけど、登山ではむしろ余るぐらいの荷物を持って行く。
確かに荷物が重くなる弊害はあるんだけど、体力の消耗を楽しむのも登山の醍醐味だし、過酷な方が登頂時の達成感が増す。
それより、山の上で重大な忘れ物をする方が致命的。
これから俺と同じような計画で槍ヶ岳に挑む人は、ぜひこの記事で紹介した荷物を参考に、素晴らしい絶景と快適な登山を楽しんできてほしい。